管理栄養士の過去問
第38回
午前の部 問45
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問題
第38回 管理栄養士国家試験 午前の部 問45 (訂正依頼・報告はこちら)
鶏卵に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- ハウユニットは、濃厚卵白の高さを直径で除して算出する。
- 完全に凝固する温度は、卵白より卵黄の方が高い。
- 卵黄は、ビタミンCを多く含む。
- 卵黄のたんぱく質の大部分は、脂質と結合したリポたんぱく質である。
- リゾチームは、鉄結合性のたんぱく質である。
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この過去問の解説 (3件)
01
鶏卵の栄養素の特徴、成分について理解しておきましょう。
ハウユニットは、濃厚卵白の高さと殻付卵の重量から算出します。
直径は用いません。
ハウユニットとは卵の内部の品質、鮮度を表す指標です。
完全に凝固する温度は、卵白より卵黄の方が低いです。
卵白は60℃前後で凝固が始まり、80℃以上で完全に凝固します。
一方卵黄は、65℃前後で凝固が始まり75℃以上で完全に凝固します。
卵黄は、ビタミンCを含みません。
卵黄には特に脂溶性のビタミンA、D、E、
水溶性のビタミンB群を多量に含みます。
卵は栄養価が高い食物ですが、ビタミンC、食物繊維は含まれていません。
正解です。
リポたんぱく質の内訳は
低密度リポたんぱく質(LDL)が約70%
高密度リポたんぱく質(HDL)が約15%です。
リゾチームは溶菌作用をもつたんぱく質で、
鉄結合性たんぱく質ではありません。
鉄結合性たんぱく質はオボトランスフェリンです。
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02
鶏卵の成分と特徴を整理しておきましょう。
(×) ハウユニットは、濃厚卵白の高さと殻付き卵の重量から算出します。
ハウユニットとは、1937年にRaymond Haugh(レイモンド・ハウ)が考案した卵の内部品質を表す指標の一つです。卵黄の周りの濃厚卵白の高さと卵重との相関から算出され、値が高いほど品質が良いとされています。
(×)完全に凝固する温度は、卵白より卵黄の方が低いです。
卵の熱凝固温度は卵黄と卵白で異なります。
卵白は60℃前後の加熱でゲル化が始まり、80℃以上で完全凝固します。
卵黄は70℃で凝固します。
(×) 卵黄は、ビタミンCを含まないです。
卵黄は脂溶性ビタミンが多いが、卵白には脂質はほとんど含まれず、ビタミンA、D、Eは存在しないです。
ビタミンCは卵黄・卵白ともに存在しません。
(〇)
卵黄の主要なたんぱく質はほとんどが脂質と結合しているリポたんぱく質です。
(×) リゾチームは、溶菌作用をもつたんぱく質です。
卵白に含まれるリゾチームは、多糖類を加水分解し、溶菌作用を示します。
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03
卵は、アミノ酸組成に優れた良質のたんぱく質を含有し、脂質、ビタミンC以外のビタミン類、リン、鉄も豊富に含んだ栄養価の高い食品です。
卵黄と卵白で栄養成分は大きく異なります。
不適です。
ハウユニットは濃厚卵白の高さと、殻付き卵の重量から求めます。
ハウユニットとは、鶏卵の鮮度を表す指標の一つです。
鮮度低下に伴い、値は小さくなります。
不適です。
完全に凝固する温度は卵白の方が卵黄より高いです。
卵白は約60℃で熱変性がはじまり、約80℃以上で完全に凝固します。
卵黄は約65℃で熱変性がはじまり70℃付近でだいたい固化します。
不適です。
卵黄・卵白ともにビタミンCは含まれていません。
適切な文章です。
卵黄に含まれるたんぱく質は、HDLやLDLなどのリポたんぱく質が多く、他にリベチンやホスビチンも含みます。
不適です。
オボトランスフェリンは、鉄結合性のたんぱく質です。
リゾチームは細菌の細胞壁を溶かして殺菌する作用を持つたんぱく質です。
卵黄の栄養素
⚪︎水分約50%
⚪︎脂質34.3%
主に、トリグリセリド、リン脂質(レシチンが主)
⚪︎たんぱく質
・リポたんぱく質(HDL,LDL等)が多い
・リベチン
・ホスビチン
⚪︎その他
・鉄
・ビタミンC以外のビタミン類
卵白の栄養素
⚪︎水分85〜90%
⚪︎たんぱく質10.1%
・オボアルブミン(54%)熱凝固、気泡性
・オボトランスフェリン(12〜13%)鉄結合能
・オボムコイド(11%)アレルゲン物質
・リゾチーム(3.4〜3.5%)溶菌作用
・オボムチン(1.5〜3.5%)泡の安定性
・アビジン(0.05%)ビオチンと結合
・その他
⚪︎その他
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