管理栄養士の過去問
第38回
午前の部 問20
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問題
第38回 管理栄養士国家試験 午前の部 問20 (訂正依頼・報告はこちら)
アミノ酸、糖質および脂質の代謝に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- リンゴ酸は、尿素回路の中間代謝物である。
- ペントースリン酸回路は、ミトコンドリアに存在する。
- グルコース−6−ホスファターゼは、筋肉に存在する。
- 脂肪酸合成は、リボソームで行われる。
- β酸化は、ミトコンドリアで行われる。
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この過去問の解説 (3件)
01
アミノ酸、糖質、脂質それぞれの代謝経路を整理しておきましょう。
不正解です。
リンゴ酸はクエン酸回路の中間代謝物です。
リンゴ酸は尿素回路そのものに含まれませんが、尿素回路で生じるフマル酸をアスパラギン酸に変えて尿素回路に供給するときクエン酸回路に酵素が使われて、リンゴ酸を生じます。
不正解です。
ペントースリン酸回路は細胞質に存在します。
ペントースリン酸回路とグルクロン酸回路は解糖系の側路であり、解糖系と同じ細胞質で行われます。
不正解です。
グルコース‐6‐ホスファターゼは肝臓と腎臓に存在します。
グルコース‐6‐ホスファターゼはグルコース‐6‐リン酸のリン酸基を切断してグルコースを生成する酵素です。肝臓と腎臓では、糖新生によってグルコースが生産できます。
筋肉にはこの酵素がないためグリコーゲンを分解してもグルコースとはならずにグルコース‐6‐リン酸は解糖系に入ってエネルギー産生に使われます。
不正解です。
脂肪酸の合成は細胞質で行われます。
脂肪酸の合成は細胞質で行われます。しかし、その前段階でミトコンドリアも必要です。
リボソームはたんぱく質の合成を行います。
正解です。
脂肪酸がミトコンドリア内にてアシルCoAとなってβ酸化を受けます。
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02
アミノ酸、糖質、脂質の代謝の回路を理解しておく必要があります。
リンゴ酸は、クエン酸回路の中間代謝物です。
解糖系で生じたピルビン酸は、好気的条件下でクエン酸回路で処理されます。
尿素回路の中間代謝物にはシトルリンやアルギニンがあります。
ペントースリン酸回路は、細胞質ゾルに存在します。
ペントースリン酸回路ではグルコースを代謝し五炭糖とNADPHを産生します。
ミトコンドリアに存在するのは電子伝達系です。
グルコース−6−ホスファターゼは、筋肉には存在しません。
グルコース−6−ホスファターゼはグルコース6-リン酸からリン酸を除去し、
グルコースに変換する酵素です。肝臓と腎臓に存在します。
筋肉中のグリコーゲンはグルコース-6-リン酸に変換された後、
解糖系からエネルギー源を生産し利用されます。
脂肪酸合成は、細胞質ゾルで行われます。
リボソームで行われるのはたんぱく質合成です。
正解です。
β酸化では脂肪酸を酸化してエネルギーを産生します。
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03
三大栄養素それぞれの代謝経路の確認をしましょう。
不適です。
リンゴ酸は、クエン酸回路の中間代謝物です。
不適です。
ペントースリン酸回路は細胞質で行われます。
ミトコンドリアのマトリックス内にTCA回路、内膜に電子伝達系があります。
不適です。
グルコースー6ーホスファターゼは肝臓の細胞質に存在します。
グリコーゲンは、グリコーゲンホスホリラーゼによる加リン酸分解でグルコース1ーリン酸に分解された後、グルコース6ーリン酸に変換され、グルコース6ーホスファターゼによりグルコースに変換されます。
グルコース6ーホスファターゼは、肝臓には存在しますが、筋肉に存在ないため、肝グリコーゲンからはグルコースは生成されますが、筋グリコーゲンはグルコース6ーリン酸までしか分解されず、そのまま解糖系に入ります。
不適です。
脂肪酸合成は、細胞質で行われます。
リボソームはたんぱく質の合成装置です。
適切な文章です。
β酸化(脂肪酸の分解)
脂肪酸を酸化してアセチルCoAを生成する細胞内の代謝経路です。
脂肪酸のβ位(末端のカルボキシル基から2番目)の炭素が順次酸化されることからこの名前がつけられています。
⚪︎クエン酸回路(TCA回路)
細胞内のミトコンドリアのマトリックスで行われる代謝経路。
解糖や脂肪酸のβ酸化によって生成するアセチルCoAがこの回路に組み込まれ、酸化されることによって電子伝達系で用いられるNADHなどが生じ、エネルギー産生を可能にしています。
⚪︎尿素回路(オルニチンサイクル)
肝細胞のミトコンドリアと細胞質にまたがる5つの酵素で構成。
アンモニアを無毒な尿素に変換する代謝回路。
⚪︎ペントースリン酸回路
解糖系の重要な側路。ATPは産生しません。
細胞質にあり、核酸の合成素材であるリボース5ーリン酸と脂肪酸合成などに必要なNADPHを生成します。
⚪︎解糖系
すべて細胞質で行われ、ピルビン酸が生成されます。
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