2級管工事施工管理技士の過去問
令和4年度(2022年)前期
2 問6
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問題
2級 管工事施工管理技術検定試験 令和4年度(2022年)前期 2 問6 (訂正依頼・報告はこちら)
吸収冷凍機に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
- 吸収冷凍機は、遠心冷凍機に比べて冷却塔の容量が大きくなる。
- 吸収冷凍機の容量制御は、蒸発器にて行う。
- 吸収冷凍機より遠心冷凍機の方が、低い温度の冷水を取り出すことができる。
- 吸収冷凍機の冷媒は水である。
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この過去問の解説 (1件)
01
冷凍機は、圧縮式と吸収式に分かれます。以下に特徴を記載します。
圧縮式冷凍機:蒸発器、圧縮器、凝縮器、減圧機構(膨張弁)からなり、蒸発器で水を蒸発させ、圧縮器で気圧を下げることで水蒸気が圧縮器へと移動します。その後圧縮器に移動した水蒸気に圧力をかけ、凝縮器で冷却水で水蒸気を冷やし、水へ変化させます。その後減圧機構で冷やされた水を減圧することで、蒸発器で再び水が蒸発する(その気化熱で冷水がさらに冷える)という仕組みとなっています。
吸収式冷凍機:凝縮(ぎょうしゅく)器、再生器、吸収器、蒸発器の4種類の装置があり、再生器で臭化リチウム液を加熱し(濃度変化を生じさせ)、凝縮器で発生した水蒸気を、吸収器で臭化リチウム液と触れさせて吸収します(臭化リチウムを冷却します)。また、再生器で加熱され生じた水蒸気は、凝縮器で冷却塔で冷やされ、水へと状態変化させます。その水が5℃で蒸発するように高い圧力がかかった状態で蒸発し、気化熱により冷たい空気を作っています。
吸収冷凍機の冷却塔は、凝縮器(再生器で生じた水蒸気を水にする場所)と吸収器(臭化リチウム液と水蒸気を接触させる場所)で排熱が行われます。それらを冷却する必要があるため、遠心冷凍機よりも容量は大きくなります。
吸収冷凍機の容量制御は、蒸発器では行いません。
容量制御は、加熱減が蒸気の場合は蒸気調節弁で行い、再生器への加熱量を調節します。他にも、温水量や溶液量を調節したり、加熱するための燃料を調節することもできます。
遠心冷凍機はエネルギーを使用して圧力変化を起こしているため、化学的な反応による吸収冷凍機よりも冷たい水を取り出すこと(冷却水を冷やすこと)が可能となります。
冷媒とは、冷凍機内を循環する物体のことです。
加熱した高濃度の臭化リチウム液は吸収器へ移動し、水蒸気(水)を吸収させます。また、再生器で加熱され発生した水蒸気は、凝縮器を経て(水となり)蒸発器で再び水蒸気となり、吸収器へ移動します(臭化リチウム液は再生器内にのみある吸収液であり、それぞれのサイクルを循環する冷媒ではありません)。
冷凍機は空気を冷やすために加熱する場合があり、矛盾すると思います。また圧力変化や化学的な反応を利用するものなどに分かれているため、それぞれの仕組みを混同させないように理解しておきましょう。
時間がない、理解が難しい場合は最低限それぞれの名称(吸収式=再生器、圧力式=膨張弁)を覚えておくとといいでしょう。
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