2級管工事施工管理技士 過去問
令和4年度(2022年)後期
問29 (4 問1)

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問題

2級管工事施工管理技士試験 令和4年度(2022年)後期 問29(4 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

公共工事の施工計画等に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 工事に使用する資機材は、石綿を含有しないものとする。
  • 仮設計画は、設計図書に特別の定めがない場合、原則として請負者の責任において定める。
  • 現場説明書と質問回答書の内容に相違がある場合は、現場説明書の内容が優先される。
  • 工事写真は、後日の目視検査が容易でない箇所のほか、設計図書で定められている箇所についても撮影しなければならない。

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この過去問の解説 (2件)

01

公共工事において、施工計画書は施工者が施工前に作成・提出する書類の最も重要なものです。

工程管理や品質管理、出来形管理はもちろん、環境に考慮した対策や交通管理(通行止めもしくは片側交互通行など)に関してもあらかじめ発注者と協議し、決定ののち作成する必要があります。

選択肢1. 工事に使用する資機材は、石綿を含有しないものとする。

石綿はアスベストとも呼ばれ、平成18年より人体に有害な物質として使用は禁止されています。(ただし、引き続き使用している資機材については除外されているため、現在でもアスベストが含まれた資機材が存在しています。)

その後、建築物の解体、改修による曝露(ばくろ)での健康被害を防止するために、令和2年に石綿則が改正されました。

選択肢2. 仮設計画は、設計図書に特別の定めがない場合、原則として請負者の責任において定める。

仮設計画については、大きく指定仮設と任意仮設に分類されます

仮設に計上されている金額が定められている額を超える場合は、指定仮設となります。特に設計図書に指定仮設の記載がない場合は、原則任意仮設(施工者の責任において自由に仮設の施工)ができますが、土地や保安林などの問題も発生しうるので、あらかじめ発注者には施工計画書を作成する前に相談をすることが重要です。

選択肢3. 現場説明書と質問回答書の内容に相違がある場合は、現場説明書の内容が優先される。

適当ではありません

現場説明書とは、共通仕様書の内容よりも現場において考慮する必要のある事項を記載した説明書です。質問回答書は、施工者が設計図書に対して質問した内容の回答が記載されています。

設計図書の中でも、質問回答書が最も新しく作成される書類であり、より現場にあった内容となっています

選択肢4. 工事写真は、後日の目視検査が容易でない箇所のほか、設計図書で定められている箇所についても撮影しなければならない。

設計図書に準じて、施工者は写真撮影をするほか、出来形を測定を行い、設計内容と合致させる必要があります。そうでなければ、完成してから内部の施工内容が不明であったり、設計図書に合わない施工をしていたことが発覚し、最初から取り壊してやり直しをする事態へと発展します。

まとめ

施工計画書において、設計図書は非常に重要な書類となりますので、現場に沿った内容なのか、施工前に問題が発生しうる箇所はないか(掘削高、架空線、土地や道路の占有、埋設物)などを洗い出し、調査をする必要があります。その際は発注者と密に連絡を取らなければなりません。

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02

公共工事の施工計画等に関する問題です。

選択肢1. 工事に使用する資機材は、石綿を含有しないものとする。

問題文の内容通りです。

 

工事計画設計では、その1つに、工事に使用する資機材管理があります。

機器や材料では、環境への配慮、機材の品質、機材の付属品、機材の搬入、機材の検査、機材の保管についての計画を立てる必要があります。

環境の配慮では、次の2点の管理計画を立てます。

1) 使用する機器及び材料は、グリーン購入法に基づき、環境負荷を低減できる機材を選定します。

2) 使用する機材は、揮発性有機化合物の放散による健康影響に配慮し、また、石綿を含有しないものを選定します。

選択肢2. 仮設計画は、設計図書に特別の定めがない場合、原則として請負者の責任において定める。

問題文の内容通りです。

 

仮設計画は施行前・施工中に必要な設備を整え、工事完成後に撤去されます。

仮設計画は設計図書では一般的には示されず、施工者が責任をもって計画します。

仮設計画には、現場事務所・作業場・作業員詰め所・資材倉庫・安全保安設備・電力・照明・火災予防・安全管理設備・騒音対策・盗難防止などがあります。

 

なお、「公共工事標準請負契約約款」第1条第3項に、次のように規定されています。

【 仮設、施工方法、他の工事目的物を完成に必要な一切の施工方法等は、約款および設計図書に特別の定めがなければ、受注者が自身の責任で定めます。 】

選択肢3. 現場説明書と質問回答書の内容に相違がある場合は、現場説明書の内容が優先される。

現場説明書と質問回答書の内容に相違がある場合は、質問回答書の内容が優先される

 

設計図書は、図面・仕様書(共通・特記)・現場説明書・質問回答書がありますが、施工計画中にこれらの図書間に相違が見つかることがあります。

一般的な優先順位は、質問回答書、現場説明書、特記仕様書、図面、共通仕様書の順になりますが、監督員と協議を行い、記録としてやり取りや結果を残しておきます。

 

なお、「公共工事標準請負契約約款」第18条に、次のように規定されています。

【 受注者は、工事施工で、次の事項に該当する事実を発見したときは、その旨を直ちに監督員に通知し、確認を請求します。

1) 図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書が一致しない場合。

ただし、これらの優先順位が定められていれば、優先順位に従います。 】

選択肢4. 工事写真は、後日の目視検査が容易でない箇所のほか、設計図書で定められている箇所についても撮影しなければならない。

問題文の内容通りです。

 

工事写真は、後日では隠ぺい部のような施工状態が確認できない場所の施工時の状況確認の証拠、施工が適切に行われたことの証明、使用材料や施工状況と出来形の確認のための証拠など、「いつ」「どこで」「誰が」が盛り込まれた状況を記録するものです。

 

「公共工事標準請負契約約款」でも、上記のようなことが定められています。(文章紹介は省略します)

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