管理業務主任者の過去問
令和元年度(2019年)
問11

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問題

管理業務主任者試験 令和元年度(2019年) 問11 (訂正依頼・報告はこちら)

マンションの管理費の支払債務の時効の中断に関する次のア〜エの記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。

ア  管理費の滞納者が死亡した場合においては、時効は中断する。
イ  管理費の滞納者が破産手続開始の決定を受けた場合においては、その破産手続開始決定の時に時効が中断する。
ウ  管理費の滞納者に対して内容証明郵便による催告をしても、催告後6箇月以内に裁判上の請求など一定の時効中断手続をとらないと、時効の中断の効力は失われる。
エ  管理費の滞納者が、滞納している事実を認める旨の承認書を管理組合に提出した場合においては、その承認書が公正証書によるものでなくても、時効が中断する。
※2020年4月の民法改正により、「時効の中断」は「時効の更新」に構成され直しました。
 <参考>
 この設問は2019年(令和元年)に出題された設問となりますので、民法改正前の内容です。
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この過去問の解説 (4件)

01

正しいものは
二つ です。

ア:誤りです。
死亡の場合も時効は進行します。

イ:誤りです。
破産手続開始の決定があっても時効は進行します。
破産手続に参加した時に時効は中断します。

ウ:正しいです。
催告は、催告後6箇月以内に一定の時効中断手続がない場合は、時効の中断効力を失います。

エ:正しいです。
承認は時効の中断事由の一つです。

<参考>
2020年4月に改正民法が施行されましたが、用語の変更があります。
時効の中断⇒「時効の更新」

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02

時効の更新・完成猶予に関する問題です。

 

 

選択肢2. 二つ

ア:×誤り

管理費の滞納者(債務者)が死亡した場合、時効は中断(更新)しません。

時効は、①裁判上の請求、②支払い督促、③民事調停等、④破産手続参加等、⑤強制執行等、⑥承認によって更新します。

 

イ:×誤り

管理費の滞納者が破産手続き開始の決定を受けた場合、権利が確定するため、上記④に該当し、時効は中断(更新)します。

 

ウ:〇正しい

管理費の滞納者に対して内容証明郵便による催告をしても、催告後6か月以内に裁判上の請求など一定の時効中断手続きをとらないと、時効の中断の効力は失われます。

 

エ:〇正しい

管理費の滞納者が滞納している事実を認める旨の承認書を管理組合に提出した場合においては、その承認書が公正証書によるものでなくても、時効は中断(更新)します。

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03

本設問は時効の更新に関する出題です。

詳細は各設問にて解説します。

 

選択肢2. 二つ

正しいものは2つです。

民法第147条・148条・152条では「147条 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。一 裁判上の請求二 支払督促三 民事訴訟法第二百七十五条第一項の和解又は民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)若しくは家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)による調停四 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加2 前項の場合において、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。148条  次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。一 強制執行二 担保権の実行三 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百九十五条に規定する担保権の実行としての競売の例による競売四 民事執行法第百九十六条に規定する財産開示手続又は同法第二百四条に規定する第三者からの情報取得手続2 前項の場合には、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。ただし、申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合は、この限りでない。150条 催告があったときは、その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。2 催告によって時効の完成が猶予されている間にされた再度の催告は、前項の規定による時効の完成猶予の効力を有しない。152条 時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。」と記載されています。

債務者の死亡は時効の中断事由ではありません。

破産手続開始決定の時に時効は中断しません。

催告後6箇月以内に裁判上の請求など一定の時効中断手続をとらないと、時効の中断の効力は失われます。

承認書は公正証書によるものでなくても、時効は中断します。

まとめ

時効の中断は民法改正により改正されている箇所ですので用語等の変化に留意してください。

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04

管理費等の時効の中断事由についての問題です。

選択肢2. 二つ

誤り。管理費等の滞納者が死亡しても、時効は中断しません。

誤り。区分所有者が破産手続きの開始決定を受けても、時効は中断しません。

正しい。管理費の滞納者に対して内容証明郵便による催告をしても、催告後6箇月以内に裁判上の請求など一定の時効中断手続をとらないと、時効の中断の効力は失われます。

正しい。管理費の滞納者が、滞納している事実を認める旨の承認書を管理組合に提出する行為は、時効の承認に該当します。公正証書でする必要はありません。

まとめ

時効の中断についての問題ですが、時効の中断事由としては、①請求(裁判上の請求)、②差押、仮差押、仮処分、③承認があります。

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