管理栄養士の過去問
第38回
午後の部 問81
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問題
第38回 管理栄養士国家試験 午後の部 問81 (訂正依頼・報告はこちら)
K産科病院に勤務する管理栄養士である。
患者は、36歳、初産婦、会社員。現在、妊娠8週目。激しい嘔吐を繰り返すようになり、食事がほとんど食べられなくなったため入院となった。
身長165cm、体重56kg、妊娠前体重59kg。血圧110/70mmHg。空腹時の血液検査値は、クレアチニン0.8mg/dL、尿素窒素30mg/dL、血糖80mg/dL。たんぱく尿(−)、尿中ケトン体(2+)。
退院後、順調に回復した。時々、つわりの症状があるものの、体重は60kgとなり、現在は妊娠12週目となった。本人は、自身の体重の増え方が少ないことを気にして、栄養相談のために来院した。表は、本人が持参した食事メモである。患者への助言として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
患者は、36歳、初産婦、会社員。現在、妊娠8週目。激しい嘔吐を繰り返すようになり、食事がほとんど食べられなくなったため入院となった。
身長165cm、体重56kg、妊娠前体重59kg。血圧110/70mmHg。空腹時の血液検査値は、クレアチニン0.8mg/dL、尿素窒素30mg/dL、血糖80mg/dL。たんぱく尿(−)、尿中ケトン体(2+)。
退院後、順調に回復した。時々、つわりの症状があるものの、体重は60kgとなり、現在は妊娠12週目となった。本人は、自身の体重の増え方が少ないことを気にして、栄養相談のために来院した。表は、本人が持参した食事メモである。患者への助言として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- 主食の量が足りませんね。1回量を増やしましょう。
- 果物はお好きではないですか。1日に1回果物を摂りましょう。
- 乳製品が少ないですね。間食に牛乳を取り入れましょう。
- まだ12週目ですから、体重の増え方は、このくらいで大丈夫ですよ。今の食生活を続けましょう。
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この過去問の解説 (2件)
01
妊娠初期つわり時の栄養摂取に関する記述です。
妊娠初期の胎児はまだ小さく、骨格・臓器形成期ではあるもののエネルギーを多く消費しません。
そのため、つわりによって体重増加が芳しくない場合でもあまり心配し過ぎず、食べられるものを食べたいときに摂取していけるのがベストとなります。
不適です。
食事記録から、3食きちんと主食を取っていることが分かります。増やす必要はありません。
不適です。
果物は無理に摂取する必要はありません。嗜好に応じて摂取量を検討しましょう。
不適です。
つわりの時期は食べられるものを食べられるときに摂取するのが第1歩です。また、妊娠初期は栄養が母体より胎児に優先されるため、微量栄養素にまで敏感になりすぎない方がよいでしょう。
適しています。
妊婦さんに寄り添い、不安にならないようにアドバイスをするのが望ましいです。入院時より確実に体重が増加しているためこのまま様子を見るのが良いと言えます。
妊娠初期(つわりのある時期)の食事管理のポイントは「食べられるものを食べたいときに」です。
その上でバランスよく、良質な食品を摂取することができると望ましいです。
妊娠中は消化機能が低下したり便秘がおこりやすくなったりするため、可能であれば起床時に冷たい牛乳や果物、野菜を摂取できるとより望ましいです。
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02
妊娠週数に応じたエネルギーの付加量を確認しておきましょう。
適しているとは言えません。
主食は少なめですが、体重の増え方が少ないことを気にしているので増やすのは難しいのだと思われます。
1回の量を増やすよりも補食で補うことを視野に入れたアドバイスが良いと考えられます。
適しているとは言えません。
オレンジジュースを摂取しているので徐々に果物を取れるようにアドバイスしていきましょう。
適しているとは言えません。
ヨーグルトを摂取しているので、妊娠後期に追加していくのが望ましいです。
適しています。
まだ悪阻の症状もあり、体重増加が少ないことを気にしているので、摂れている食事のバランスを評価して不安を抱えないよう助言することが大切です。
妊婦のエネルギー付加量(推定エネルギー必要量)
妊娠初期のエネルギー付加量 +50kcal
妊娠中期のエネルギー付加量 +250kcal
妊娠後期のエネルギー付加量 +450kcal
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