管理栄養士の過去問
第38回
午前の部 問50
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問題
第38回 管理栄養士国家試験 午前の部 問50 (訂正依頼・報告はこちら)
食品の変質に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 油脂の酸敗は、光により抑制される。
- 過酸化物価は、油脂の酸敗で生じるアルデヒド量の指標である。
- りんごの切断面の褐変は、ポリフェノールオキシダーゼの触媒作用が関与している。
- ヒスタミンは、ヒスチジンの脱アミノ反応により生成する。
- わが国では、γ線照射による殺菌が認められている。
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この過去問の解説 (2件)
01
食品の変質には微生物によるものと、油脂の酸敗によるものがあります。
それぞれポイントを押さえておきましょう。
油脂の酸敗は、光によって促進されます。
油脂は長期間保存すると、色、臭気、味、粘度などが変化します。
主として空気中の酸素による不飽和脂肪酸の酸化によって起こります。
光のほか、熱、金属、過酸化物、放射線により油脂の変敗は促進されます。
過酸化物価は、油脂の酸敗で生じるヨウ素量の指標です。
アルデヒドは第二次生成物であり、過酸化物から生成されます。
正解です。
ポリフェノールオキシターゼは酸化還元酵素であり、
りんごを酸化させ茶色く変色させます。
ヒスタミンは、ヒスチジンの脱炭酸反応によって生じます。
脱炭酸反応は、食品の内部で増殖した嫌気性菌や通性菌によって
アミノ酸の脱炭酸が起こり、アミン類が生成される反応です。
ヒスチジン含量の多いサバやイワシなどで起こるとアレルギー様食中毒の原因となることがあります。
脱アミノ反応とは食品の表面で増殖した好気性菌や通性菌によって
アミノ酸分子の酸化、還元、不飽和化が起こり、
アンモニア、低級脂肪酸、ケト酸などが生成される反応です。
わが国では、γ線照射による殺菌が認められていません。
ジャガイモの発芽防止の目的で利用されています。
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02
食品の変質は、食品がその品質を失う過程を指します。これは、食品の風味、栄養価、色、テクスチャーなどが損なわれることを意味します。
自己消化、腐敗、酸化、変敗に分けて整理しておきましょう。
(×) 油脂の酸敗は、光により促進されます。
油脂の酸化の促進因子には酸素、光、熱、金属イオン、水分があります。
(×) 過酸化物価は、油脂の酸敗で生じる過酸化物の量の指標です。
過酸化物価は、油脂に含まれる過酸化物(油と酸素が結合して生じたもの)の量を示す値であり、保存状態や自動酸化による劣化の程度がわかります。
(〇)
りんごにはポリフェノールの他に、ポリフェノールオキシダーゼというポリフェノールを酸化させる酵素が含まれます。
空気に触れているとよく反応し、ポリフェノールを酸化させていきます。りんごに含まれるポリフェノールが酸化すると、褐変して見えます。
(×) ヒスタミンは、ヒスチジンの脱炭酸反応により生成します。
魚類によるアレルギー様食中毒は細菌の脱炭酸酵素により、ヒスチジンからヒスタミンが生成するため発症します。
(×) わが国では、γ線照射による最近は認められていません。
放射線殺菌は、微生物のDNAに損傷を与えて増殖を止める方法です。
日本では殺菌目的での食品への照射は認められていません。
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