管理栄養士の過去問
第38回
午前の部 問71

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問題

第38回 管理栄養士国家試験 午前の部 問71 (訂正依頼・報告はこちら)

糖質と他の栄養素との関係に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 空腹時には、グリセロールはグルコースの合成に利用される。
  • 空腹時には、ロイシンは糖新生の材料となる。
  • 空腹時には、パルミチン酸はグルコースの合成に利用される。
  • 糖質の十分な摂取は、たんぱく質の分解を促進する。
  • 糖質摂取量の増加は、ビタミンB1の必要量を減少させる。

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この過去問の解説 (3件)

01

3大栄養素の代謝についてまとめておきましょう。

選択肢1. 空腹時には、グリセロールはグルコースの合成に利用される。

(〇) 

 

空腹時には、脂肪組織中のトリグリセリドが脂肪酸とグリセロールに分解され、肝臓に取り込まれた後、糖新生に利用されます。

選択肢2. 空腹時には、ロイシンは糖新生の材料となる。

(×) 空腹時には、ロイシンは糖新生の材料にはなりません。

 

ロイシン、リシンはケト原性アミノ酸であるため、糖新生の材料としてグルコースに変換されません。

糖新生の材料となるのは糖原性アミノ酸であるアラニンやチロシンなどです。

選択肢3. 空腹時には、パルミチン酸はグルコースの合成に利用される。

(×) 空腹時には、パルミチン酸はグルコースの合成に利用されません。

 

パルミチン酸はケトン体となり、エネルギーとして利用されます。

糖新生のの材料となるのはアミノ酸、グリセロール、乳酸です。

選択肢4. 糖質の十分な摂取は、たんぱく質の分解を促進する。

(×) 糖質の十分な摂取は、たんぱく質の分解を抑制します。

 

糖質での十分なエネルギーが供給されれば、エネルギーとしてたんぱく質が使われることはなく、たんぱく質の分解は抑制されます。

選択肢5. 糖質摂取量の増加は、ビタミンB1の必要量を減少させる。

(×) 糖質摂取量の増加は、ビタミンB1の必要量を増加させます。

 

糖質の代謝においてビタミンB₁が利用されます。

したがって糖質摂取量の増加は、ビタミンB1の必要量を増加させます。

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02

糖質と他の栄養素との関係に関する記述です。

問題をみていきましょう。

選択肢1. 空腹時には、グリセロールはグルコースの合成に利用される。

〇 正解です。

 

空腹時には、グリセロールはグルコースの合成に利用されます。

空腹時には、貯蔵中性脂肪が脂肪酸とグリセロールに分解されます。

グリセロールは、トリオースリン酸を経てグルコースの合成に使われます

選択肢2. 空腹時には、ロイシンは糖新生の材料となる。

✖ 間違っています。

 

空腹時には、ロイシンは糖新生の材料にはなりません

ロイシンは、筋タンパク質の合成を促進します。

選択肢3. 空腹時には、パルミチン酸はグルコースの合成に利用される。

✖ 間違っています。

 

パルミチン酸は脂肪酸です。グルコースの合成に利用されません

選択肢4. 糖質の十分な摂取は、たんぱく質の分解を促進する。

✖ 間違っています。

 

糖質や脂質を十分に摂取した場合、たんぱく質の分解を抑制します

選択肢5. 糖質摂取量の増加は、ビタミンB1の必要量を減少させる。

✖ 間違っています。

 

ビタミンBは、ピルビン酸からアセチルCoAに変換するときに必要なピルビン酸デヒドロゲナーゼの補酵素です。

糖質摂取量の増加は、ビタミンBの必要量が増加します。

まとめ

空腹時には貯蔵中性脂肪が脂肪酸とグリセロールに分解され、グリセロールはグルコースとして利用されます。

糖質摂取量が増加した場合、ビタミンBの必要量が増加します。

参考になった数0

03

正解は、「空腹時には、グリセロールはグルコースの合成に利用される。」です。

空腹時は血糖を維持するために、乳酸、グリセロール、糖原性アミノ酸など糖以外の成分からグルコースを生成する糖新生が亢進します。

選択肢1. 空腹時には、グリセロールはグルコースの合成に利用される。

正解です。

選択肢2. 空腹時には、ロイシンは糖新生の材料となる。

ロイシンはケト原性アミノ酸であり、アセチルCoAから脂肪酸やケトン体を生成します。

糖新生の材料となるのは糖原性アミノ酸であり、アラニンやチロシンなどです。

選択肢3. 空腹時には、パルミチン酸はグルコースの合成に利用される。

パルミチン酸は糖原性アミノ酸ではないため、グルコース合成には利用されません。

選択肢4. 糖質の十分な摂取は、たんぱく質の分解を促進する。

糖質の十分な摂取は、インスリン分泌が起こりたんぱく質の分解を抑制します。

選択肢5. 糖質摂取量の増加は、ビタミンB1の必要量を減少させる。

ビタミンB1はピルビン酸をアセチルCoAへの変換やTCAサイクルなど、糖質代謝の補酵素として必要であり、糖質摂取量が増加するとビタミンB1の必要量は増加します。

そのためビタミンB1が欠乏すると脚気などを生じさせます。

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