1級管工事施工管理技士 過去問
令和5年度(2023年)
問71 (問題B 問27)

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問題

1級管工事施工管理技士試験 令和5年度(2023年) 問71(問題B 問27) (訂正依頼・報告はこちら)

機器の据付けに関する記述のうち、適当でないものはどれか。適当でないものは二つあるので、二つとも答えなさい。
  • 真空又は窒素加圧の状態で搬入された冷凍機は、据付け時に気密保持されていることを確認する。
  • 天井スラブの下面において、あと施工アンカーを上向きで施工する場合、接着系アンカーを使用する。
  • Vベルト駆動の送風機は、Vベルトが上側引張りとなるように設置する。
  • チリングユニットは、電動機の回転による振動が発生するため、基礎と本体の間には防振材を設置する。

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この過去問の解説 (3件)

01

機器の据付けに関する問題です。

選択肢1. 真空又は窒素加圧の状態で搬入された冷凍機は、据付け時に気密保持されていることを確認する。

冷凍機は、空気等での腐食を防止するため、真空または窒素加圧の状態として搬入され、据付け後に冷媒を充填するまで、気密保持が必要です。

したがって、冷凍機の搬入時、搬入後の据付け時に機密保持を確認します。

選択肢2. 天井スラブの下面において、あと施工アンカーを上向きで施工する場合、接着系アンカーを使用する。

あと施工アンカーを上向きで施工する場合、接着系アンカーは使用してはいけません。

 

配管を天井から吊るときに、あと施工アンカーボルトを打ち込んで、配管を吊る場合があります。

通常アンカーボルトは地上で打つことになり、アンカー用穴をドリルで開けてアンカーボルトは下向きに設置します。

天井から吊るときには、基礎にアンカーボルトを打ち込み、地上の時とは逆に、上向きにアンカーボルトを入れて設置します。

 

アンカーボルトには、金属拡張アンカー(おねじ、めねじ)と接着系アンカーがあり、接着剤が中に入っています

接着系アンカーを上向きに設置すると、アンカーボルトが逆さまに入ることになり、中に入っている接着剤が零れ落ちるため、あと施工アンカーを上向きで施工する場合、接着系アンカーは使用してはいけません

選択肢3. Vベルト駆動の送風機は、Vベルトが上側引張りとなるように設置する。

Vベルトで駆動する送風機は、Vベルトの回転方向がVベルトの上側引張りではなく、下側引張りとなるように設置し、電動機の回転方向を決めます。

選択肢4. チリングユニットは、電動機の回転による振動が発生するため、基礎と本体の間には防振材を設置する。

チリングユニットは、工場で組立・検査が完了し、一体で搬入据付をします。

据え付けは鉄筋コンクリート基礎に水平度を調整し、基礎ボルトで均等に締付け据付けます。

チリングユニットは、電動機の回転による振動が発生するために、基礎と本体の間に防振材を入れ、接続する冷水配管などは、防振継手を取付けます。

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02

機器の据付けに関する問題です。

選択肢1. 真空又は窒素加圧の状態で搬入された冷凍機は、据付け時に気密保持されていることを確認する。

 

文章の通りです。

 

据付け時に気密保持されていることを確認します。

圧力確認漏洩試験目視検査等で確認します。


 

選択肢2. 天井スラブの下面において、あと施工アンカーを上向きで施工する場合、接着系アンカーを使用する。

 

あと施工アンカーを上向きで施工の場合、

接着系アンカーは使用しないです。

上向きへの施工に使用すると

接着力が不十分で引き抜き力に耐えられない可能性があります。

 

よって設問は誤りです。


 

選択肢3. Vベルト駆動の送風機は、Vベルトが上側引張りとなるように設置する。

 

Vベルトは下側に引っ張るように設置します。

下側に引っ張ることにより、

上側がたるみが生じるので張力調整や振動抑制がしやすいです。

 

よって設問は誤りです。


 

選択肢4. チリングユニットは、電動機の回転による振動が発生するため、基礎と本体の間には防振材を設置する。

 

文章の通りです。

 

チリングユニットの基礎と本体の間に防振材を設置します。

防振材の設置には振動の低減騒音の抑制等の役割があります。


 

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03

機器の据え付けに関する問題です。

選択肢1. 真空又は窒素加圧の状態で搬入された冷凍機は、据付け時に気密保持されていることを確認する。

その通りです。

 

冷凍機は、メーカーにて気密状態とされ、その状態で試験を実施したものが搬入されます。

そのため、搬入・据付時にはしっかり気密が保持されていることが重要であり、

目視等による確認が必要です。

選択肢2. 天井スラブの下面において、あと施工アンカーを上向きで施工する場合、接着系アンカーを使用する。

誤りです。

 

接着系アンカーは、アンカーの下穴をあけた部分に接着剤を注入し、

そこにアンカーを挿入することで、接着剤が固まり、アンカー強度を保証するものです。

問題のように上向きに施工した場合、

接着剤が必要量、下穴の中に入らず、アンカーの強度が落ちてしまいます。

そのため、上向き施工では使用できません

選択肢3. Vベルト駆動の送風機は、Vベルトが上側引張りとなるように設置する。

誤りです。

 

Vベルトは下側引っ張りとなるように設置が必要です。

選択肢4. チリングユニットは、電動機の回転による振動が発生するため、基礎と本体の間には防振材を設置する。

その通りです。

 

チリングユニットに限らず、電動機やファンやポンプのような振動する機器を据え付ける際は振動が躯体に伝播しないように、基礎と本体の間に防振材を設置することが必要です。

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