管理栄養士の過去問
第38回
午前の部 問70

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問題

第38回 管理栄養士国家試験 午前の部 問70 (訂正依頼・報告はこちら)

栄養素の吸収と体内動態に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • フルクトースの吸収には、エネルギーを必要とする。
  • 中鎖脂肪酸の吸収には、胆汁酸を必要としない。
  • アミノ酸の吸収は、ナトリウムイオンによって抑制される。
  • ビタミンAは、アルブミンと結合し吸収される。
  • 鉄の吸収は、体内の鉄貯蔵量に影響されない。

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この過去問の解説 (3件)

01

栄養素の吸収と作用について結び付けておきましょう。

選択肢1. フルクトースの吸収には、エネルギーを必要とする。

(×) フルクトースの吸収には、エネルギーを必要としません。

 

フルクトースは、促進拡散で吸収細胞にとりこまれるため、エネルギーは必要としません。

選択肢2. 中鎖脂肪酸の吸収には、胆汁酸を必要としない。

(〇)

 

中鎖脂肪酸は水と親和性が高いため、吸収には胆汁酸を必要としません。

選択肢3. アミノ酸の吸収は、ナトリウムイオンによって抑制される。

(×) アミノ酸の吸収は、ナトリウムイオンによって促進されます。

 

アミノ酸はナトリウムイオンと共輸送によって能動輸送されるため、ナトリウムイオンによって吸収が促進されます。

選択肢4. ビタミンAは、アルブミンと結合し吸収される。

(×) ビタミンAは、レチノールになって吸収されます。

 

ビタミンAはレチニル脂肪酸エステルに変化し、加水分解を受けてレチノールの形で細胞に吸収されます。

選択肢5. 鉄の吸収は、体内の鉄貯蔵量に影響されない。

(×) 鉄の吸収は、体内の鉄貯蔵量に影響されます。

 

鉄の吸収は、体内の鉄貯蔵量に影響されます。

よって貯蔵鉄が多い場合は吸収率は下がり、貯蔵が少ない場合は吸収率は上がります。

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02

フルクトース、中鎖脂肪酸、アミノ酸、ビタミンA、鉄の吸収と体内動態に関する記述です。

問題をみていきましょう。

選択肢1. フルクトースの吸収には、エネルギーを必要とする。

✖ 間違いです。

 

フルクトースの吸収は促進拡散なので、エネルギーを必要としません

選択肢2. 中鎖脂肪酸の吸収には、胆汁酸を必要としない。

〇 正解です。

 

中鎖脂肪酸の吸収には、胆汁酸を必要としません

中鎖脂肪酸は胆汁酸による乳化を必要とせずに、門脈を経由して肝臓へ運ばれます。

選択肢3. アミノ酸の吸収は、ナトリウムイオンによって抑制される。

✖ 間違いです。

 

アミノ酸の吸収は、ナトリウムイオンによって促進されます

選択肢4. ビタミンAは、アルブミンと結合し吸収される。

✖ 間違いです。

 

ビタミンAは、脂溶性ビタミンなので、脂質とともにリポタンパク質に取り込まれて吸収されます

選択肢5. 鉄の吸収は、体内の鉄貯蔵量に影響されない。

✖ 間違いです。

 

非ヘム鉄の吸収は、体内の鉄貯蔵量に影響をうけます

まとめ

・フルクトースの吸収にはエネルギーを必要としません。

・中鎖脂肪酸の吸収は長鎖脂肪酸の吸収と異なり胆汁酸を必要としません。

・アミノ酸の吸収にはナトリウムイオンにより促進されます。

・脂溶性ビタミンのビタミンAは、脂肪と共にリポタンパク質にとりこまれ吸収されます。

・非ヘム鉄の吸収には鉄貯蔵量に影響されます。

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03

正解は、「中鎖脂肪酸の吸収には、胆汁酸を必要としない。」です。

選択肢1. フルクトースの吸収には、エネルギーを必要とする。

フルクトースは、受動輸送により糖輸送担体を居合いしてそれぞれ細胞内に吸収されます。

受動輸送とは濃度勾配に従って移動するため、エネルギーを必要としません。

一方、グルコースやガラクトースはエネルギーが必要である能動輸送により吸収されます。

選択肢2. 中鎖脂肪酸の吸収には、胆汁酸を必要としない。

中鎖脂肪酸は、門脈を経て直接肝臓に運ばれます。

そのため小腸で膵リパーゼによる加水分解を受けずに直接吸収されます。

選択肢3. アミノ酸の吸収は、ナトリウムイオンによって抑制される。

アミノ酸は、ナトリウムイオンとともに能動輸送で吸収されるため、ナトリウムイオンによって亢進します。

選択肢5. 鉄の吸収は、体内の鉄貯蔵量に影響されない。

鉄の吸収は、体内の鉄貯蔵量が少なくなると吸収率が高くなります。

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