管理栄養士の過去問
第37回
午後の部 問85

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問題

第37回 管理栄養士国家試験 午後の部 問85 (訂正依頼・報告はこちら)

K病院の管理栄養士である。
患者は、72歳、女性。下部食道がん切除および胃管を用いた再建手術の目的で入院した。
身長150cm、体重40kg、BMI 17.8kg/m2。標準体重50kg。基礎代謝量920kcal/日。入院前、食べ物がつかえる感じはあったが、通常量程度の食事は摂取できていた。入院後も、経口摂取を継続している。

この設問は、<前問>の続きの設問となります。

手術と治療は順調に進み、術後2週間後から常食を開始することになった。食後の過ごし方について、優先的に指導する内容である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
  • 食後1時間程度、仰臥位をとる。
  • 食後1時間程度、右側臥位をとる。
  • 食後1時間程度、座位を保つ。
  • 食後すぐに、歩行訓練のリハビリテーションを始める。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題では食後の胃食道逆流を防止するためには、どのような過ごし方をしたら良いかを考えることで答えを絞ることができます。

選択肢1. 食後1時間程度、仰臥位をとる。

仰臥位とは仰向けのことです。

胃酸が逆流し、誤嚥のリスクも高まります。

選択肢2. 食後1時間程度、右側臥位をとる。

右側臥位をとってしまうと、胃底部や大弯が噴門部や食道側に対して上向きになるため、重力によって逆流を起こしやすくなります。

選択肢3. 食後1時間程度、座位を保つ。

適切です。

胃食道逆流防止のためです。

選択肢4. 食後すぐに、歩行訓練のリハビリテーションを始める。

食後は安静を保つことが適しています。

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02

食後の姿勢について問われる問題です。

胃液逆流の危険性などを考慮しましょう。

選択肢1. 食後1時間程度、仰臥位をとる。

不適です。

仰臥位とは仰向けのことです。

食道の逆流の可能性があるため、適していません。

選択肢2. 食後1時間程度、右側臥位をとる。

不適です。

右側臥位とは右半身を下に、横向きで寝ている状態です。

右側臥位では胃の噴門が下を向き、胃体部が上に位置してしまいます。

そのため胃液逆流の危険性があり、適していません。

選択肢3. 食後1時間程度、座位を保つ。

適切です。

座位は胃液逆流の危険性が低いです。

選択肢4. 食後すぐに、歩行訓練のリハビリテーションを始める。

不適です。

食後は消化を助けるためにも安静にすることが重要です。

まとめ

食道がん術後の問題でしたが、本問では胃液逆流・胃に関して問われています。

出題されている疾患以外にも、他の器官も併せて考えることが重要です。

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03

食後に適した過ごし方は術後に関係なく共通しています。

選択肢1. 食後1時間程度、仰臥位をとる。

不適です。

 

仰臥位(ぎょうがい)とは仰向けのことです。

食後すぐに横になると、胃の働きが妨げられて消化不良になりやすくなります。

選択肢2. 食後1時間程度、右側臥位をとる。

不適です。

 

右側臥位(うそくがい)とは、右半身を下にしている状態です。

食後、右側臥位をとると胃酸の逆流の危険が高まります。

選択肢3. 食後1時間程度、座位を保つ。

適切です。

 

食後に適した体位は座位です。

1時間程度は座位を保持した状態が望ましいです。

選択肢4. 食後すぐに、歩行訓練のリハビリテーションを始める。

不適です。

 

食後、30分〜1時間程度は活発な活動はせずゆったりと過ごします。

まとめ

胃食道逆流症や誤嚥を防ぐためにも食後1時間程度は座位を保持することが望ましいです。

 

経管栄養の注入後にも、30分〜1時間程度は状態を起こした体位を保持することが推奨されています。

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