管理業務主任者の過去問
平成28年度(2016年)
問29
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問題
管理業務主任者試験 平成28年度(2016年) 問29 (訂正依頼・報告はこちら)
専用使用部分の損傷等に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、最も不適切なものはどれか。
- 区分所有者の不注意により損傷した窓ガラスを、区分所有者の希望により、窓枠等の変更を必要としない範囲で、強度の高いものに取り換える場合には、理事会の承認を得たうえ、区分所有者がその責任と負担で行う。
- 通常の使用に伴い損傷した網戸の補修は、区分所有者がその責任と負担で行う。
- 第三者による犯罪行為により損傷した面格子の補修をする場合には、管理組合がその責任と負担で行う。
- 専有部分の賃借人の不注意により損傷した玄関扉の補修については、賃貸人である区分所有者はその責任と負担を負わない。
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この過去問の解説 (3件)
01
「窓枠等の変更を必要としない範囲」の取り換えは、理事会で承認を得た上で区分所有者の責任と負担で行います。
2:適切です。
通常使用の範囲であればその補修は、区分所有者の責任と負担で行います。
3:適切です。
本問のような重大な行為により損傷した場合の補修は、管理組合の責任と負担で行います。
4:不適切です。
賃借人の不注意により損傷した場合の補修は、賃貸人である区分所有者の責任と負担で行います。
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02
この問題は、マンションの専用使用部分に生じた損傷に関して、標準管理規約に基づく適切な対応を問うものです。
専用使用部分の損傷に関する責任と負担の所在を判断する必要があります。
適切
解説:窓ガラスの交換について、窓枠等の変更を必要としない範囲での取り換えは、理事会で承認を得た上で区分所有者の責任と負担で行います。
適切
解説:通常の使用に伴い損傷した網戸の補修は、区分所有者の責任と負担で行います。
適切
解説:第三者による犯罪行為など重大な行為により損傷した場合は、管理組合の責任と負担で補修を行います。
不適切
解説:賃借人の不注意により損傷した玄関扉の補修についても、賃貸人である区分所有者がその責任と負担を負うのが通常です。
賃借人に対して損害賠償を求めることが可能です。
専用使用部分の損傷に関する問題を解く際には、損傷の原因と責任所在に基づいて、誰がその補修費用を負担するかを判断する必要があります。
管理規約や民法などの法律知識、さらには通常の慣行や実務上の取り扱いを理解することが重要です。
また、損傷の性質によって、管理組合が介入するケースと個々の区分所有者が対応するケースを区別する必要があります。
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03
本設問は標準管理規約の保存行為に関する出題です。
詳細は各設問にて解説します。
設問の通りです。
国土交通省が掲載している標準管理規約のひな形第22条1項および2項では、「共用部分のうち各住戸に附属する窓枠、窓ガラス、玄関扉その他 の開口部に係る改良工事であって、防犯、防音又は断熱等の住宅の性能の向上等に資するものについては、管理組合がその責任と負担において、計画修繕としてこれを実施するものとする。区分所有者は、管理組合が前項の工事を速やかに実施できない場合に は、あらかじめ理事長に申請して書面による承認を受けることにより、当 該工事を当該区分所有者の責任と負担において実施することができる。」と記載されています。加えて同規約第17条では、「理事長は、第1項の規定による申請について、理事会(第51条に定める理事会をいう。以下同じ。)の決議により、その承認又は不承認を決定しなければならない。」と記載されています。
設問の通りです。
国土交通省が掲載している標準管理規約のひな形第21条では、「敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負 担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の管理のうち、 通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負 担においてこれを行わなければならない。」と記載されています。網戸については、同規約第7条および同条コメントでは、「対象物件のうち区分所有権の対象となる専有部分は、住戸番号を付 した住戸とする。 2 前項の専有部分を他から区分する構造物の帰属については、次のとおり とする。 一 天井、床及び壁は、躯体部分を除く部分を専有部分とする。 二 玄関扉は、錠及び内部塗装部分を専有部分とする。 三 窓枠及び窓ガラスは、専有部分に含まれないものとする。 3 第1項又は前項の専有部分の専用に供される設備のうち共用部分内にあ る部分以外のものは、専有部分とする。雨戸又は網戸がある場合は、第2項第三号に追加する。」と記載されています。
設問の通りです。
国土交通省が掲載している標準管理規約のひな形第21条および同条コメントでは、「敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負 担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の管理のうち、 通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負 担においてこれを行わなければならない。本条ただし書の「通常の使用に伴う」管理とは、バルコニーの清掃や窓 ガラスが割れた時の入れ替え等である。」と記載されています。
本設問における「第三者による犯罪行為」は通常の使用に伴う管理等に該当しないため、管理組合がその責任と負担で行います。
国土交通省が掲載している標準管理規約のひな形第14条では、「区分所有者は、別表第4に掲げるバルコニー、玄関扉、窓枠、窓 ガラス、一階に面する庭及び屋上テラス(以下この条、第21条第1項及 び別表第4において「バルコニー等」という。)について、同表に掲げる とおり、専用使用権を有することを承認する。」と記載されています。よって、所有者は、玄関扉について、専属使用権を有しています。同規約第21条では、「敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負 担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の管理のうち、 通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負 担においてこれを行わなければならない。」と記載されているため、区分所有者がその責任と負担で行わなければなりません。
よって本選択肢の「玄関扉の補修については、賃貸人である区分所有者はその責任と負担を負わない。」という箇所が誤りです。
本設問は共有部分と専属使用権等の権利関係が重要となるので、国土交通省が発表している標準管理規約を読み込んで、問題に取り組んでください。
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