管理栄養士の過去問
第38回
午後の部 問34

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問題

第38回 管理栄養士国家試験 午後の部 問34 (訂正依頼・報告はこちら)

甲状腺疾患の病態と栄養管理に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • バセドウ病では、血中甲状腺ホルモン値が低値である。
  • バセドウ病では、エネルギーは15~20kcal/kg 標準体重/日とする。
  • 橋本病では、血中総コレステロール値が低下する。
  • 橋本病では、浮腫を認める。
  • 橋本病では、TSH受容体抗体陽性となる。

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この過去問の解説 (2件)

01

甲状腺疾患については、甲状腺機能亢進症と低下症の主な症状など、国家試験によく頻出されますので学習することが重要です。

 

生化学検査値なども、間違えやすい分野なので、亢進症・低下症でまとめた表を作成して、復習に活用すると良いでしょう。

選択肢1. バセドウ病では、血中甲状腺ホルモン値が低値である。

不適当です。

 

バセドウ病では、甲状腺ホルモンによる物質代謝の亢進がみられるので、血中甲状腺ホルモン値は高値となります。

その他、多汗や頻脈などの症状が現れることや、眼球突出、甲状腺腫脹もみられます。

選択肢2. バセドウ病では、エネルギーは15~20kcal/kg 標準体重/日とする。

不適当です。

 

バセドウ病では、代謝亢進によるエネルギー消費量の増大があります。

そのため、エネルギーは15~20kcal/kg 標準体重/日では体重が減少する可能性があります。

 

エネルギー摂取量やビタミン・ミネラル類は不足しないように、日々補給することが重要です。

選択肢3. 橋本病では、血中総コレステロール値が低下する。

不適当です。

 

血中総コレステロール値が低下するのは、甲状腺機能亢進症のバセドウ病です。

橋本病では、血中総コレステロール値は高値をしめします。

選択肢4. 橋本病では、浮腫を認める。

最も適当です。

 

甲状腺機能が低下するために、硬い浮腫を認めるものを粘液水腫といいます。

選択肢5. 橋本病では、TSH受容体抗体陽性となる。

不適当です。

 

TSH受容体抗体が陽性になるのは、甲状腺機能亢進症のバセドウ病です。

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02

甲状腺疾患の特徴について理解しておきましょう。

選択肢1. バセドウ病では、血中甲状腺ホルモン値が低値である。

不正解です。

バセドウ病では、血中甲状腺ホルモン値が高値となります。

バセドウ病は甲状腺機能亢進症の代表的な疾患です。

選択肢2. バセドウ病では、エネルギーは15~20kcal/kg 標準体重/日とする。

不正解です。

バセドウ病では、エネルギーは35~40kcal/kg 標準体重/日とし、体重の変化により調整します。

エネルギー代謝亢進が進んでいるため15~20kcal/kg 標準体重/日では少なすぎます。

選択肢3. 橋本病では、血中総コレステロール値が低下する。

不正解です。

橋本病では、血中総コレステロール値が上昇します。

橋本病は甲状腺機能低下症の代表的な疾患です。

甲状腺ホルモンの低下により、代謝が悪くなりコレステロール値が上昇します。

選択肢4. 橋本病では、浮腫を認める。

正解です。

代謝が悪くなるため、体内の水分が汗となって排出されず、体内にたまっていきます。

 

選択肢5. 橋本病では、TSH受容体抗体陽性となる。

不正解です。

バセドウ病では、TSH受容体抗体陽性となります。

TSH受容体抗体とは甲状腺の自己免疫反応によって発生する抗体のことです。

TSHとは甲状腺刺激ホルモンのことです。

 

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