管理業務主任者の過去問
平成29年度(2017年)
問5

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問題

管理業務主任者試験 平成29年度(2017年) 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

AとBが、連帯債務者としてCから5,000万円の融資を受け、甲マンションの一住戸を購入した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
※この設問は平成29年(2017年)に出題されたものです。
令和2年(2020年)4月1日に施行された「民法の一部を改正する法律」による変更は反映されていません。
  • Cが、Aに対し5,000万円の弁済を請求した場合、これにより、Bも5,000万円の弁済の請求を受けたことになる。
  • Bが、Cに対し、自己の300万円の反対債権をもって相殺する旨の意思表示をしたときは、これにより、300万円の範囲でAとBはともに債務を免れる。
  • Cに対するAとBの連帯債務につき、Dが保証人となる旨の保証契約は、CとDの口頭による合意で成立する。
  • Aが、Cに対し5,000万円を弁済したときは、Aは、Bに対し、その負担部分について求償することができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

解説は以下のとおりです。

選択肢1. Cが、Aに対し5,000万円の弁済を請求した場合、これにより、Bも5,000万円の弁済の請求を受けたことになる。

誤り

※2020年4月1日民法大改正により、この問題は誤りになりました。

改正前は、連帯債務者の1人に対する履行の請求は絶対効で、他の連帯債務者に対しても効果を生じました。しかし、改正後は相対効となり、特約がなければ、Bは請求を受けたことにはなりません。

選択肢2. Bが、Cに対し、自己の300万円の反対債権をもって相殺する旨の意思表示をしたときは、これにより、300万円の範囲でAとBはともに債務を免れる。

正しい

「相殺」は絶対効です。連帯債務者の一人が相殺すれば、その範囲で全体の債務額は減少することになります。

選択肢3. Cに対するAとBの連帯債務につき、Dが保証人となる旨の保証契約は、CとDの口頭による合意で成立する。

誤り

保証契約は、書面または電磁的記録でしなければその効力を生じません(民法446条2項、3項)。

選択肢4. Aが、Cに対し5,000万円を弁済したときは、Aは、Bに対し、その負担部分について求償することができる。

正しい

連帯債務者の一人が弁済すれば、他の連帯債務者に各自の負担部分を求償することができます。

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02

連帯債務についての問題です。

選択肢1. Cが、Aに対し5,000万円の弁済を請求した場合、これにより、Bも5,000万円の弁済の請求を受けたことになる。

誤りです。

更改、相殺、混同を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じません。したがって、Bは弁済の請求を受けたことにはなりません。

※試験当時は正解の選択肢でしたが、法改正により誤りとなりました。

選択肢2. Bが、Cに対し、自己の300万円の反対債権をもって相殺する旨の意思表示をしたときは、これにより、300万円の範囲でAとBはともに債務を免れる。

正しいです。

連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が相殺を援用したときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅します。したがって、300万円の範囲でAとBはともに債務を免れます。

選択肢3. Cに対するAとBの連帯債務につき、Dが保証人となる旨の保証契約は、CとDの口頭による合意で成立する。

誤りです。

保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じません。口頭による合意はできません。

選択肢4. Aが、Cに対し5,000万円を弁済したときは、Aは、Bに対し、その負担部分について求償することができる。

正しいです。

連帯債務者の一人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たときは、その連帯債務者は、その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、他の連帯債務者に対し、その免責を得るために支出した財産の額(その財産の額が共同の免責を得た額を超える場合にあっては、その免責を得た額)のうち各自の負担部分に応じた額の求償権を有します。

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03

この問題は、AとBがCから5,000万円の融資を受けてマンションの一住戸を購入したシナリオで、連帯債務に関するさまざまな状況について、民法の規定に基づいて正誤を判断する内容です。

具体的には、融資の弁済請求、相殺、保証契約の成立要件、求償権に関する状況が問われています。

選択肢1. Cが、Aに対し5,000万円の弁済を請求した場合、これにより、Bも5,000万円の弁済の請求を受けたことになる。

誤り

解説:連帯債務者に対する履行の請求は、他の連帯債務者に対して自動的に効果を及ぼすわけではありません。

したがって、CがAに対して5,000万円の弁済を請求しても、それによってBにも弁済請求がなされたことにはなりません。

※試験当時(平成29年)は「正しい」選択肢でしたが、令和2年民法改正により「誤り」の選択肢となっています。

選択肢2. Bが、Cに対し、自己の300万円の反対債権をもって相殺する旨の意思表示をしたときは、これにより、300万円の範囲でAとBはともに債務を免れる。

正しい

解説:連帯債務者の一人が債権者に対して反対債権をもって相殺すると、その範囲で全体の債務が減少します。

よって、Bが300万円の反対債権をもって相殺すると、AとBは300万円の範囲で債務を免れます。

選択肢3. Cに対するAとBの連帯債務につき、Dが保証人となる旨の保証契約は、CとDの口頭による合意で成立する。

誤り

解説:保証契約は書面でなければ効力を生じません。従って、口頭による合意で成立することはありません。

選択肢4. Aが、Cに対し5,000万円を弁済したときは、Aは、Bに対し、その負担部分について求償することができる。

正しい

解説:連帯債務者の一人が全額を弁済した場合、その債務者は他の連帯債務者に対して自身の負担部分を超える部分について求償することができます。

この場合、AはBに対して求償する権利があります。

まとめ

この問題の解答には、連帯債務に関する法的知識が必要です。

連帯債務者間の関係、相殺、保証契約の成立要件、求償権に関して、民法の規定を正確に理解し、適切な判断を下す必要があります。

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