1級管工事施工管理技士の過去問
平成29年度(2017年)
問題B 問60

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問題

1級 管工事施工管理技術検定試験 平成29年度(2017年) 学科試験 問題B 問60 (訂正依頼・報告はこちら)

腐食・防食に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
  • ステンレス鋼管の溶接は、内面の酸化防止として管内にアルゴンガスを充てんして行う。
  • 冷温水管に用いる呼び径100A以下の配管用炭素鋼鋼管は、溝状腐食のおそれの少ない鍛接鋼管を使用する。
  • 給湯用銅管は、管内流速を1.2m/s以下とし、曲がり部直近で発生するかい食を防止する。
  • ステンレス鋼管に接続する青銅製仕切弁は、弁棒を黄銅製として脱亜鉛腐食を防止する。

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この過去問の解説 (3件)

01

腐食・防食に関する問題です。

選択肢1. ステンレス鋼管の溶接は、内面の酸化防止として管内にアルゴンガスを充てんして行う。

適当です。

「ステンレス鋼管」の」「溶接」に関して、内面の酸化防止として管内にアルゴンガス(不活性ガス)を充てんして行います。

選択肢2. 冷温水管に用いる呼び径100A以下の配管用炭素鋼鋼管は、溝状腐食のおそれの少ない鍛接鋼管を使用する。

適当です。

溝状腐食とは電縫鋼管(は電気抵抗溶接鋼管)において電縫溶接部が選択的に腐食していく現象であり、

それを防ぐために冷温水管に用いる呼び径100A以下の配管用炭素鋼鋼管は「鍛接鋼管」(鍛接にて接合した鋼管)を使用します。

選択肢3. 給湯用銅管は、管内流速を1.2m/s以下とし、曲がり部直近で発生するかい食を防止する。

適当です。

給湯用銅管は、曲がり部直近で発生する「かい食」を防止するために管内流速を「1.2m/s以下」とします。

「かい食」とは金属表面にできる酸化膜などが、流体の衝撃などによって継続的に破壊され、その部分が陽極となり、急速に腐食が進行する現象をいいます。

選択肢4. ステンレス鋼管に接続する青銅製仕切弁は、弁棒を黄銅製として脱亜鉛腐食を防止する。

適当ではありません。

弁棒を黄銅製としてしまうと、イオン化が進み亜鉛が反応していまい、亜鉛腐食が進行してしまう可能性があります。

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02

正解 4

1 溶接を行う場合は、シールドガスとして不活性ガスを充填してから行います。

2 上記の通りになります。

3 かい食とは部材が局部的に腐食や劣化することを言います。エルボでは衝撃と流速の影響でかい食が起きやすいので1.2m/s以下になるようにするのが好ましいです。

4 弁棒を黄銅製にするとイオン化傾向の高い金属は腐食を起こしますので、亜鉛が反応を起こします。

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03

腐食・防食に関する問題です。

選択肢1. ステンレス鋼管の溶接は、内面の酸化防止として管内にアルゴンガスを充てんして行う。

問題文の通りです。

 

ステンレス鋼管の溶接接合は、管内にアルゴンガスを充満させ、TIG溶接で溶接を行います。溶接作業は、原則として工場で行いますが、現場溶接する場合は、TIG 自動円周溶接機を使った自動溶接で行います。

 

アルゴンガス(不活性ガス)を使用する理由は、不活性ガスなしでの溶接では、溶融金属と空気中の酸素・窒素との化学反応によって、金属が冷えて凝固するときに溶け込んでいる酸素や窒素が気泡となり、溶接部に残り溶接欠陥の原因にるからです。

選択肢2. 冷温水管に用いる呼び径100A以下の配管用炭素鋼鋼管は、溝状腐食のおそれの少ない鍛接鋼管を使用する。

問題文の通りです。

 

水配管用の配管用炭素鋼鋼管を使用する場合、呼び径 100A以下の鍛接鋼管(SGP-B)は、耐溝状腐食電縫鋼管とします。

選択肢3. 給湯用銅管は、管内流速を1.2m/s以下とし、曲がり部直近で発生するかい食を防止する。

問題文の通りです。

 

給湯用銅管の流体温度によって溶存酸素が泡となって流れてきて、流速が早いと曲り部分に衝撃的にぶつかってかい食を起こします。

流速が1.5 m/s以上で起こるとも言われますので、管内流速を下げることが必要です。

選択肢4. ステンレス鋼管に接続する青銅製仕切弁は、弁棒を黄銅製として脱亜鉛腐食を防止する。

青銅製仕切弁は、弁棒を、黄銅製として脱亜鉛腐食を防止できないため、弁棒は耐脱亜鉛対策用黄銅材料とします。

 

青銅の仕切弁の材質上、弁棒が黄銅性ですと、脱亜鉛腐食(亜鉛成分が流失して黄銅が脆くなる)が進行するため、弁棒を耐脱亜鉛対策用黄銅材料として、脱亜鉛対策とした仕切弁です。

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