管理業務主任者の過去問
平成28年度(2016年)
問10

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問題

管理業務主任者試験 平成28年度(2016年) 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

マンションの管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法、民事訴訟法及び区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。
  • 滞納額140万円の支払いを求める訴えを簡易裁判所に提起する場合には、民事訴訟法上の少額訴訟制度を利用することができる。
  • 滞納者に対して、普通郵便による督促をした場合、その後6箇月以内に裁判上の請求をすれば、普通郵便が滞納者に到達した時に、管理費債権の消滅時効が中断したこととなる。
  • 専有部分について賃貸借契約がなされた場合、管理組合は滞納管理費について、規約に別段の定めがなくても、貸主である区分所有者又は賃借人である占有者のいずれに対しても訴えを提起することができる。
  • 滞納者に対して、訴えを提起したところ、「必ず払います。」との誓約書を提出したため、終局判決の前に訴えを取り下げた場合は、その後、支払いがなされなかったときでも再び訴えを提起することはできない。

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この過去問の解説 (3件)

01

1:不適切です。
少額訴訟制度の利用は60万円以下の金銭支払請求事件が対象です。

2:適切です。
裁判上の請求は「時効の中断事由」に該当します。

3:不適切です。
滞納管理費にかかる訴えの提起は区分所有者に対して行えます。

4:不適切です。
判決前の訴訟の取り下げた場合は、再度、訴えを提起することが可能です。

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02

簡易裁判所への提起や少額訴訟制度など、基本的な知識をおさえておきましょう

選択肢1. 滞納額140万円の支払いを求める訴えを簡易裁判所に提起する場合には、民事訴訟法上の少額訴訟制度を利用することができる。

適切ではありません。

滞納額が140万以下である場合には、簡易裁判所に提起をすることになります。また1日で判決が下される少額訴訟を提起する場合においては、滞納額が60万以下である必要があるため、滞納額が140万の場合は少額訟訴を利用することができません。

選択肢2. 滞納者に対して、普通郵便による督促をした場合、その後6箇月以内に裁判上の請求をすれば、普通郵便が滞納者に到達した時に、管理費債権の消滅時効が中断したこととなる。

適切です。

裁判上の請求をすれば、管理費債権の消滅時効が中断したことになります。

選択肢3. 専有部分について賃貸借契約がなされた場合、管理組合は滞納管理費について、規約に別段の定めがなくても、貸主である区分所有者又は賃借人である占有者のいずれに対しても訴えを提起することができる。

適切ではありません。

管理費について支払義務を負っているのは貸主である区分所有者であり、賃借人である占有者は管理費の支払義務を負っていません。そのため、賃借人に対しては訴えを提起することができません。

選択肢4. 滞納者に対して、訴えを提起したところ、「必ず払います。」との誓約書を提出したため、終局判決の前に訴えを取り下げた場合は、その後、支払いがなされなかったときでも再び訴えを提起することはできない。

適切ではありません。

訴訟の取り下げがあった場合、その後に支払いがなされなかったときは再び訴えを提起することができます。

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03

この問題は、マンションの管理費の滞納に関する民法、民事訴訟法、および区分所有法の規定に基づく法的対応についての理解を問うものです。

具体的には、少額訴訟制度の適用、消滅時効の中断、賃貸借契約下での訴訟提起の可否、および訴訟取り下げ後の再提起の可能性に関する規定が試されています。

選択肢1. 滞納額140万円の支払いを求める訴えを簡易裁判所に提起する場合には、民事訴訟法上の少額訴訟制度を利用することができる。

誤り

解説:少額訴訟制度は、請求額が60万円以下の場合に適用されるため、滞納額が140万円の場合は少額訴訟制度を利用することはできません。

選択肢2. 滞納者に対して、普通郵便による督促をした場合、その後6箇月以内に裁判上の請求をすれば、普通郵便が滞納者に到達した時に、管理費債権の消滅時効が中断したこととなる。

正しい

解説:民法によれば、債権者が債務者に対して債権の存在を確認させる行為は、債権の消滅時効を中断します。

この場合、普通郵便による督促が債務者に到達したとき、その督促は債権の存在を確認させる行為と見なされ、消滅時効が中断することになります。

その後6ヶ月以内に裁判上の請求を行うことで、債権の消滅時効の中断を維持することができます。

選択肢3. 専有部分について賃貸借契約がなされた場合、管理組合は滞納管理費について、規約に別段の定めがなくても、貸主である区分所有者又は賃借人である占有者のいずれに対しても訴えを提起することができる。

誤り

解説:通常、管理費の支払い義務は貸主である区分所有者にあります。賃貸借契約がある場合でも、賃借人(占有者)には管理費の支払い義務が通常はありません。

そのため、賃借人に対して管理費の支払いを求める訴えを提起することはできません。

選択肢4. 滞納者に対して、訴えを提起したところ、「必ず払います。」との誓約書を提出したため、終局判決の前に訴えを取り下げた場合は、その後、支払いがなされなかったときでも再び訴えを提起することはできない。

誤り

解説:訴訟を提起した後に訴えを取り下げた場合でも、債務者が支払いを行わなかったときには再び訴えを提起することが可能です。

誓約書の提出は、訴訟の取り下げ後の再提起を妨げるものではありません。

まとめ

マンションの管理費に関する法的対応を理解する際には、訴訟手続き、消滅時効の中断、賃貸借契約下の法的責任、および訴訟取り下げ後の再提起の可否についての正確な知識が必要です。

これらの法的概念と手続きの理解は、管理組合や管理業者が適切な法的措置を講じるために重要です。

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