1級管工事施工管理技士の過去問
令和3年度(2021年)
問題B 問71

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問題

1級 管工事施工管理技術検定試験 令和3年度(2021年) 学科試験 問題B 問71 (訂正依頼・報告はこちら)

機器の据付けに関する記述のうち、適当でないものはどれか。適当でないものは二つあるので、二つとも答えなさい。
  • 防振基礎に設ける耐震ストッパーは、地震時における機器の横移動の自由度を確保するため、機器本体との間の隙間を極力大きくとって取り付ける。
  • 天井スラブの下面において、あと施工アンカーを上向きで施工する場合、接着系アンカーは使用しない。
  • 軸封部がメカニカルシール方式の冷却水ポンプをコンクリート基礎上に設置する場合、コンクリート基礎上面に排水目皿及び当該目皿からの排水管を設けないこととしてよい。
  • 機器を吊り上げる場合、ワイヤーロープの吊り角度を大きくすると、ワイヤーロープに掛かる張力は小さくなる。

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この過去問の解説 (3件)

01

機器の据付けに関する問題です。

選択肢1. 防振基礎に設ける耐震ストッパーは、地震時における機器の横移動の自由度を確保するため、機器本体との間の隙間を極力大きくとって取り付ける。

適当ではありません。

「防振基礎に設ける耐震ストッパーは、地震時における機器の横移動の自由度を確保できる範囲内でできるだけ小さくとって取り付ける。」が正解です。

この選択肢に本文は頻出です。必ず正しい据え付け方法をおさえておきましょう。

選択肢2. 天井スラブの下面において、あと施工アンカーを上向きで施工する場合、接着系アンカーは使用しない。

適当です。

本文のとおり、「天井スラブの下面」において、「あと施工アンカー」を「上向き」で施工する場合、粘着系アンカーは使用しません。

選択肢3. 軸封部がメカニカルシール方式の冷却水ポンプをコンクリート基礎上に設置する場合、コンクリート基礎上面に排水目皿及び当該目皿からの排水管を設けないこととしてよい。

適当です。

「軸封部がメカニカルシール方式」の冷却水ポンプをコンクリート基礎上に設置する場合、

コンクリート基礎上面に排水目皿及び当該目皿からの排水管を設けないことは「可」となります。

ちなみにそのような排水目皿及び当該目皿からの排水管が必要となるのは「グランドパッキン」の場合です。

焼き付きを防ぐために多少の漏れが必要になります。

選択肢4. 機器を吊り上げる場合、ワイヤーロープの吊り角度を大きくすると、ワイヤーロープに掛かる張力は小さくなる。

適当ではありません。

機器を吊り上げる場合、ワイヤーロープの吊り角度を大きくすると、ワイヤーロープに掛かる張力は「大きく」なります

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02

機器の据付についての問題です。

選択肢1. 防振基礎に設ける耐震ストッパーは、地震時における機器の横移動の自由度を確保するため、機器本体との間の隙間を極力大きくとって取り付ける。

正しくは、「防振基礎に設ける耐震ストッパーは、地震時における機器の横移動を抑えるために、機器本体との間の隙間を極力小さくとって取り付ける。」です。

選択肢2. 天井スラブの下面において、あと施工アンカーを上向きで施工する場合、接着系アンカーは使用しない。

天井スラブの下面において、あと施工アンカーを上向きで施工する場合、接着系アンカーは使用しません。接着系アンカーが硬化する前に落下のおそれがあります。

選択肢3. 軸封部がメカニカルシール方式の冷却水ポンプをコンクリート基礎上に設置する場合、コンクリート基礎上面に排水目皿及び当該目皿からの排水管を設けないこととしてよい。

軸封部がメカニカルシール方式の冷却水ポンプをコンクリート基礎上に設置する場合、コンクリート基礎上面に排水目皿及び当該目皿からの排水管を設けなくてもよいです。

選択肢4. 機器を吊り上げる場合、ワイヤーロープの吊り角度を大きくすると、ワイヤーロープに掛かる張力は小さくなる。

正しくは、「機器を吊り上げる場合、ワイヤーロープの吊り角度を大きくすると、ワイヤーロープに掛かる張力も大きくなる。」です。

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03

機器の据付けに関する問題です。

選択肢1. 防振基礎に設ける耐震ストッパーは、地震時における機器の横移動の自由度を確保するため、機器本体との間の隙間を極力大きくとって取り付ける。

耐震ストッパとポンプなどの機器との隙間は、通常運転時に接触しない範囲の大きさにとって、取付けます

 

ポンプなどの基礎は、ポンプ振動を抑えるため防振基礎とする場合、地震が起きると大きく揺れることになります。

地震が発生した時に、地震力によって機器が大きく揺れないように、基礎には耐震ストッパをボルトで締めて固く取付けます。

耐震ストッパと機器との隙間は、通常運転時に接触しない範囲の大きさにとって、取付けます。

選択肢2. 天井スラブの下面において、あと施工アンカーを上向きで施工する場合、接着系アンカーは使用しない。

接着系アンカーは、骨材や破砕ガラス管が樹脂硬化剤と混合して固化し、躯体にアンカーを固着させます。

あと施工アンカーを、スラブ下面に上向きで施工すると、下からアンカーを挿入するため、接着剤が流れ出してアンカーの目的を達成できないため、接着系アンカーは使用できません

選択肢3. 軸封部がメカニカルシール方式の冷却水ポンプをコンクリート基礎上に設置する場合、コンクリート基礎上面に排水目皿及び当該目皿からの排水管を設けないこととしてよい。

メカニカルシール方式の軸封は、軸と一体で回転する回転リングとパッキン箱固定の固定リングを、軸としゅう動面で滑らせ漏えいを防止します。

メカニカルシール方式の漏えい量は、1.2 ml/dとほとんどないため、コンクリート基礎上面に排水目皿及び当該目皿からの排水管を設ける必要はありません

 

一方、軸封がグランドパッキン方式では、構造上、連続して滴下する程度に水が外に漏れるようにする必要があり(0.5 ml/s)、コンクリート基礎上面に排水目皿及び当該目皿からの排水管を設ける必要があります。

選択肢4. 機器を吊り上げる場合、ワイヤーロープの吊り角度を大きくすると、ワイヤーロープに掛かる張力は小さくなる。

ワイヤーロープの吊り角度を大きくすると、ワイヤーロープに掛かる張力は小さくはならず大きくなります

 

機器を吊り上げる模式図に力の配置図を下図に示します。

力のつり合いから、次の式が出てきます。ここで、mgは吊荷の重量、Pはロープの張力、θはロープの張り角度です。Pcosθ はロープに掛かる鉛直方向の力、Psinθは水平力です。

 

mg/2=P cosθ

式からロープの張力Pを求める式は、次となります。

P= mg/2 cosθ

  

 

ワイヤーロープの吊り角度を大きくすると、角度θが大きくなり、cosθ は小さくなります。

結果、ロープの張力 P は、大きくなります。

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