2級管工事施工管理技士 過去問
令和4年度(2022年)後期
問20 (2 問14)
問題文
排水・通気設備に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
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問題
2級管工事施工管理技士試験 令和4年度(2022年)後期 問20(2 問14) (訂正依頼・報告はこちら)
排水・通気設備に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
- トラップの封水は、誘導サイホン作用、自己サイホン作用、蒸発、毛管現象等により損失する場合がある。
- 建物内で用いられる代表的な排水通気方式には、ループ通気方式、各個通気方式、伸頂通気方式等がある。
- 各個通気管は、器具のトラップ下流側の排水管より取り出す。
- 管トラップの形式には、Sトラップ、Pトラップ、Uトラップ及びわんトラップがある。
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この過去問の解説 (2件)
01
キッチンのシンク下や洗面所、浴室の排水口などの衛生器具には、必ず封水が設けられています。通気設備は排水による封水切れを防止するために重要な役割を果たします。
封水とは、トラップにためてある水のことをいい、悪臭や害虫の室内への進入を防ぐことができます。誘導サイホン作用は他の衛生器具の排水による圧力差により生じます。自己サイホン作用は勢いよく水を流すことで、トラップにたまるはずだった封水も流れ出てしまうことです。毛管現象は封水内に細長い異物(髪の毛や糸など)があり、その異物を介して封水が伝って下流へ排水されてしまう現象です(例:バケツにかけてある雑巾など)。
違いとして、各個通気方式はそれぞれの衛生器具の排水管(排水横枝管)ごとに通気管を設置します。
ループ通気方式は、衛生器具の内最も上流に位置するものの排水管(排水横枝管)のみに通気管を設置します。
伸頂通気方式は、上記の2つとは異なり、排水立管の頂上を上に伸ばし、伸頂通気管のみで通気を行います。
トラップとは、排水管内や下流側で発生する悪臭や害虫などの進入を防止するための水がたまった部分をいいます。排水が移動するたびに、空気が引っ張られたり押し出されたりと圧力がかかりますので、通気管を設置することにより圧力差による封水切れ(トラップ内の水がなくなること)を防ぐことができます。
適当ではありません。
管トラップにわんトラップは含まれません。椀(わん)トラップとはお椀のような形をしたトラップが排水管に逆さにかぶせてあり、その周囲に水受けが設けられた構造をしています。
管トラップは、管を湾曲させてその湾曲部に水を溜める仕組みとなっています。
トラップと封水は身近にある設備ですので、最低限覚えておきましょう。また、サイホン作用=吸出し作用についてもセットで覚えておくといいと思います。
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02
排水・通気設備に関する問題です。
正
問題文の内容通りです。
トラップの水封が破れる原因には、次のような理由があります。
1) 自己サイホン作用
器具からの排水で、トラップ及びトラップ以降の排水管がサイホンを作り出し、トラップ内の封水を吸引して、トラップ機能がなくなる場合。
2) 誘導サイホン作用
排水立て管に近いところで水が瞬間的に満水状態で流れ、その付近で管内圧力が負圧になる場合です。
3) 毛管現象
トラップのあふれ縁に、布糸などが垂れ下がって、毛管作用でトラップ封水が少しずつ吸い出され、水封が破れる場合です。
4) 蒸発
器具を長い間使用しないとき、トラップの封水が徐々に蒸発して、封水が破れる場合です。
正
問題文の内容通りです。
排水と通気は密接に関係しあいます。
1) 各個通気方式
各器具の排水管から、通気管を立上げる方式で、誘導サイホンや自己サイホン作用に有効です。
2) ループ通気方式
排水横枝管の最上流にある器具の、排水管接続点の下流直後から通気管を立上げて、通気立て管などに接続するか、大気開放するかします。
3) 伸頂通気方式
器具排水管を排水立て管に接続し、排水立て管からは伸頂通気管が延長され大気開放されます。
正
問題文の内容通りです。
各個通気管の通気管採り出しは、1つの器具トラップを通気するため、トラップ下流より取り出し、器具より上方で通気系統に接続します。
誤
管トラップの形式には、Sトラップ、Pトラップ、Uトラップがある。
トラップには、サイホン式と非サイホン式があります。
サイホン式は、管トラップとも言い、トラップ自身の管を曲げた形状で造られたもので、通水路内を満水状態で流すとサイホン現象を起こし、トラップ内を排水自身の流水で洗う自浄作用があります。
Sトラップ、Pトラップ、Uトラップが該当します。
非サイホン式は、水封部の形状がドラム状かベル状になっていて、流水の下方から潜り抜けて上方へ溢れる形式のものです。
ドラムトラップ、わんトラップ(ベルトラップ)、ボトルトラップなどが有ります。
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