管理栄養士の過去問
第38回
午後の部 問27
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問題
第38回 管理栄養士国家試験 午後の部 問27 (訂正依頼・報告はこちら)
32歳、男性。クローン病。事務職。身長168cm、体重56kg、BMI 19.8kg/m2、標準体重62kg。血液検査値は、アルブミン3.8g/dL、CRP2.6mg/dL。この患者の寛解導入期の1日当たりの目標栄養量である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- エネルギーは、2,200kcalとする。
- たんぱく質は、60gとする。
- 脂肪は、70gとする。
- 食物繊維は、30gとする。
- 飲水量を含めて、水分は1,000mLとする。
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この過去問の解説 (2件)
01
クローン病は主として若い成人にみられ、口腔から肛門にいたる消化管のあらゆる部分に起こりうる原因不明の慢性炎症性腸疾患です。
再燃と寛解を繰り返します。
正解です。
クローン病の必要なエネルギー量は30~35kcal/kg標準体重/日です。
30~35kcal×62kg=1860~2170kcalとなり、最も近い数値となります。
不正解です。
寛解導入期のたんぱく質必要量は1.0~1.5g/kg標準体重/日を目安とします。
1.0~1.5g×62kg=62.0g~93.0g
寛解導入期ではたんぱく漏出や代謝亢進があるため60gでは少ないため最も適しているとはいえません。
不正解です。
脂肪摂取量が多いと再燃率が高いことが明らかになっているため、30~40g/日未満にすることが望ましいです。
不正解です。
食物繊維の摂取量が多いと、腸管を刺激し炎症悪化の原因となります。
活動期では低食物繊維食、低残渣食にする必要があり10g/日未満とします。
不正解です。
水分制限をする必要はありません。
排便、下痢が多いと水分も失っていくため、1500ml~2000ml摂取することが望ましいです。
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02
クローン病は消化管の全層にわたり、浮腫や線維化、細胞浸潤などの炎症性変化が起こり、腹腔内に膿瘍や炎症性腫瘤を作ったりします。
治療としては、入院して安静にし、高エネルギー、高たんぱく質、ビタミン補給を原則とする食事療法と、薬物療法が治療の中心となります。
最も適当です。
標準体重当たり30-35kcal程度が適しているので、最も適当です。
不適当です。
体重1kgあたり、たんぱく質の摂取量は0.8-1.0gが適しているので、やや多いため不適切です。
不適当です。
脂肪量はできるだけ少なく、30-40g/日程度にすることが適切です。
不適当です。
繊維の多い食材の摂取は、控える必要があります。
不適当です。
過度な水分補給量の制限は、脱水症状にもつながるので、特別制限はありません。
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