管理栄養士の過去問
第38回
午前の部 問86

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

第38回 管理栄養士国家試験 午前の部 問86 (訂正依頼・報告はこちら)

日本人の食事摂取基準(2020年版)における高齢者に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
  • 目標とするBMIの範囲の下限値は、64歳以下の成人より高く設定されている。
  • たんぱく質のDG下限値は、64歳以下の成人と同じ値に設定されている。
  • ビタミンDのAIは、64歳以下の成人と同じ値に設定されている。
  • 極端なナトリウム制限(減塩)は、多くの栄養素摂取量の低下を招く。
  • 筋たんぱく質の合成において、同化抵抗性が存在すると報告されている。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

この問題は誤っているものを答える問題です。

日本人の食事摂取基準(2020年版)における高齢者に関する記述です。

問題をみていきましょう。

選択肢1. 目標とするBMIの範囲の下限値は、64歳以下の成人より高く設定されている。

✖ 正しい記述です。

 

目標とするBMIは範囲の下限値は、64歳以下の成人より高く設定されています。

選択肢2. たんぱく質のDG下限値は、64歳以下の成人と同じ値に設定されている。

〇 この記述は誤っています。

 

フレイルやサルコペニア予防のため、たんぱく質のDG(目標量)下限値は、64歳以下の成人よりも高い値に設定されています

選択肢3. ビタミンDのAIは、64歳以下の成人と同じ値に設定されている。

✖ 正しい記述です。

 

ビタミンDのAI(目安量)は、64歳以下の成人と同じ値に設定されています

選択肢4. 極端なナトリウム制限(減塩)は、多くの栄養素摂取量の低下を招く。

✖ 正しい記述です。

 

極端なナトリウム制限(減塩)は、多くに栄養素摂取量の低下を招くおそれがあります

選択肢5. 筋たんぱく質の合成において、同化抵抗性が存在すると報告されている。

✖正しい記述です。

 

筋たんぱく質の合成において、同化抵抗性が存在すると報告されています

筋肉たんぱく質合成により効果的なアミノ酸の組成を考慮することが、サルコペニアの改善に効果があることが指摘されています。

まとめ

日本人の食事摂取基準(2020年版)を読んで理解を深めましょう。

参考になった数4

02

食事摂取基準のポイントを整理しておきましょう。

選択肢1. 目標とするBMIの範囲の下限値は、64歳以下の成人より高く設定されている。

(〇)

 

目標とするBMIの範囲の下限値は、64歳以下の成人より高く設定されています。

下限値は64歳以下は18.5kg/m²、65歳以上は21.5kg/m²です。

選択肢2. たんぱく質のDG下限値は、64歳以下の成人と同じ値に設定されている。

(×) たんぱく質のDG下限値は、64歳以下の成人と高い値に設定されています。

 

フレイルの予防目的にたんぱく質の目標量は64歳以下よりも高くなっています。

選択肢3. ビタミンDのAIは、64歳以下の成人と同じ値に設定されている。

(〇)

 

ビタミンDのAIは、64歳以下の成人と同じ値に設定されています。 

選択肢4. 極端なナトリウム制限(減塩)は、多くの栄養素摂取量の低下を招く。

(〇)

 

極端なナトリウム制限(減塩)は、多くの栄養素摂取量の低下を招きます。

食塩が少ないことで食欲低下を招き、それにより体力の低下フレイルにつながります。

選択肢5. 筋たんぱく質の合成において、同化抵抗性が存在すると報告されている。

(〇)

 

筋たんぱく質の合成において、同化抵抗性が存在すると報告されています。

参考になった数0

03

「たんぱく質のDG下限値は、64歳以下の成人と同じ値に設定されている。」が誤りです。

 

日本人の食事摂取基準 2020年版では、高齢者の低栄養予防やフレイル予防のために、50歳以上が目標とするタンパク質摂取の下限値を他の年齢区分よりも引き上げています。

またたんぱく質のDG(目標量)は、18~49歳では13~20%エネルギー、50~64歳では14~20%エネルギー、65歳以上では15~20%エネルギーとなっており、たんぱく質のDG下限値は、18~49歳、50~64歳、65歳以上と3区分に分かれています。

参考になった数0