人体の構造と機能の問題ですね。
この問題は毎年出題されるため、必ず覚えるようにしましょう。
毎年出ることもあって同じような問題傾向ですね！過去問を解いていくとより知識が定着してくると思います。
1．解糖系はグルコースがピルビン酸・乳酸まで分解される反応のことです。
すなわち嫌気的反応であるため、酸素の供給は必要ありません。
２．ATP（アデノシン三リン酸）はミトコンドリアで産生されますが、赤血球にミトコンドリアは存在しません。よって不正解です。
３．グルクロン酸回路はUDPグルコースを生産する回路になります。
この回路はグルクロン酸抱合による解毒や多糖類の合成に関与します。
ATP産生はTCA回路です。
４．正答
ペントースリン酸回路の役割は、脂質合成に必要なNADPHの産生と核酸合成に必要なリボース‐５‐リン酸の産生の２つです。
５．血中遊離脂肪酸の上昇は空腹時における、エネルギー不足が原因です。
そのため、糖質の摂取を行うと、遊離脂肪酸は低下します。
正答は（４）
１．（誤）
解糖系は、酸素の供給を必要としません。
解糖系は、グルコースに含まれるエネルギーを生物が使用しやすい形に変換する、嫌気状態で行われる代謝系です。
２．（誤）
赤血球におけるATPの産生は、解糖系で行われると言われています。
赤血球は、ミトコンドリアを持たない為、クエン酸回路でのATP産生は出来ません。
３．（誤）
グルクロン酸経路（ウロン酸経路）は、グルクロン酸抱合による解毒や多糖類の合成に関わる経路であると言われています。
ATP産生に関わる経路はTCAサイクルです。
４．（正）
ペントースリン酸回路は、核酸の生合成に不可欠な糖を含む各種ペントースの産生に関与し、またNADPHの供給源として脂質の生産にも関与していると言われています
脂質合成が盛んな、肝臓、脂肪組織、精巣、副腎皮質、授乳期の乳腺においてペントースリン酸経路の活性は高いと言われています。
５．（誤）
糖質の摂取は、血中遊離脂肪酸値を低下させると言われています。
血中遊離脂肪酸値は、空腹時、エネルギー不足及び糖質の摂取不足時に上昇すると言われています。
糖質の代謝はさまざまな過程があり、状況に応じて異なります。
ポイントをおさえて理解しておくことが大切です。
解糖系は、酸素の供給を必要としません。
解糖系とは、グルコースがリン酸化を受け、ピルビン酸を経て乳酸になるまでの過程のことです。
反応過程中で酸化反応と還元反応が同時に起こるため、酸素の供給がなくともエネルギーが供給されます。
赤血球におけるATPの産生は、解糖系で行われます。
クエン酸回路はミトコンドリア内でATPを生産しますが、赤血球にはミトコンドリアがありません。
そのため、酸素を必要としない解糖系に依存しています。
グルクロン酸経路（ウロン酸経路）は、グルクロン酸を産生します。
ATPは産生しません。
グルクロン酸経路は解糖系の側路にあり、グルクロン酸は肝臓で解毒作用に利用されます。
正しいです。
ペントースリン酸回路では、脂肪酸合成やステロイド代謝に必要なニコチンアミドアデニンヌクレオチドリン酸（NADPH)の生成が行われます。
糖質の摂取は、血中遊離脂肪酸値を低下させます。
遊離脂肪酸は、エネルギーや糖質が不足している状態で放出されエネルギー源として利用されます。
エネルギー源である糖質を摂取すると脂肪酸の利用の必要がなくなり、血中遊離脂肪酸は低下します。
