管理業務主任者の過去問
平成28年度(2016年)
問12

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問題

管理業務主任者試験 平成28年度(2016年) 問12 (訂正依頼・報告はこちら)

建物の建替えに係る経費及び修繕積立金に関する次の記述のうち、マンション標準管理規約及びマンション標準管理規約コメント(単棟型)(平成16年1月23日国総動第232号、国住マ第37号。国土交通省総合政策局長・同住宅局長通知。以下、「標準管理規約」という。)によれば、最も不適切なものはどれか。
  • 建替え決議の前に、建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査に要する経費に充当するために修繕積立金を取り崩すには、総会の決議を経なければならない。
  • 分譲会社が分譲時において将来の計画修繕に要する経費に充当するため、一括して購入者より修繕積立基金を徴収している場合には、当該金銭についても修繕積立金として区分経理すべきである。
  • 建替え決議の後であっても、建物の建替えに係る計画又は設計等に必要がある場合には、その経費に充当するため、総会の決議を経て修繕積立金を取り崩すことができる場合がある。
  • 建替えに係る調査に必要な経費の支出は、マンションの実態にかかわらず、管理費から支出する旨を管理規約に規定することはできない。

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この過去問の解説 (3件)

01

不適切なものは「建替えに係る調査に必要な経費の支出は、マンションの実態にかかわらず、管理費から支出する旨を管理規約に規定することはできない。」です。

選択肢1. 建替え決議の前に、建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査に要する経費に充当するために修繕積立金を取り崩すには、総会の決議を経なければならない。

適切です。
建替え決議前の修繕積立金の取崩しには、総会の決議が必要です。

選択肢2. 分譲会社が分譲時において将来の計画修繕に要する経費に充当するため、一括して購入者より修繕積立基金を徴収している場合には、当該金銭についても修繕積立金として区分経理すべきである。

適切です。
修繕積立基金を徴収している場合は、修繕積立金として区分経理すべきといえます。

選択肢3. 建替え決議の後であっても、建物の建替えに係る計画又は設計等に必要がある場合には、その経費に充当するため、総会の決議を経て修繕積立金を取り崩すことができる場合がある。

適切です。
設問文言のとおりですが、建替え決議後も修繕積立金の取崩しには総会の決議が必要です。

選択肢4. 建替えに係る調査に必要な経費の支出は、マンションの実態にかかわらず、管理費から支出する旨を管理規約に規定することはできない。

不適切です。
建替えに係る調査に必要な経費の支出は、マンションの実態に合わせた管理規約の定めが可能です。

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02

本設問はマンション標準管理規約に関する出題です。

マンション標準管理規約とは、国土交通省が定めるマンションの管理規約に関するひな形で、当規約に関する運用方針を示したコメントも作成されています。

詳細は各設問にて解説します。

選択肢1. 建替え決議の前に、建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査に要する経費に充当するために修繕積立金を取り崩すには、総会の決議を経なければならない。

設問の通りです。

マンション標準管理規約(単棟型)第28条および48条では、「第28条 管理組合は、各区分所有者が納入する修繕積立金を積み立てるも のとし、積み立てた修繕積立金は、次の各号に掲げる特別の管理に要する 経費に充当する場合に限って取り崩すことができる。 

一 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕

二 不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕

三 敷地及び共用部分等の変更

建物の建替え及びマンション敷地売却に係る合意形成に必要となる事項の調査 

五 その他敷地及び共用部分等の管理に関し区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理

第48条 次の各号に掲げる事項については、総会の決議を経なければならない

一 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止 

二 役員の選任及び解任並びに役員活動費の額及び支払方法

三 収支決算及び事業報告 

四 収支予算及び事業計画 

五 長期修繕計画の作成又は変更

六 管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法

七 修繕積立金の保管及び運用方法 

八 適正化法第5条の3第1項に基づく管理計画の認定の申請、同法第5 条の6第1項に基づく管理計画の認定の更新の申請及び同法第5条の7 〔※管理組合における電磁的方法の利用状況に応じて、次のように規定〕 (ア)電磁的方法が利用可能ではない場合 6 前5項の場合において、書面又は代理人によって議決権を行使する者 は、出席組合員とみなす。 (イ)電磁的方法が利用可能な場合 6 前5項の場合において、書面、電磁的方法又は代理人によって議決権を 行使する者は、出席組合員とみなす。 - 20 - 第1項に基づく管理計画の変更の認定の申請 

