管理栄養士の過去問
第36回
午後の部 問187

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問題

第36回 管理栄養士国家試験 午後の部 問187 (訂正依頼・報告はこちら)

K介護老人福祉施設に勤務する管理栄養士である。多職種で栄養ケア・マネジメントを実施している。
入所者は、90歳、女性。末期がんと診断されている。自分が食べられなくなったときには、胃瘻を造設しないと入所時から話していた。
以前は、軟菜食を自分で摂取していたが、1か月前から、介護者が食事介助している。食べ物を口に運ぶと、口を開けてゆっくり食べるが、食事の後半は疲労がみられ、傾眠やむせることもある。排便は1週間に1回、尿量は減少しており、口腔内や腋窩の乾燥がみられる。
身長153cm、体重37kg、体重減少2kg/3か月、血圧の低下、呼吸数の低下、下肢の浮腫あり。

この設問は、<前問>の続きの設問となります。

眠っている時間が増え、家族が面会に来たときにも本人は眠っていた。「好物だった干し柿を持ってきたので、食べさせたい。」と相談があった。その返答である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
  • 眠っていらっしゃるので、ベッドを起こして、口に少し入れてみましょう。
  • 今は眠っていらっしゃるので、起きたときに、召し上がるかどうか聞いてみましょう。
  • 干し柿は硬いので、食べさせてあげられませんね。
  • もっと栄養のある食べ物を持ってきてあげてください。

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この過去問の解説 (3件)

01

①× 眠っているところを起こし、そのまま口に入れることは誤嚥を起こしてしまう可能性がありませので不正答となります。

②○ 日常の食事も進んで食べる様子が見受けられなくなっているようなので、好きなものを少しでも食べられるといいですね。

③× 本人の好物なので意向を伺ってから判断しましょう。

④× ③同様

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02

この入所者は90歳の末期がん患者のであり、予後を踏まえて本人の意見、気持ちを優先することが大切です。

選択肢1. 眠っていらっしゃるので、ベッドを起こして、口に少し入れてみましょう。

不適切です。

眠っているところを、わざわざベッドを起こして口に食べ物を入れることは、誤嚥のリスクがあります。

また、本人の寝たい時には眠らせておくほうが望ましいです。

選択肢2. 今は眠っていらっしゃるので、起きたときに、召し上がるかどうか聞いてみましょう。

適切です。

本人の意見を尊重します。

選択肢3. 干し柿は硬いので、食べさせてあげられませんね。

不適切です。

硬いもので今の状態に適した食事とは言えませんが、予後を踏まえ、本人に食べたいかを確認することが大切です。

選択肢4. もっと栄養のある食べ物を持ってきてあげてください。

不適切です。

栄養管理は家族が行うものではありません。

状態によって制限する場合もあると思いますが、この入所者は終末期の方であり、本人の意見を尊重することが大切です。

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03

終末期のがん患者に対しては本人の意思を尊重し本人のしたいようにしてさしあげることが最善といえます。

選択肢1. 眠っていらっしゃるので、ベッドを起こして、口に少し入れてみましょう。

眠っている状態で口の中に食べ物を入れることはむせ、誤嚥に繋がる可能性があり危険です。この選択肢は不正解です。

選択肢2. 今は眠っていらっしゃるので、起きたときに、召し上がるかどうか聞いてみましょう。

終末期のケアとして本人の意思を尊重することが重要です。無理に起こすことはせず、また勝手に判断もせず本人に確認することが最善です。

選択肢3. 干し柿は硬いので、食べさせてあげられませんね。

食事で疲労することと口腔内や腋窩の乾燥が見られることから、本来は干し柿を食べる状態には向いてないと考えられますが、本人の好物であるため終末期には患者本人の意思を確認する必要があります。

選択肢4. もっと栄養のある食べ物を持ってきてあげてください。

干し柿は栄養状態改善に適切な食べ物とは言えませんが、栄養管理は病院側が行うことでありご家族に求めることではありません。また、家族から本人の好物を渡してもらえることは患者本人にとってもうれしいことであると考えられるため、咎める必要はありません。

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