1級管工事施工管理技士の過去問
令和5年度(2023年)
問題A 問7

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問題

1級 管工事施工管理技術検定試験 令和5年度(2023年) 学科試験 問題A 問7 (訂正依頼・報告はこちら)

熱に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 比熱比とは、定圧比熱を定容比熱で除した値で、気体では常に1より大きい。
  • エンタルピーは、物質の持つエネルギーの状態量で、その物質の内部エネルギーに、外部への体積膨張仕事量を加えたもので表される。
  • エントロピーは、不可逆変化が生じると必ず減少する。
  • カルノーサイクルは、等温膨張、断熱膨張、等温圧縮、断熱圧縮の4つの過程からなる。

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この過去問の解説 (1件)

01

比熱、エンタルピー、エントロピー、カルノーサイクルなど熱に関する問題です。

選択肢1. 比熱比とは、定圧比熱を定容比熱で除した値で、気体では常に1より大きい。

問題文は、全て正しいです。

 

Cpは定圧比熱、Cvは定容比熱とすると、比熱比γは、次のように表されます

γ=Cp/Cv

気体の場合、定圧比熱は、常に定容比熱より大きく、次のように表されます。

Cp-Cv = A×R  (A:仕事の熱等量=1、R:ガス定数)

選択肢2. エンタルピーは、物質の持つエネルギーの状態量で、その物質の内部エネルギーに、外部への体積膨張仕事量を加えたもので表される。

問題文は、全て正しいです。

 

エンタルピー H [J]は、熱力学上の単位の1つとして物質の状態量を表します。

内部エネルギーを U [J]に、外部への仕事量 P・V (P:圧力[Pa]、V:膨張体積[m3])を加えた式になります。

H = U + P×V

選択肢3. エントロピーは、不可逆変化が生じると必ず減少する。

エントロピーは、系が持っている状態量の1つで、次のように定義されます。

温度 T で熱平衡にある系が、熱平衡を保って外部から熱量 dQ を吸収したとき(外部から熱量dQを加えたとき)、

dQ/T だけ変化する量 dSと定義されます。

 

エントロピーは、物体の状態によって定まる量で、周囲が断熱された系では、何らかの理由で不可逆変化が起きると、その系のエントロピーは、必ず増大します

 

問題文の「不可逆変化が生じると必ず減少する」は誤りです。

 

なお、熱工学的ではありませんが、不可逆変化の例を挙げると、2つの部屋の片方に気体を入れて置いたときに、気体は自然に2つの部屋に拡散してしまいます。

しかし、2つの部屋に拡散した気体が、自然に1つの部屋に集まるということはありません。これが不可逆変化で、気体の無秩序さがエントロピーです。

選択肢4. カルノーサイクルは、等温膨張、断熱膨張、等温圧縮、断熱圧縮の4つの過程からなる。

問題文の通りです。

カルノーサイクルは図のようになっていて、4つの状態が繰り返されます。

 

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