九 第21条第2項に定める管理の実施 

十 第28条第1項に定める特別の管理の実施並びにそれに充てるための 資金の借入れ及び修繕積立金の取崩し 

十一 区分所有法第57条第2項及び前条第3項第三号の訴えの提起並び にこれらの訴えを提起すべき者の選任 

十二 建物の一部が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧 

十三 円滑化法第102条第1項に基づく除却の必要性に係る認定の申請 

十四 区分所有法第62条第1項の場合の建替え及び円滑化法第108条 第1項の場合のマンション敷地売却 

十五 第28条第2項及び第3項に定める建替え等に係る計画又は設計等 の経費のための修繕積立金の取崩し 

十六 組合管理部分に関する管理委託契約の締結 

十七 その他管理組合の業務に関する重要事項」と定められています。

選択肢2. 分譲会社が分譲時において将来の計画修繕に要する経費に充当するため、一括して購入者より修繕積立基金を徴収している場合には、当該金銭についても修繕積立金として区分経理すべきである。

設問の通りです。

マンション標準管理規約(単棟型)のコメント第28条関係②では、「分譲会社が分譲時において将来の計画修繕に要する経費に充当していくため、一括して購入者より修繕積立基金として徴収している場合や、修繕 時に、既存の修繕積立金の額が修繕費用に不足すること等から、一時負担 金が区分所有者から徴収される場合があるが、これらについても修繕積立金として積み立てられ、区分経理されるべきものである。」と定められています。

選択肢3. 建替え決議の後であっても、建物の建替えに係る計画又は設計等に必要がある場合には、その経費に充当するため、総会の決議を経て修繕積立金を取り崩すことができる場合がある。

設問の通りです。

マンション標準管理規約(単棟型)第28条2項および48条では、「第28条2項 前項にかかわらず、区分所有法第62条第1項の建替え決議(以下「建 替え決議」という。)又は建替えに関する区分所有者全員の合意の後であっても、マンションの建替え等の円滑化に関する法律(平成14年法律第 78号。以下「円滑化法」という。)第9条のマンション建替組合の設立 の認可又は円滑化法第45条のマンション建替事業の認可までの間におい て、建物の建替えに係る計画又は設計等に必要がある場合には、その経費に充当するため、管理組合は、修繕積立金から管理組合の消滅時に建替え 不参加者に帰属する修繕積立金相当額を除いた金額を限度として、修繕積 立金を取り崩すことができる。

第48条 次の各号に掲げる事項については、総会の決議を経なければならない。

一 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止 

二 役員の選任及び解任並びに役員活動費の額及び支払方法

三 収支決算及び事業報告 

四 収支予算及び事業計画 

五 長期修繕計画の作成又は変更

六 管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法

七 修繕積立金の保管及び運用方法 

八 適正化法第5条の3第1項に基づく管理計画の認定の申請、同法第5 条の6第1項に基づく管理計画の認定の更新の申請及び同法第5条の7 〔※管理組合における電磁的方法の利用状況に応じて、次のように規定〕 (ア)電磁的方法が利用可能ではない場合 6 前5項の場合において、書面又は代理人によって議決権を行使する者 は、出席組合員とみなす。 (イ)電磁的方法が利用可能な場合 6 前5項の場合において、書面、電磁的方法又は代理人によって議決権を 行使する者は、出席組合員とみなす。 - 20 - 第1項に基づく管理計画の変更の認定の申請 

