管理栄養士 過去問
第39回
問191 (午後の部 問94)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

管理栄養士試験 第39回 問191(午後の部 問94) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

K社の社員寮に勤務する管理栄養士である。毎年120人程度の新入社員が、1年間、この寮を利用している。調理従事者は5人で、シフト勤務している。3月4日、16時頃までに、30人の新入社員が、腹痛、下痢、嘔吐の症状を訴えた。16時30分に、施設長の判断により、食中毒の可能性があると保健所に通報した。

3月5日の昼、腹痛と下痢を発症した者は、新入社員60人、調理従事者4人に増えた。その頃、保健所から、有症者の便と3月3日夕食のちらし寿司の保存食から、ノロウイルスが検出されたと報告があった。
図は、ちらし寿司の作業工程に、保健所の職員が作業時の手洗い、中心温度測定、手袋着用の有無を聞き取り、追記したものである。ちらし寿司の材料は、米飯、ちらし寿司の素(しいたけ甘煮・酢れんこん・人参)、卵、さやえんどう、えびである。ノロウイルスの汚染が疑われる作業工程として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
問題文の画像
  • a
  • b
  • c
  • d

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

ちらし寿司調理の作業工程と、手洗い・中心温度測定・手袋着用の適切さを検討します。

 

ノロウイルス食中毒は、主に2枚貝が原因食品として挙げられることが多いですが、大量調理の現場では

①そもそもリスク低減のため生の2枚貝を使用することが少ないということ

②調理従事者の手指等を介した2次汚染が多いこと

が特徴となります。

 

今回もちらし寿司が原因食品であり、材料にも2枚貝の使用がないことから、手指を介した汚染であったことが予測されます。

ノロウイルスの死滅には85〜90℃90秒以上の加熱が必要ですが、2枚貝の使用がないことから75℃1分以上の加熱で可としていた可能性は十分あります。

またノロウイルスはアルコール消毒では死滅せず、死滅には次亜塩素酸が必要です。そのため、手洗い・一般的なアルコールでの手指消毒では不十分です。

これらより、加熱調理後に素手で食品に触れた場面があれば、細菌汚染した可能性があると考えられます。

 

a:えびの下処理〜加熱調理前までは手袋着用をしていませんが、加熱調理により菌は死滅していたと考えられます。また、加熱料理後に中心温度測定をされており、その後は素手で触れた記録はありません。

b:加熱調理後の薄焼き卵を切る場面で、素手で作業した記録となっています。この際に手指を介して汚染があったものと予測できます。

c:調理加工済み食品であるちらし寿司の素を利用しています。また、調理工程では一貫して手袋が使用されており、可能性は低いです。

d:盛り付け時には全員が手袋を装着して作業を行っており、可能性は低いです。

選択肢1. a

✕ 不正解です。

選択肢2. b

○ 正解です。

選択肢3. c

✕ 不正解です。

選択肢4. d

✕ 不正解です。

参考になった数4