管理栄養士の過去問
第38回
午前の部 問78

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問題

第38回 管理栄養士国家試験 午前の部 問78 (訂正依頼・報告はこちら)

血中カルシウム濃度の低下時にみられる生体応答に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • カルシウムの腸管吸収率が下がる。
  • 活性型ビタミンDの産生が抑制される。
  • 骨吸収が促進される。
  • 尿細管でのカルシウムの再吸収が抑制される。
  • カルシトニンの分泌が促進される。

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この過去問の解説 (3件)

01

血中カルシウム低下時にみられる生体応答に関する記述です。

カルシウム代謝を調節するホルモンは2種類あり、カルトシトニンと副甲状腺ホルモン(RTH、パラトルモン)です。

血中カルシウム濃度が低下したときに関与するホルモンは、副甲状腺ホルモンです。

問題をみていきましょう。

選択肢1. カルシウムの腸管吸収率が下がる。

✖ 間違いです。

 

カルシウムの腸管吸収は促進されます

副甲状腺ホルモンの働きで、腸管からのカルシウム吸収が促進させ、血中カルシウム濃度は上昇します

選択肢2. 活性型ビタミンDの産生が抑制される。

✖ 間違いです。

 

副甲状腺ホルモンの働きで、活性型ビタミンDの合成が促進されます

選択肢3. 骨吸収が促進される。

〇 正解です。

 

副甲状腺ホルモンの働きで、骨吸収が促進されます

選択肢4. 尿細管でのカルシウムの再吸収が抑制される。

✖ 間違いです。

 

副甲状腺ホルモンの働きで、腎臓におけるカルシウム再吸収が促進されます

選択肢5. カルシトニンの分泌が促進される。

✖ 間違いです。

 

カルトシニンは血中カルシウム濃度が上昇したときに甲状腺から分泌されるホルモンです

まとめ

血中カルシウム濃度が低下したときには、副甲状腺ホルモンが働きカルシウム濃度を調節しています。

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02

正解は、「骨吸収が促進される。」です。

 

カルシウムは通常、ホメオスタシスにより血中カルシウム濃度がおおよそ10mg/dl程度に保たれるようになっています。

そのため血中カルシウム濃度の低下すると、血中濃度を維持するためにPTH(副甲状腺ホルモン、上皮小体ホルモン、パラソルモン)のはらたきにより活性型ビタミンDの合成を促進します。

活性型ビタミンDは、腸管からのカルシウム吸収の促進と腎臓の尿細管でのカルシウムの再吸収も促進させます。

また、PTHのはたらきにより破骨細胞を活性化し骨吸収も促進します。

 

一方、カルシトニンは血中カルシウム濃度が上昇すると分泌が促進され、骨吸収の抑制にはたらきます。

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03

カルシウムの代謝について整理しておきましょう。

選択肢1. カルシウムの腸管吸収率が下がる。

(×) カルシウムの腸管吸収率は上がります。

 

血中のカルシウムが低下すると、パラトルモンがの分泌が亢進され、腸管からのカルシウムの吸収、腎近位尿細管のカルシウムの再吸収、骨からのカルシウムの溶出が起こり、血中のカルシウムを上げようとします。

選択肢2. 活性型ビタミンDの産生が抑制される。

(×) 活性型ビタミンDの産生は促進されます。

 

血中のカルシウムが低下すると、パラトルモンの分泌が亢進され、活性型ビタミンDの生成を促進します。

選択肢3. 骨吸収が促進される。

(〇)

 

血中のカルシウムが低下すると、骨吸収を促進し血中へカルシウムを溶出します。

選択肢4. 尿細管でのカルシウムの再吸収が抑制される。

(×) 尿細管でのカルシウムの再吸収は促進されます。

 

血中のカルシウムが低下すると、パラトルモンの分泌が亢進され、腎近位尿細管のカルシウムの再吸収を促進します。

選択肢5. カルシトニンの分泌が促進される。

(×) パラトルモンの分泌が促進されます。

 

血中のカルシウムが低下すると、パラトルモンの分泌が亢進されます。

 

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