九 第21条第2項に定める管理の実施 

十 第28条第1項に定める特別の管理の実施並びにそれに充てるための 資金の借入れ及び修繕積立金の取崩し 

十一 区分所有法第57条第2項及び前条第3項第三号の訴えの提起並び にこれらの訴えを提起すべき者の選任 

十二 建物の一部が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧 

十三 円滑化法第102条第1項に基づく除却の必要性に係る認定の申請 

十四 区分所有法第62条第1項の場合の建替え及び円滑化法第108条 第1項の場合のマンション敷地売却 

十五 第28条第2項及び第3項に定める建替え等に係る計画又は設計等の経費のための修繕積立金の取崩し 

十六 組合管理部分に関する管理委託契約の締結 

十七 その他管理組合の業務に関する重要事項」と定められています。

選択肢4. 建替えに係る調査に必要な経費の支出は、マンションの実態にかかわらず、管理費から支出する旨を管理規約に規定することはできない。

マンション標準管理規約(単棟型)のコメント第28条関係⑦では、「建替えに係る調査に必要な経費の支出は、各マンションの実態に応じて、 管理費から支出する旨管理規約に規定することもできる。」と定められています。

よって本選択肢の「マンションの実態にかかわらず、管理費から支出する旨を管理規約に規定することはできない」という箇所が誤りです。

まとめ

マンション標準管理規約は国土交通省がひな形を同省HP上で公開しています。内容を確認してください。

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03

この問題は、マンション標準管理規約及びそのコメントに関連する、建物の建替えおよび修繕積立金に関する経費の取り扱いについての理解を問うものです。

具体的には、修繕積立金の使用、分譲時の修繕積立基金の取り扱い、建替えに関連する経費の支出に関する規定が試されています。

選択肢1. 建替え決議の前に、建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査に要する経費に充当するために修繕積立金を取り崩すには、総会の決議を経なければならない。

適切

解説:建替えに係る事項の調査経費に修繕積立金を充当する場合、標準管理規約に基づき、総会の決議が必要です。

これは、修繕積立金の使用に関する重要な決定に住戸所有者の合意を求めるための措置です。

選択肢2. 分譲会社が分譲時において将来の計画修繕に要する経費に充当するため、一括して購入者より修繕積立基金を徴収している場合には、当該金銭についても修繕積立金として区分経理すべきである。

適切

解説:分譲会社が分譲時に徴収した修繕積立基金は、将来の計画修繕に充当されるため、修繕積立金として区分経理されます。

これは、修繕積立金の透明な管理を確保するために重要です。

選択肢3. 建替え決議の後であっても、建物の建替えに係る計画又は設計等に必要がある場合には、その経費に充当するため、総会の決議を経て修繕積立金を取り崩すことができる場合がある。

適切

解説:建替え決議の後でも、建替えに関連する計画や設計に必要な経費に修繕積立金を使用することは、総会の決議を経て可能です。

これにより、建替えプロジェクトの進行に必要な財源を確保することができます。

選択肢4. 建替えに係る調査に必要な経費の支出は、マンションの実態にかかわらず、管理費から支出する旨を管理規約に規定することはできない。

不適切

解説:建替えに必要な調査経費は、管理費から支出することも可能ですが、その旨を管理規約に規定することは、マンションの実態や住戸所有者の合意に基づいて判断されます。

一律に管理費からの支出を禁止する規定は適切ではありません。

まとめ

この問題を解く際には、標準管理規約における修繕積立金の使用に関する規定や建替えに関連する経費の扱いについての理解が重要です。

修繕積立金の使用は、マンションの維持・管理や将来の大規模な修繕、建替えに関わる重要な財源であるため、その使用には透明性と適切な手続きが求められます。

また、建替えに関連する経費の扱いも、マンションの維持・更新計画に直結するため、慎重な決定が必要です。

参考になった数8