管理栄養士の過去問
第38回
午前の部 問43
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問題
第38回 管理栄養士国家試験 午前の部 問43 (訂正依頼・報告はこちら)
大豆および大豆加工品に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 大豆の吸水速度は、小豆よりも遅い。
- 大豆たんぱく質の第一制限アミノ酸は、リシンである。
- 大豆油に含まれる主な脂肪酸は、リノール酸である。
- 大豆のレクチンは、乳化剤として利用されている。
- 濃縮大豆たんぱく質のたんぱく質含量は、分離大豆たんぱく質より多い。
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この過去問の解説 (3件)
01
大豆の性質を理解しておきましょう。
大豆の吸水速度は、小豆よりも早いです。
大豆は6時間程度で急激に吸水し、
約12時間でほぼ飽和に達します。
小豆は数時間後吸水しはじめ、12時間くらいから吸水が進み
約24時間で飽和に達します。
小豆の吸水が遅いのは、種皮が強靭で他の豆類のように
種皮全体から吸水することができないためです。
大豆はリシンを多く含みますが、第一制限アミノ酸ではありません。
大豆には制限アミノ酸がありません。
正解です。
リノール酸が50%程度占めています。
大豆のレシチンが乳化剤として利用されています。
レクチンはたんぱく質であり、糖質に結合活性を示します。
濃縮大豆たんぱく質のたんぱく質含量は、分離大豆たんぱく質より少ないです。
濃厚大豆たんぱく質とは脱脂大豆から糖類と灰分を除去し、
大豆たんぱく質を濃縮したものです。
たんぱく質含量は100g当たり約58gです。
分離大豆たんぱく質とは脱脂大豆からたんぱく質を分離し、
たんぱく質の純度を高めたものです。
たんぱく質含量は100g当たり約79gです。
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02
大豆は「畑の肉」と呼ばれるほど良質のタンパク質を含み、加工食品にも多く利用されています。
不適です。
大豆の吸水速度は、小豆よりも早いです。
大豆は表皮全体で吸水しますが、小豆は種皮が硬く、胚座という小さい部位で吸水されるため吸水速度は遅くなります。
不適です。
小麦や米の第一制限アミノ酸は、リシンです。
大豆たんぱく質のアミノ酸スコアは100です。
適切な文章です。
大豆油に含まれる主な脂肪酸は、リノール酸、オレイン酸、αーリノレン酸などです。
不適です。
大豆のレシチンは、乳化剤として利用されています。
レクチンは一種の自然毒として知られており、生の豆類を摂取すると食中毒を引き起こす可能性があります。
不適です。
濃縮大豆たんぱく質のタンパク質含量は、分離大豆たんぱく質より少ないです。
濃縮大豆たんぱく質は、脱脂した大豆から糖などを除いて濃縮加工したもので、
分離たんぱく質は、脱脂大豆からたんぱく質だけを抽出したものです。
大豆
たんぱく質
・グロブリン類(グリシニン、コングリシニンなど)がほとんどです。
・アミノ酸化100
脂質
・不飽和脂肪酸(リノール酸、オレイン酸、αーリノレン酸)の占める割合が高い。
炭水化物
・セルロースなどの多糖類、スクロース、スタキオース、ラフィノース
・他の豆類と違い、でんぷんはほとんど含まない。
その他
・カリウム、カルシウム、リンを多く含む。
・大豆イソフラボン、サポニン含有。
・リン脂質(大豆レシチン)は、乳化剤として使用されます。
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03
大豆の特徴を整理しておきましょう。
(×) 大豆の吸水速度は、小豆よりもはやいです。
大豆は水に浸すとすぐに吸収し始めます。小豆は大豆に比べて遅いです。
(×) 大豆たんぱく質に制限アミノ酸はありません。
大豆はアミノ酸価が100のため制限アミノ酸はありません。
(〇)
大豆に含まれる脂肪酸の半分以上が多価不飽和脂肪酸のリノール、20%以上が一価不飽和脂肪酸のオレインです。
(×) 大豆のレシチンが、乳化剤として利用されています。
大豆レシチンは疎水性と親水性の性質を併せ持つ両親媒性のため乳化剤としてマヨネーズやアイスクリームに利用されます。
(×) 濃縮大豆たんぱく質のたんぱく質含量は、分離大豆たんぱく質より少ないです。
濃縮大豆たんぱく質は、脱脂して炭水化物を除去した大豆から作られています。
このプロセスにより、約 70% がタンパク質である製品が残ります。
一方、分離大豆タンパク質は、入手可能な大豆タンパク質の中で最も精製された形態です。
ほぼすべての脂肪と炭水化物が除去されるように加工され、最大 90% がタンパク質の製品になります。
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