管理栄養士の過去問
第36回
午前の部 問87

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問題

第36回 管理栄養士国家試験 午前の部 問87 (訂正依頼・報告はこちら)

妊娠期の母体の変化に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 血中ヘモグロビン値は、低下する。
  • 基礎代謝量は、低下する。
  • 腎血流量は、減少する。
  • インスリン感受性は、増大する。
  • 膀胱容量は、増大する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 1 です。

妊娠期になると母体の循環血液量が増加します。

ヘモグロビン量も増加しますが、それ以上に循環血漿量も増加するので、

ヘモグロビン濃度が低下します。

2:基礎代謝量は増加します。

3:循環血液量増加に伴い、腎血流量も増加します。

4:妊娠によりインスリン感受性が低下します。

インスリン抵抗性が増大するともいいます)

インスリン感受性の低下によってインスリン分泌が十分でない場合、

妊娠糖尿病となります。

5:妊娠により子宮が大きくなるにつれ膀胱が圧迫されます。

よって膀胱容量は低下します。

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02

妊娠期の母体の特徴について理解を深めましょう。

選択肢1. 血中ヘモグロビン値は、低下する。

正しいです。

血中ヘモグロビン値は、低下します。

妊娠していない女性の血中ヘモグロビン値の正常値は12〜14g/dlですが、

妊娠初期では11g/dl未満、中期では10.5g/dl未満、後期では11g/dl未満で貧血治療が推奨されます。

選択肢2. 基礎代謝量は、低下する。

基礎代謝量は、増加します。

妊娠中の基礎代謝量は、妊娠初期には5%、妊娠後期には15~20%増加します。

選択肢3. 腎血流量は、減少する。

腎血流量は、増加します。

腎臓は、妊娠すると最大1〜2cm大きくなります。

腎臓の増大によって、腎血流量の増加や血管が拡張され、腎臓内血液量が増大します。

他にも、内分泌因子の増加も関与しています。

選択肢4. インスリン感受性は、増大する。

インスリン抵抗性は、増大します。

妊娠中は、胎児による糖の消費率が高まるため、インスリン抵抗性が増大したり、インスリンの過不足をきたしやすくなることがあります。

選択肢5. 膀胱容量は、増大する。

膀胱容量は、縮小されます。

子宮が大きくなることによって、膀胱が圧迫されるためです。

まとめ

妊娠中は、体内で様々な変化が起こります。

妊娠していない時と妊娠中の違いについて学びを深めましょう。

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03

妊娠期の母体の変化として循環血液量の増加、インスリン抵抗性の増大、血液凝固系の亢進などが見られます。

選択肢1. 血中ヘモグロビン値は、低下する。

正しいです。

妊娠中、赤血球量の増加に比べて血漿量の増加が著しいため見かけ上の貧血の傾向となります。

選択肢2. 基礎代謝量は、低下する。

基礎代謝量は、上昇します。

妊娠中の基礎代謝率は8~15%上昇します。

選択肢3. 腎血流量は、減少する。

腎血流量は増加します。

妊娠期の腎血液量は約30%増加します。

選択肢4. インスリン感受性は、増大する。

インスリン感受性は、低下します。

妊娠期には胎盤ではインスリンの働きを抑えるインスリン拮抗ホルモンが分泌されます。また脂肪組織からは、インスリンの作用を抑制するサイトカインも産生されるため、インスリンが正常に作用しない状態になりインスリン抵抗性が増大します。

選択肢5. 膀胱容量は、増大する。

膀胱容量は、低下します。

妊娠期は子宮が大きくなるため膀胱が圧迫されます。

まとめ

妊娠期の母体の変化について理解しておきましょう。

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