管理栄養士の過去問
第38回
午前の部 問66

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問題

第38回 管理栄養士国家試験 午前の部 問66 (訂正依頼・報告はこちら)

ゲル化素材を用いたデザートゼリーの調製と物性に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 粉寒天は、冷水に振り入れて溶解させる。
  • 寒天ゲルは、砂糖を添加すると軟らかく仕上がる。
  • ゼラチンゲルは、牛乳を添加すると硬く仕上がる。
  • ゼラチンゲルは、生のオレンジ果汁を添加すると硬く仕上がる。
  • κ−カラギーナンゲルは、室温で融解して容易に崩れる。

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この過去問の解説 (3件)

01

食材の特徴と使用方法について整理しておきましょう。

選択肢1. 粉寒天は、冷水に振り入れて溶解させる。

(×) 粉寒天は、冷水に振り入れ90~100℃に加熱して溶解させます。

 

粉寒天は水に入れて攪拌し、加熱して溶解すると流動性のあるゾルになります。その後冷却することでゲル化します。

選択肢2. 寒天ゲルは、砂糖を添加すると軟らかく仕上がる。

(×) 寒天ゲルは、砂糖を添加すると硬く仕上がります。

 

寒天ゲルは、砂糖濃度が高いほど硬くなります。

選択肢3. ゼラチンゲルは、牛乳を添加すると硬く仕上がる。

(〇)

 

牛乳に含まれるカリウムやリンによってゼラチンは硬くなります。

選択肢4. ゼラチンゲルは、生のオレンジ果汁を添加すると硬く仕上がる。

(×) ゼラチンゲルは、生のオレンジ果汁を添加すると軟らかく仕上がります。

 

ゼラチンゲルはpHが低いほど軟らかくなります。果汁の酸によってpHが下がるため、軟らかく仕上がります。

選択肢5. κ−カラギーナンゲルは、室温で融解して容易に崩れる。

(×) κ−カラギーナンゲルは、室温では融解しても容易に崩れません。

 

κ−カラギーナンの凝固温度は室温であり、融解温度は50~55℃です。

よって室温で融解しません。

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02

ゲル化材を用いたデザートゼリーの調整と物性に関する記述です。

ここで扱うゲル化材は寒天、ゼラチンギ、カラギーナンです。

問題をみていきましょう。

選択肢1. 粉寒天は、冷水に振り入れて溶解させる。

✖ 間違いです。

 

粉寒天は、冷水では溶解しません

粉寒天を溶解させるには、水に粉寒天を入れて、よくかき混ぜて加熱して溶かします。

選択肢2. 寒天ゲルは、砂糖を添加すると軟らかく仕上がる。

✖ 間違いです。

 

寒天ゲルは、砂糖を添加すると硬く仕上がります

砂糖の添加で保水性、強度、透明度が上がります。

選択肢3. ゼラチンゲルは、牛乳を添加すると硬く仕上がる。

〇 正解です。

 

ゼラチンゲルは、牛乳を添加すると塩類の影響により硬く仕上がります

選択肢4. ゼラチンゲルは、生のオレンジ果汁を添加すると硬く仕上がる。

✖ 間違いです。

 

ゼラチンゲルは、生のオレンジ果汁を添加すると硬く仕上がるというのは間違いです

ゼラチンゲルは、たんぱく質分解酵素を含む果汁や酸味の強い果汁を加えると固まりにくくなります。

選択肢5. κ−カラギーナンゲルは、室温で融解して容易に崩れる。

✖ 間違いです。

 

κ‐カラギーナンゲルの融解温度は50~65度です。室温で融解しません

まとめ

食品をゲル化する場合には、ゲル化材の性質を理解して選ぶことが重要です。

この問題で復習しましょう。

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03

正解は、「ゼラチンゲルは、牛乳を添加すると硬く仕上がる。」です。

選択肢1. 粉寒天は、冷水に振り入れて溶解させる。

寒天の溶解温度は80~100℃であるため、冷水では溶解出来ません。

選択肢2. 寒天ゲルは、砂糖を添加すると軟らかく仕上がる。

寒天ゲルは、砂糖の添加により強度が高くなり硬く仕上がります。

他にも保水性・透明度が高まる性質があります。

選択肢3. ゼラチンゲルは、牛乳を添加すると硬く仕上がる。

正解です。

ゼラチンは砂糖の添加でも透明度や硬度が高まります。

選択肢4. ゼラチンゲルは、生のオレンジ果汁を添加すると硬く仕上がる。

酸味の強いものはゼラチンを軟らかくします。

選択肢5. κ−カラギーナンゲルは、室温で融解して容易に崩れる。

κ−カラギーナンゲルの溶解温度は70~80℃のため、室温では融解しません。

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