管理栄養士の過去問 第36回 午前の部 問52
この過去問の解説 (4件)
正解は 5 です。
ボツリヌス菌は偏性嫌気性のグラム陽性桿菌であり、
本菌が作り出すボツリヌス神経毒素によって食中毒を引き起こします。
このボツリヌス神経毒素は末梢神経に作用し、
神経症状(嘔吐、視力障害、言語障害、えん下困難など)が現れます。
とても強い毒素であり、重症化すると呼吸麻痺により死亡します。
1:上記の通りボツリヌス菌は偏性嫌気性の細菌です。
2:ボツリヌス菌は芽胞形成菌です。
この芽胞は100℃では死滅せず高圧蒸気滅菌(121℃15分~20分)で死滅します。
3:嫌気性菌なので、酸素のない缶詰、真空パック、瓶詰などが感染源として多いです。
過去「いずし」や真空パックの「からし蓮根」によって引き起こされたボツリヌス菌食中毒が有名です。
4:潜伏期間はおよそ6時間から10日間であり、18時間から48時間で引き起こされることが多いです。
✕1 .通性嫌気性の細菌である。
誤りです。
ボツリヌス菌は通性嫌気性の細菌ではなく、
グラム陽性の偏性嫌気性菌です。
✕2 .高圧蒸気による120℃ 20分間の加熱で死滅しない。
誤りです。
ボツリヌス菌は高圧蒸気による120℃ 20分間の加熱で死滅します。
120℃で4分間の加熱でボツリヌス菌は死滅します。
✕3 .主な感染源は、生鮮魚介類である。
誤りです。
ボツリヌス菌は酸素が少ない状態で増えるため
缶詰、びん詰、真空パック食品、発酵食品が原因となります。
✕4 .潜伏期間は、一般に10日程度である。
誤りです。
潜伏期間は、一般に5時間~3日間(通常12~24時間)とされます。
〇5 .毒素は、末梢神経を麻痺させる。
正解です。
ボツリヌス菌の毒素は、末梢神経を麻痺させます。
ほとんどの場合、適切な治療により治癒しますが、まれに亡くなることもあります。
ボツリヌス菌は偏性嫌気性菌です。
酸素の少ない環境の下で致死性の毒素(ボツリヌス毒素)を生産します。
この毒素は神経を麻痺させることが特徴の毒素であり、神経機能を阻害し、呼吸と筋肉を麻痺させます。
ボツリヌス菌は芽胞を作ることで、熱耐性を持ちます。この芽胞は酸素が少ない状態で出芽し、毒素を排出します。
このボツリヌス菌の毒素は自然界に存在するもので、食品加工時の不適切な処理(中心温度が上がらないままなど)で加工後も残っていることがあります。
そのため、ボツリヌス菌の毒素を残さないために、食する前に十分な加熱(中心温度100度で1~2分)を行うことが必要です。
また、蜂蜜にはボツリヌス菌が含まれていますので、1歳未満の乳児には蜂蜜使用食品を含めて摂取させないことが重要です。
日本国内でボツリヌス菌の食中毒は発生しており、主な事例としては1984年の熊本名物辛子蓮根の真空パック商品での中毒で36人の中毒者を出しました。
これは辛子蓮根を作成するときに滅菌処理が不十分で、かつ真空パックにした後常温で流通させたことで土壌由来のボツリヌス菌が毒素を生産したため中毒を起こしたものです。
ボツリヌス菌は毒素型で、全身の神経麻痺を引き起こします。
ボツリヌス菌は、酸素があると増殖できない偏性嫌気性菌です。
120℃ 4分以上の加熱で死滅します。
主な感染源には、いずし、缶詰、ソーセージ、はちみつなどがあります。
潜伏期間は12~36時間です。
毒素は、末梢神経を麻痺させます。
解説が空白の場合は、広告ブロック機能を無効にしてください。
また、広告右上の×ボタンを押すと広告の設定が変更できます。