管理栄養士の過去問
第37回
午後の部 問84
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
第37回 管理栄養士国家試験 午後の部 問84 (訂正依頼・報告はこちら)
K病院の管理栄養士である。
患者は、72歳、女性。下部食道がん切除および胃管を用いた再建手術の目的で入院した。
身長150cm、体重40kg、BMI 17.8kg/m2。標準体重50kg。基礎代謝量920kcal/日。入院前、食べ物がつかえる感じはあったが、通常量程度の食事は摂取できていた。入院後も、経口摂取を継続している。
この設問は、<前問>の続きの設問となります。
再建手術直後からの栄養投与目標量の組合せである。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
患者は、72歳、女性。下部食道がん切除および胃管を用いた再建手術の目的で入院した。
身長150cm、体重40kg、BMI 17.8kg/m2。標準体重50kg。基礎代謝量920kcal/日。入院前、食べ物がつかえる感じはあったが、通常量程度の食事は摂取できていた。入院後も、経口摂取を継続している。
この設問は、<前問>の続きの設問となります。
再建手術直後からの栄養投与目標量の組合せである。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- エネルギー(kcal/日):600 たんぱく質(g/日):30
- エネルギー(kcal/日):600 たんぱく質(g/日):50
- エネルギー(kcal/日):1,200 たんぱく質(g/日):30
- エネルギー(kcal/日):1,200 たんぱく質(g/日):50
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
エネルギーの必要量は「基礎代謝量 × 活動係数 × ストレス係数」で求めることができます。
本問の患者は基礎代謝量920kcal、活動係数は1.2と推測され(ベッド上安静)、ストレス係数は合併症などが無ければ1.0と設定します。
そのため、エネルギー必要量は、920 × 1.2 × 1.0 = 1104(kcal)と推測されます。
たんぱく質量は一般的に「体重 × 0.8〜1.0g/日」で算出されますが、
術後はたんぱく質の代謝が亢進するため「体重 × 1.2〜1.5g/日」として算出します。
そのため、たんぱく質必要量は、40 × 1.2 ~ 40×1.5 = 48~60(g/日)と推測されます。
こちらが正解です。
術後は食欲不振や消化吸収の機能低下などにより低栄養が認められる場合が多くあります。
さらに手術の侵襲が加わるため、たんぱく質の代謝も亢進しエネルギー源に利用されます。
そのため術後は栄養必要量が増加します。
これらを考慮して栄養必要量を算出する必要があります。
参考になった数12
この解説の修正を提案する
02
手術侵襲に伴い、エネルギー、たんぱく質、ビタミン、ミネラルを十分にとることが大切です。
術後1日あたりの栄養基準は
・エネルギー:標準体重 × 30~40 kcal
・たんぱく質:標準体重 × 1.2~1.5 g
です。
この患者の場合、
・エネルギー:標準体重50kg × 30~40kcal = 1500~2000kcal
・たんぱく質:標準体重50kg × 1.2~1.5 = 60~75g
となりますが、下部食道がん切除および胃管を用いた再建手術のため、徐々に食形態を変えていく必要があります。
それに伴い、エネルギー量を考慮してい考えていく必要があります。
不適切です。
エネルギー、たんぱく質共に少なすぎます。
不適切です。
エネルギーが少なすぎます。
不適切です。
たんぱく質が少なすぎます。
適切です。
エネルギー、たんぱく質共に適切な量となっています。
参考になった数4
この解説の修正を提案する
03
食道切除手術後の直後(術直後、72〜96時間以内)の栄養投与エネルギー目標量は、20〜25kcal/kg/日を上限とするのが良いと考えられています。
たんぱく質の目標量は、手術の侵撃の程度によって異なりますが一般的に、1.2〜1.5kcal/kg/日程度です。
不適です。
エネルギーもたんぱく質も少なすぎます。
不適です。
エネルギーが少なすぎます。
不適です。
たんぱく質が少なすぎます。
適切です。
解説の冒頭より、患者の標準体重から
栄養投与エネルギー目標量 20〜25kcal×50(kg)=1000〜1250kcal
たんぱく質の目標量 1.2~1.5g×50(kg)=60〜75g
となります。
手術の侵撃によって身体は修復に奔走するため、たんぱく質からエネルギーを作り出そうとします。
そのため、術後はTPやAlb値が低下することがあります。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問83)へ
第37回問題一覧
次の問題(問85)へ