管理栄養士の過去問
第36回
午前の部 問54

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問題

第36回 管理栄養士国家試験 午前の部 問54 (訂正依頼・報告はこちら)

アニサキスとそれによる食中毒に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 主な感染源は、生のかきである。
  • 食材を食酢で処理することで、容易に死滅する。
  • 食材を5℃で冷蔵することで、容易に死滅する。
  • 幼虫移行症である。
  • 最終宿主は、ヒトである。

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この過去問の解説 (5件)

01

正解は 4 です。

アニサキスは長さ2~3cmくらいの寄生虫です。

主にサバ、アジ、サンマ、サケ、イカなどの魚介類に寄生します。

この幼虫移行症とは、ヒト以外を終宿主とする寄生虫がヒト体内に侵入し、

幼虫のままでヒト体内を移行して様々な病害を引き起こす疾患です。

この幼虫移行症の代表的な寄生虫がアニサキスとして挙げられます。

1:上記の通り主にサバ、アジ、サンマ、サケ、イカなどの魚介類に寄生するので、これらが感染源になります。

2:アニサキスは加熱・冷凍のみで死滅します

食酢などの調味料では死滅しません。

3:冷蔵では死滅しません。

冷凍(-20℃で24時間以上)もしくは加熱(60℃1分以上)が有効です。

5:上記の通り最終宿主はヒト以外であり、クジラやイルカが最終宿主です。

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02

アニサキスは鮮度維持の技術が向上していることで、発生することが多くなっている食中毒です。

アニサキスは線虫の総称であり、アニサキスという虫はおりません。

魚介類に寄生しているのが特徴です。

主にサバに寄生しているのが有名ですが、その他の魚にも寄生しています。

アニサキスを死滅させるにはマイナス20度以下で24時間以上、または60度以上で1分の加熱で死滅することが知られています。

しめ鯖の酢で死滅させることが出来ると言われていますが、死滅しませんので要注意です。

アニサキスが体内に取り込まれたら、もし胃に住み着いてしまうと、激しい腹痛と嘔吐の症状が出ます。食中毒の症状の一つである下痢はありません。

内視鏡で胃にいるアニサキスを取り除くこと、または薬によって症状を抑えることで症状が治まります。

鮮度が良くても魚の生食は控えるようにしましょう。

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03

アニサキスは寄生虫の一種で魚介類に寄生することが多く知られています。

生の魚介類や加熱が不十分の冷凍魚介類によりアニサキス幼虫が胃壁や腸壁に刺入して食中毒(アニサキス症)を引き起こします。

選択肢1. 主な感染源は、生のかきである。

主な感染源は魚介類の生食です。

サバやアジ、カツオなどの赤身魚に多く寄生します。

選択肢2. 食材を食酢で処理することで、容易に死滅する。

アニサキスは食酢では死滅しません。

食材の中心温度60℃で1分以上加熱することで死滅します。

また、-20℃以下で24時間以上冷凍することにより死滅します。

選択肢3. 食材を5℃で冷蔵することで、容易に死滅する。

5℃では死滅しません。

-20℃以下で24時間以上冷凍することにより死滅します。

選択肢4. 幼虫移行症である。

正しいです。

幼虫移行症は人の体内に入っても成虫にならず幼虫のまま動き回り様々な病害を引き起こします。

選択肢5. 最終宿主は、ヒトである。

アニサキスの最終宿主はヒゲクジラやイルカです。

まとめ

アニサキスは毎年多くの食中毒事故の原因となっております。

アニサキス食中毒の症状や発生時期、原因食品、発生場所などしっかり理解しておきましょう。

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04

アニサキスは、海産魚介類に寄生する寄生虫(線虫)の一種です。

アニサキス幼虫が寄生している魚介類を加熱や冷凍をせずに食べると、アニサキス幼虫が胃壁や腸壁に刺入して、食後数時間から十数時間後にみぞおちの激しい痛み嘔吐蕁麻疹腹膜炎などの食中毒症状を引き起こします。

選択肢1. 主な感染源は、生のかきである。

アニサキスは、サバやイカ、カツオ、サケなどの海産魚介類が感染源の寄生虫です。

選択肢2. 食材を食酢で処理することで、容易に死滅する。

アニサキスは食酢では死滅しません。

60℃で1分以上、または−20℃で24時間以上冷凍することで死滅します。

選択肢3. 食材を5℃で冷蔵することで、容易に死滅する。

アニサキスは比較的低温に強いです。

60℃で1分以上加熱または−20℃で24時間以上冷凍をすることで死滅します。

選択肢4. 幼虫移行症である。

正しいです。

幼虫移行症とは、ヒト以外を最終宿主とする寄生虫がヒトの体内へ侵入し、幼虫のまま体内を移行して病害を引き起こす疾患です。

選択肢5. 最終宿主は、ヒトである。

アニサキスの最終宿主は主にイルカクジラなど海生哺乳類です。

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05

アニサキスは線虫類の一種で、摂取すると激しい腹痛と嘔吐を起こします。国内でも年間2,000〜3,000ほどの症例が報告されています。

選択肢1. 主な感染源は、生のかきである。

第二中間宿主であるタラやカツオ、サバ、イカ、タコといった魚介類が主な感染源です。

選択肢2. 食材を食酢で処理することで、容易に死滅する。

酢では死滅せず、もちろんわさびや醤油などの調味料でも死滅しません。60℃以上の加熱か−20℃以下数時間の凍結により死滅します。

選択肢3. 食材を5℃で冷蔵することで、容易に死滅する。

60℃以上の加熱か−20℃以下数時間の凍結により死滅するため、5℃の冷蔵では死滅しません。

選択肢4. 幼虫移行症である。

最終宿主がヒトではないため、幼虫が寄生している魚を人間が食べても、成虫に発育することはありません。発育できなかった幼虫は胃壁や腸壁に侵入し腹痛、嘔吐などの症状を引き起こします。

選択肢5. 最終宿主は、ヒトである。

最終宿主はクジラやイルカであり、これらが摂取すると幼虫は成虫に発育します。

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