2級管工事施工管理技士 過去問
令和4年度(2022年)後期
問4 (ユニットA 問4)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

2級管工事施工管理技士試験 令和4年度(2022年)後期 問4(ユニットA 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

熱に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 熱容量の大きい物質は、温まりにくく冷えにくい。
  • 熱放射による熱エネルギーの伝達には、媒体が必要である。
  • 熱は、低温の物体から高温の物体へ自然に移ることはない。
  • 顕熱は、相変化を伴わない、物体の温度を変えるための熱である。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

この問題では、身近な自然現象を基にしたものが出題されています。ふときかれると答えに詰まりそうになるかもしれませんが、落ち着いて考えれば比較的簡単に問題を解くことができます。ただし、文章を最後まで読まなければならないため、ひっかけ問題の要素が強いと思います。

選択肢1. 熱容量の大きい物質は、温まりにくく冷えにくい。

熱容量の大きなものの例として、水が挙げられます。対して、鉄や銅は熱容量が小さい物質であり、木材はその間に位置しています。鉄は熱しやすく冷めやすいといいますので、温度変化するまでのエネルギーは小さくて済みますが、水は温度変化するまでのエネルギーをたくさん使用します

選択肢2. 熱放射による熱エネルギーの伝達には、媒体が必要である。

適当ではありません

熱エネルギーの伝達には、媒体は必要ありません。宇宙空間にはほとんど物質が無い状態ですが、太陽からの熱エネルギーは常に地球へと伝達されていることがその例といえます。

選択肢3. 熱は、低温の物体から高温の物体へ自然に移ることはない。

熱は、高温の物体から低温の物体へ自然に移り、それぞれが同じ温度になろうとする現象が起きます。そのため、その逆はありません。 (設問のように、低温から高温の物体へ熱が起こる現象が起きるとしたら、冷蔵庫や電子レンジなどの機械は必要なくなりますね。)

選択肢4. 顕熱は、相変化を伴わない、物体の温度を変えるための熱である。

顕熱(けんねつ)と潜熱(せんねつ)がありますが、潜熱はそのものにもぐっている、ひそんでいる熱と考えるといいかもしれません。それを覚えていれば、顕熱は潜熱の逆で他に働きかける熱と考えられます。

まとめ

この問題は、~ないという文が多く、解釈に少し時間がかかる人もいると思います。冒頭でも記載したとおり、身近にある現象ですので、落ち着いて問題を解きましょう

参考になった数86

02

熱に関する問題です。

選択肢1. 熱容量の大きい物質は、温まりにくく冷えにくい。

問題文の内容通りです

 

物体を熱するときには、物体の質量が大きければ、熱するのに必要な熱量も大きくなり、部たちの温度を1K上昇させるために必要な熱量が、熱容量 [kJ/K]です。

熱容量は、別の表現として、加熱したときの温まり難さ、物体を放置して冷ましたときの冷えにくさ、とも言います。

選択肢2. 熱放射による熱エネルギーの伝達には、媒体が必要である。

熱放射による熱エネルギーの伝達には、媒体は必要としない

 

熱放射は、物体が電磁波で熱エネルギーを放出・吸収する現象で、伝達するための媒体は必要としません

普段の熱の放射の波長は0.8~400μmで、赤外線で熱の伝達が行われます。

 

放射時の熱量は、部たちの温度と表面の性質で決まり、放射エネルギーは物体の温度の4条に比例します。

熱放射が物体の表面に入射すると、一部は反射、一部は通貨、一部は吸収され、九州によるエネルギーで物体の温度は上昇します。

選択肢3. 熱は、低温の物体から高温の物体へ自然に移ることはない。

問題文の内容通りです

 

熱力学の第2法則では、次のように経験則がまとめられます。

1) 熱は低温度の物体から高温度の物体へ自然に移ることは無い。(クラウジウスの原理)

2) 一様な温度の熱源から取った熱を、それ以外に何の変化も残さずに、全部を仕事に変えることはできない。(トムソンの原理)

 

1)の原理から、低温度の物体から熱を取って高温の物体に与え、低温度の物体の温度をさらに低くすることは、自然にはできず、冷凍機を使ってできることです。

選択肢4. 顕熱は、相変化を伴わない、物体の温度を変えるための熱である。

問題文の内容通りです

 

物体に熱を加えると、内部エネルギーとして蓄えられるとともに、物体を膨張させて外部に仕事をし、加えられた熱量の一部で物体温度を上昇させます。

この物体温度を上昇させる熱量を、顕熱、と言います

 

溶解している氷や、沸騰している熱湯には、熱を加えても温度が上昇しません。

加えられた熱量は、氷を融解に使われ、また、熱湯を水蒸気に変えるために使われません。

このように、固体から液体に、液体から気体に、相状態をを変えるために加えられ、温度変化には使用されない熱量は、潜熱、と言います。

参考になった数1