2級管工事施工管理技士 過去問
令和3年度(2021年)前期
問11 (ユニットB 問11)

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問題

2級管工事施工管理技士試験 令和3年度(2021年)前期 問11(ユニットB 問11) (訂正依頼・報告はこちら)

放熱器を室内に設置する直接暖房方式に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 暖房用自然対流・放射形放熱器には、コンベクタ類とラジエータ類がある。
  • 温水暖房のウォーミングアップにかかる時間は、蒸気暖房に比べて長くなる。
  • 温水暖房の放熱面積は、蒸気暖房に比べて小さくなる。
  • 暖房用強制対流形放熱器のファンコンベクタには、ドレンパンは不要である。

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この過去問の解説 (2件)

01

直接暖房方式において該当しないものを選択する問題です。

選択肢1. 暖房用自然対流・放射形放熱器には、コンベクタ類とラジエータ類がある。

適当です。

ラジエータは、本体内部の管に温水や蒸気を通し、輻射熱と本体表面からの自然対流により部屋を暖める方式です。

コンベクタは、本体内の熱交換コイルに温水や蒸気を流し、空気との温度差で生じる自然対流によって空気を循環させる方式で、ファンは備えていません。ファンを用いて強制的に空気を送る方式は、ファンコンベクタと呼ばれ、コンベクタとは区別されます。

選択肢2. 温水暖房のウォーミングアップにかかる時間は、蒸気暖房に比べて長くなる。

適当です。

蒸気暖房温めた空気を室内に送り込むのに対し、温水暖房一度温めた温水を配管されている管に流し、輻射熱で温める方法ですので、立上りは温水暖房の方が時間がかかります。

選択肢3. 温水暖房の放熱面積は、蒸気暖房に比べて小さくなる。

適当ではありません。

放熱面積は、蒸気暖房よりも温水暖房の方が大きくなります。

選択肢4. 暖房用強制対流形放熱器のファンコンベクタには、ドレンパンは不要である。

適当です。

ファンコンベクタは、暖房用のため、結露の心配がなくドレンパンは不要です。

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02

放熱器を室内に設置する直接暖房方式に関する問題です。

選択肢1. 暖房用自然対流・放射形放熱器には、コンベクタ類とラジエータ類がある。

問題文内容通りです

 

JIS A 4004 「暖房用自然対流・放射形放熱器− 種類及び要求事項」から、放熱器の種類及び形式は下表のようになります。

種類名称内容
コンベクタ類コンベクタ

管とフィンによる熱交換部(エレメント)を、対流作用

促進のため、ケーシング内に納め、主に自然対流に

よって放熱する形式です。

ベースボード

ヒーター

管とフィンによる熱交換部と、保護用カバーで構成され、

室内壁面下部の幅木部分に沿って取り付け、放熱する

形式です。

ラジエータ類

パネル

ラジエータ

室内露出の表面板で熱交換部を形成し、自然対流と放射

によって放熱する形式です。

a)      パネル形は、一枚か複数の一体成形パネル状

エレメントで構成されます。

セクショナル

ラジエータ

節状エレメントを組み合わ一体化し、自然対流と放射

双方で、放熱する形式です。

選択肢2. 温水暖房のウォーミングアップにかかる時間は、蒸気暖房に比べて長くなる。

問題文内容通りです

 

温水の温度差は放熱器の大きさから、10~20℃で経済設計され、暖房に利用できる熱量は温水1kgに対し、41~83kJです。

対して蒸気は、1kgに対し、2256kJの熱量を要します。

以上から、温水暖房の予熱(ウォーミングアップ)には時間がかかり、一方の蒸気は装置内熱容量が小さく、ウォーミングアップが短時間で済みます。

選択肢3. 温水暖房の放熱面積は、蒸気暖房に比べて小さくなる。

温水暖房の放熱面積は、蒸気暖房に比べて大きくなる

 

各種暖房の比較から、蒸気と温水を取り上げると、次のようになります。

項目蒸気温水

放熱体

1 m2当たりの放熱量

755 [W/m2]465 [W/m2]
1W当たりの放熱面積1/755 [m2/W]1/465 [m2/W]

選択肢4. 暖房用強制対流形放熱器のファンコンベクタには、ドレンパンは不要である。

問題文内容通りです

 

ファンコンベクタは、暖房専用のファンコイルユニットで、室内に必要な空気を送り込み、室内の温度調整を行ないます。

ファンコンベクタは、コイル上方から温水が入り、コイル下方に出るようになっていて、暖房用のため温水しか使用しないため、冷房主体のファンコイルとは違い、結露の問題がなく、ドレンパンは不要です。

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