管理栄養士 過去問
第38回
問102 (午後の部 問5)

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問題

管理栄養士試験 第38回 問102(午後の部 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

定期健診で血糖値が高いと指摘され、気にしている社員から、「甘い物を控えたいが、職場の給湯コーナーにいつも菓子が置かれていて、つい食べ過ぎてしまう。」と相談を受けた。認知行動療法を用いた効果的な支援として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
  • 給湯コーナーに菓子を置かないよう、部署で相談するように勧める。
  • 菓子を食べた時は、どれくらいの量を食べたか記録をつけるように勧める。
  • 菓子を食べ過ぎずに、我慢できた時のことを思い出してもらう。
  • 菓子を控えることにより検査値が改善された時の、自分の気持ちを想像してもらう。

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この過去問の解説 (3件)

01

認知行動療法とは、心理学や行動科学などに基づいた治療法です。

管理栄養士が栄養教育の現場で、特定の目的に応じて、様々な技法を用いて活用することができます。

選択肢1. 給湯コーナーに菓子を置かないよう、部署で相談するように勧める。

最も適切です。

 

お菓子があるから食べてしまうので、お菓子をを置くこと=刺激を統制するために、部署の方に相談することは最も適しています。

選択肢2. 菓子を食べた時は、どれくらいの量を食べたか記録をつけるように勧める。

不適切です。

 

セルフモニタリングの技法ですが、お菓子を食べてしまう原因が「職場にお菓子がおいてあるから」ということなので、不適切です。

選択肢3. 菓子を食べ過ぎずに、我慢できた時のことを思い出してもらう。

不適切です。

 

こちらは、お菓子を食べすぎず、何か他の方法に置き換えることや、その気持ちをコントロールできた際には、ストレスマネジメントか、行動置換の技法に当てはまります。

選択肢4. 菓子を控えることにより検査値が改善された時の、自分の気持ちを想像してもらう。

不適切です。

 

検査値が改善されたとき、どんな良いことがあるだろう?と、行動が生じた直後の行動の頻度を調整する技法なので、適切ではありません。

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02

行動療法の目的は、学習者が自身の行動をセルフコントロールできるようにすることです。

認知行動療法では、学習者自身が自分の行為の意味や行動の理由について、

どのように捉えているかという認知過程を重視し、学習者の抱いている考えを

望ましい行動へ変容させます。

選択肢1. 給湯コーナーに菓子を置かないよう、部署で相談するように勧める。

正解です。

 

この問題では職場の給湯コーナーにいつも菓子が置かれていて、つい食べ過ぎてしまうということなので、菓子を置かないことで自身の行動をコントロールできると考えられます。

選択肢2. 菓子を食べた時は、どれくらいの量を食べたか記録をつけるように勧める。

不正解です。

 

どれくらいの量を食べたか記録をつけることは、セルフモニタリングにあてはまります。

認知行動療法を用いた効果的な支援として最も適切とはいえません。

選択肢3. 菓子を食べ過ぎずに、我慢できた時のことを思い出してもらう。

不正解です。

 

菓子を食べ過ぎずに、我慢できた時のことを思い出してもらうことは学習者自身が自分の行為の意味や行動の理由について、どのように捉えているかという認知過程を重視しているとはいえないので

最も適切とはいえません。

選択肢4. 菓子を控えることにより検査値が改善された時の、自分の気持ちを想像してもらう。

不正解です。

 

菓子を控えることにより検査値が改善された時の、自分の気持ちを想像してもらうことは自身の行動をセルフコントロールすることに直接つながらないため最も適切とはいえません。

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03

認知行動療法(CBT)とは、考え方(認知)と行動に働きかけ、感情や行動のパターンを改善し、問題を解決しようとする心理学的療法です。

選択肢1. 給湯コーナーに菓子を置かないよう、部署で相談するように勧める。

○ 正解です。

対象者は現時点で、血糖値が高いことを気にしていながらも、なかなか行動に繋げられていません。

問題解決を妨げる「菓子を給湯室に置く」という環境を改善することで、根本的な環境変化ができます。

環境変化のための行動を起こすよう勧めている点で、認知と行動両方へアプローチできており、適切と考えられます。

選択肢2. 菓子を食べた時は、どれくらいの量を食べたか記録をつけるように勧める。

✕ 不正解です。

食事記録はセルフモニタリングの技法です。

食事記録のみではその後の行動変容を促すのは難しいと考えられるため、認知行動療法として不適切です。

選択肢3. 菓子を食べ過ぎずに、我慢できた時のことを思い出してもらう。

✕ 不正解です。

菓子を我慢できたときのことを思い出すのは認知へのアプローチとして適切ですが、

それによって継続的に菓子が辞められるかは本人次第であり、認知行動療法として不十分です。

選択肢4. 菓子を控えることにより検査値が改善された時の、自分の気持ちを想像してもらう。

✕ 不正解です。

検査結果が改善されたときの気持ちの想像は、前向きな認知へのアプローチとして適切ですが、

その後の行動変容は本人次第であり、認知行動療法としては不十分です。

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