管理栄養士の過去問
第38回
午後の部 問84

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問題

第38回 管理栄養士国家試験 午後の部 問84 (訂正依頼・報告はこちら)

K病院に勤務する管理栄養士である。
患者は、9歳2か月、女児。健診で肥満を指摘され、心配した母親が女児を連れて来院した。
初診時、身長135cm、体重44kg、肥満度41.8%。腹囲81cm。血圧114/70mmHg。空腹時の血液検査値は、血糖90mg/dL、AST17U/L、ALT29U/L、non−HDLコレステロール130mg/dL、トリグリセリド115mg/dL。家族歴なし。
原発性肥満と診断され、医師から1日の指示エネルギー量を2,000kcal、たんぱく質エネルギー比率を20%E、脂肪エネルギー比率を25~30%E、カルシウム量を750mgとして、栄養食事指導を行うよう指示があった。放課後や休日は外遊びをよくしているが、スポーツクラブなどには所属していない。

2か月後に再診した時の身長は137cm、体重は44kgであった。指導の際、母親は、「頑張っていますが、体重は減りません。」と話した。これに対する管理栄養士の発言である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題のポイントは体重だけで判断しないことです。肥満症の患者は肥満度が低下することが目標ですが、成長期にある小児患者は身長が伸びることで肥満度が低下することもあるため、体重のみで判断しないことが重要です。

また、これまでの問題にあったように食事エネルギー制限は望ましくありません。

選択肢1. 食べすぎが原因です。食事量を減らしましょう。

不適です。

成長期の小児にエネルギー・食事制限は成長障害などの恐れがあるため望ましくありません。

選択肢2. 運動不足が原因です。運動量を増やしましょう。

不適です。

患者は放課後や休日に外で遊んでおり、運動は不足していません。

選択肢3. 合併症が心配です。検査を受けてみてください。

不適です。

現時点では体重は変化がなくとも身長が伸びており、肥満症は改善傾向にあります。

合併症の心配はしなくてよいでしょう。

選択肢4. 肥満は改善されてきています。今の取組を続けましょう。

正しいです。

体重に変化はありませんが、身長は伸びているため肥満度は改善してると言えます。

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02

小児の肥満では、成長・発達段階であるため体重を減らすこと以外での肥満の改善を考えます。

選択肢1. 食べすぎが原因です。食事量を減らしましょう。

不適です。

 

小児への極端な食事制限は避けます。

選択肢2. 運動不足が原因です。運動量を増やしましょう。

不適です。

 

放課後や休日に外遊びをよくしていて、身長も伸びているので肥満の改善ができています。

選択肢3. 合併症が心配です。検査を受けてみてください。

不適です。

 

身長が伸びて肥満度は下がっています。

選択肢4. 肥満は改善されてきています。今の取組を続けましょう。

適切です。

 

身長が伸びることで、肥満の改善がされています。

まとめ

小児の場合、成長・発達段階にあり、極端な食事制限はせず、体重の減少よりも身長が伸びて肥満度を下げることを目標とすることが大切です。

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