管理栄養士の過去問
第38回
午後の部 問20

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

第38回 管理栄養士国家試験 午後の部 問20 (訂正依頼・報告はこちら)

急性心不全で緊急入院した患者に対し、集中治療室で利尿薬投与による加療が行われた。入院4日目、症状は軽快し、一般病棟に転棟して経口摂取が開始された。入院日から4日目までの臨床症状の変化をモニタリングした結果として、最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 項目:Japan Coma Scale  入院日:Ⅱ−20  4日目:Ⅲ−100
  • 項目:起座呼吸      入院日:なし   4日目:あり
  • 項目:体重(kg)     入院日:55    4日目:52
  • 項目:頸静脈怒張     入院日:なし   4日目:あり
  • 項目:心拍数(回/分)  入院日:60    4日目:120

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

心不全の症状、病態について理解しておきましょう。

選択肢1. 項目:Japan Coma Scale  入院日:Ⅱ−20  4日目:Ⅲ−100

不正解です。

Japan Coma Scaleとは意識障害の判定に用いられ、昏睡・半昏睡を3桁、混迷・傾眠を2桁、錯乱を1桁、正常の意識晴明は0と表現されます。

症状は軽快し、一般病棟に転棟して経口摂取が開始されたとあるため意識晴明であることが分かります。

選択肢2. 項目:起座呼吸      入院日:なし   4日目:あり

不正解です。

起坐呼吸とは呼吸困難が増強し、起座位、半起座で軽減する臨床的徴候で、進行につれて起こるため症状軽快時に起こるとは考えにくく最も適しているとはいえません。

選択肢3. 項目:体重(kg)     入院日:55    4日目:52

正解です。

利尿剤投与し、体内に蓄積された余分な水分を尿として排泄したと考えられます。

選択肢4. 項目:頸静脈怒張     入院日:なし   4日目:あり

不正解です。

頸静脈怒張とは首の血管が浮き上がって見える状態のことで、心不全が原因となっています。

症状は軽快しているとあるため、最も適しているとはいえません。

選択肢5. 項目:心拍数(回/分)  入院日:60    4日目:120

不正解です。

正常の心拍数は60〜100回/分であり、症状軽快状態で入院時より高くなるとは考えにくいです。

参考になった数3

02

急性心不全の患者の臨床症状の変化をモニタリングする際には、下記の項目などに着目する必要があります。

 

 ・体重の変化

 ・尿量の変化

 ・呼吸状態の変化

 ・浮腫の改善

 ・バイタルサイン

 

これらの項目を網羅的に評価して、患者の状態が改善しているかどうかを判断します。

選択肢1. 項目:Japan Coma Scale  入院日:Ⅱ−20  4日目:Ⅲ−100

不適当です。

 

Japan Coma Scaleは、臨床現場で使用することが多く、意識障害の震度を評価するために活用されます。

「Ⅱ─20:大きな声または体を揺さぶることによる開眼する」

「 Ⅲ─ 100:痛み刺激に対し、払いのける動作をする」なので、

症状が軽快しているのであればⅡからⅢになることはありません。

 

選択肢2. 項目:起座呼吸      入院日:なし   4日目:あり

不適当です。

 

心不全の重要なサインで、症状が初期に現れることが多いです。

選択肢3. 項目:体重(kg)     入院日:55    4日目:52

最も適当です。

 

利尿薬の投与も行われていますので、体重が初日と比べて減少していることにより、浮腫が改善傾向にあることが考えられます。

選択肢4. 項目:頸静脈怒張     入院日:なし   4日目:あり

不適当です。

 

心不全が疑われるときに、頸静脈怒張がみられますので、不適切です。

選択肢5. 項目:心拍数(回/分)  入院日:60    4日目:120

不適当です。

 

症状が軽快しているときに、120に心拍数が増加することはありません。

参考になった数1