2級管工事施工管理技士 過去問
令和4年度(2022年)前期
問3 (ユニットA 問3)

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問題

2級管工事施工管理技士試験 令和4年度(2022年)前期 問3(ユニットA 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

流体に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 水は、一般的にニュートン流体として扱われる。
  • 1気圧のもとで水の密度は、4℃付近で最大となる。
  • 液体の粘性係数は、温度が高くなるにつれて減少する。
  • 大気圧の1気圧の大きさは、概ね深さ1mの水圧に相当する。

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この過去問の解説 (2件)

01

流体は、外力に応じて形状を変化させることのできる物体をいい、水や油などの液体(流動体)のほか、気体も当てはまります。また、気体は圧縮性流体、液体は非圧縮性流体とも称されるため、覚えておくといいでしょう。

選択肢1. 水は、一般的にニュートン流体として扱われる。

ニュートン流体とは、せん断応力、粘性係数、速度、壁からの距離による公式が成立する流体をいい、主に水や低分子のものが該当します。また、公式が成立しない流体もあり、それらは非ニュートン流体といい、らせん状の高分子(DNAやタンパク質など)が該当します。

選択肢2. 1気圧のもとで水の密度は、4℃付近で最大となる。

水の密度は、設問の通り4℃付近で最大となり、0℃で固体(氷)へ状態変化します。固体になると水分子の特徴的な形状(上に凸の三角形のような形状)のため、整然と並ぶと密度は小さくなってしまいますし、4℃以上の状態であると分子が運動エネルギーを持っているため、その場にとどまれず自由に動いてしまうため、密度は同様に小さくなります。4℃付近が、水が氷になる1歩手前の温度であり、分子は整然としてはいない(乱雑な状態である)ものの、運動エネルギーを持たなくなるので、密度が最も大きくなります。

選択肢3. 液体の粘性係数は、温度が高くなるにつれて減少する。

液体の粘性は、流れにくさを表す係数であり、液体同士や気体との摩擦抵抗が大きいほど粘性が高いといえます。液体の温度が高くなると、液体の分子が徐々に運動エネルギーを持ち始め(振動し自由に動き始め)、分子構造に乱れが生じます。そのため、摩擦が小さくなり、粘性も小さくなります。

選択肢4. 大気圧の1気圧の大きさは、概ね深さ1mの水圧に相当する。

適当ではありません

大気圧の1気圧の大きさは、水深が1mではなく10mの水圧に相当します

空気自体にも重さがあり、標高が低くなるほど(山から下れば下る程)空気の重さが圧力となり、気圧が発生します。また、太陽光や地形の凹凸などにより温度変化に差が生じ、更には気圧に差が生まれることで、風が吹いたり雨が降ってきたりします。

まとめ

この問題では、用語の説明のほか、数字(温度や圧力)の正しい知識が身についているかが問われました。流体は難しい言葉ですが、空気や水などの身近な物質であるため、水の性質(密度、圧力、非圧縮性流体、分子の形状など)については特に正しく理解しておくといいでしょう

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02

流体に関する問題です。

選択肢1. 水は、一般的にニュートン流体として扱われる。

問題文の内容通りです

 

流体内部の接近した2つの部分の境界面では、相互に力を及ぼし合う粘性あるいは内部摩擦が働き、粘性流体で特徴的な性質です。

 

摩擦応力をτとすると、τ=F/A(F:流体に引きずられる力、A:境界面面積)

摩擦応力は、境界面垂直方向の速度勾配に比例する関係にあり、ニュートンの法則と言い、これが働く流体をニュートン流体と言い、水や油などがその例です。

選択肢2. 1気圧のもとで水の密度は、4℃付近で最大となる。

問題文の内容通りです

 

密度は、流体の単位体積当たりの質量です。単位は [kg/m3]

水の密度は、1気圧の元では、3.98℃の時最大となり、ρ(密度)=1000 [kg/m3]です。

選択肢3. 液体の粘性係数は、温度が高くなるにつれて減少する。

問題文の内容通りです

 

流体の摩擦応力τは、τ=μ×(dv/dy) [N/m2]と表され、μを粘性係数あるいは粘度と言います。粘性係数の単位は、[Pa・s]です。

なお、dv/dy は、速度勾配です。

液体のμは、温度が高くなるにつれ減少し、圧力の増加とともに多少増加します。

 

水の粘性係数は、以下のようになります。

0℃:1.792×10-3

50℃:0.548×10-3

100℃:0.282×10-3

選択肢4. 大気圧の1気圧の大きさは、概ね深さ1mの水圧に相当する。

大気圧の1気圧の大きさは、概ね深さ10mの水圧に相当する

 

大気圧は、地球表面の空気の層の厚さ(1000 km)に相当する、空気の重さです。

大気は圧縮性があり、大気も密度は下ほど大きく、上空では非常に薄く、大気圧は高さに比例せず、大気圧の地上での大きさは、101.32 kPaです。

 

水の密度ρ=1000 [kg/m3]とすれば、1気圧は、深さ 10 mの水圧となります。

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