管理栄養士の過去問
第36回
午後の部 問107

1 .プロダクト（Product） ――――― 大学生に人気のあるエリアで開催する。

　✖⇒プロダクトは「対象者に行ってほしい行動や、そのための支援」に関することです。

「大学生に人気のあるエリアで開催する」は、プレイスがふさわしいと考えられます。

2 .プライス（Price） ――――――― 参加者に土産として、無糖の飲料を配る。

　✖⇒プライスは「対象者が行動を起こす際に生じるコスト」に関することです。このコストとは、金銭に限らず、時間や心理的な負担も含む点がポイントです。

「参加者に土産として、無糖の飲料を配る」は、プロモーションがふさわしいと考えられます

3 .プライス（Price） ――――――― 短時間で終わる内容にする。

　〇⇒（2）での説明と同様で、時間的なコストを減らすことで対象者が行動を起こしやすくする点が狙いです。金銭に限らず、時間や心理的な負担もコストに含まれる点が重要です。

4 .プレイス（Place） ――――――― 居酒屋でのお金の節約方法を教えますと宣伝する。

　✖⇒居酒屋でお金の節約方法を教える会を催す、であればプレイスがふさわしいと考えられますが、あくまで「宣伝する」であるため４Pに当てはめるのであればプロモーションがふさわしいと考えられます。

5 .プロモーション（Promotion） ―― オンラインでの参加を可能とする。

　✖⇒プロモーションは「対象者が行動を起こすために必要な情報を届ける手段」に関することです。「オンラインでの参加を可能とする」は、対象者が実践しやすい場の設定と考えるとプレイスがふさわしいと考えられます。

解答は【3】です。

ソーシャルマーケティングについて、復習をしましょう。

ソーシャルマーケティングとは、商業分野におけるマーケティングの手法を、行政・医療・教育関連の活動に応用することです。

マーケティングミックス（4P）とは、製品・価格・場所・販売促進を適切に組み合わせて、栄養教育の教材やプログラムなどを作成することです。

　・プロダクト（product）：対象者に行ってほしい行動や、そのためのサポート

　・プライス（price）：対象者が行動を起こす際に生じる、時間や精神的な負担などのコスト

　・プレイス（place）：対象者が行動を起こす場所

　・プロモーション（promotion）：対象者が行動を起こすために必要な情報を届ける手段

１．×

プロダクト（Product）ではなく、プレイス（Place）です。

２．×

適正な飲酒量を伝えるための教室なので、無糖の飲料を配布することは、どれにも当てはまりません。

強いていうのであれば、プロモーション（Promotion）だと考えられます。

３．〇

最も適切です。

４．×

プレイス（Place）ではなく、プロモーション（Promotion）です。

５．×

これはプレイス（Place）です。

ソーシャルマーケティングとは、商業分野におけるマーケティングの手法を教育や医療、行政などに応用する手法のことです。

マーケティング・ミックスとは、市場の特性に合わせて手法を構成するマーケティングの要素のことで、大きく四つに分けられます。

【マーケティング・ミックスの４P】

・製品（Product）…なにを？

対象者に採用してもらいたい望ましい行動のことです。

・価格（Price）…いくらで？

対象者が行動を起こすときに使う対価(費用、時間、努力など）のことです。

・場所（Place）…どこで？

対象者が行動を起こす場所(アクセスできる場所など）のことです。

・販売促進(Promotion）…どのように？

対象者が行動を起こすための工夫、必要な情報を届ける工夫（広告、おまけ、コンテストの開催など）のことです。

それでは問題をみていきましょう。

さまざまな要素を標的とする市場の特性に合わせて手法を構成することをマーケティングミックスといい、4つの要素に分けられます。

～マーケティングミックスの4P～

★プロダクト(product)

製品やサービスの向上

★プライス(price)

行動を起こす際に生じるコスト（時間や心理的な負担も含む）

★プレイス(place)

行動を起こす場所

★プロモーション(promotion)

販売促進の手段