2級管工事施工管理技士 過去問
令和6年度(2024年)後期
問18 (ユニットB 問12)

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問題

2級管工事施工管理技士試験 令和6年度(2024年)後期 問18(ユニットB 問12) (訂正依頼・報告はこちら)

給湯設備に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 潜熱回収型給湯器には、潜熱回収時の凝縮水を中和処理する装置が組み込まれている。
  • 中央給湯方式の膨張タンクは、装置内の圧力が水の膨張により異常に上昇しないように設ける。
  • 給湯管に使用される架橋ポリエチレン管の線膨張係数は、ステンレス鋼鋼管の線膨張係数に比べて小さい。
  • 給湯温度は、貯湯タンク内での湯温が60℃以上を維持できるようにする。

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この過去問の解説 (2件)

01

給湯設備に関する問題です。

選択肢1. 潜熱回収型給湯器には、潜熱回収時の凝縮水を中和処理する装置が組み込まれている。

問題文内容のとおりです

 

潜熱回収型給湯器は、燃焼排ガス中の水蒸気が凝縮して水に戻る際に、出る熱を回収して熱効率を大きく向上させた給湯器です。

熱交換器・バーナー・中和器・ファンで構成され、省エネ性・環境性・経済性に優れます。

選択肢2. 中央給湯方式の膨張タンクは、装置内の圧力が水の膨張により異常に上昇しないように設ける。

問題文内容のとおりです

 

膨張タンクおよび逃がし管は、加熱によって水が膨張し、装置内圧力を異常に上昇させないために設置します。

選択肢3. 給湯管に使用される架橋ポリエチレン管の線膨張係数は、ステンレス鋼鋼管の線膨張係数に比べて小さい。

給湯管に使用される架橋ポリエチレン管の線膨張係数は、ステンレス鋼鋼管の線膨張係数に比べて大きい

 

ステンレス鋼鋼管の線膨張係数:17.3 × 10-6/℃ です。

架橋ポリエチレン管の線膨張係数は、温度変化による長さの変化の度合いを表す数値で、20℃での代表的な値は1.4×10-4/℃、100℃では2.0×10-4/℃ です。

 

以上から、線膨張係数は、ステンレス鋼鋼管(=銅管)<ポリブテン管<架橋ポリエチレン管となります。銅管を使用する場合は、流速が速すぎると、腐蝕を起こすため、流速の上限を1.5 m/s とします。

選択肢4. 給湯温度は、貯湯タンク内での湯温が60℃以上を維持できるようにする。

問題文内容のとおりです

 

給湯温度は、飲用の可能性がある場合は、給湯中の一般細菌、レジオネラ菌などの繁殖を制御・殺菌するために、60℃以上とします。

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02

給湯機器に関する設問です。

選択肢1. 潜熱回収型給湯器には、潜熱回収時の凝縮水を中和処理する装置が組み込まれている。

正しいです。

潜熱回収型給湯器とはいわゆるエコジョーズのことです。

潜熱回収とは、水蒸気が凝縮して水に変化する際に発生する熱(潜熱)を加熱用に回収して再利用することです。

 

エコジョーズは、水を加熱する際、ガスの燃焼で発生する排気ガスの熱を加熱に再利用することで、ガス使用量を削減します。

この再利用の際、水蒸気が水に変化しますが、その水(ドレン水)は酸性のため、

中和器で処理してから排出します。

選択肢2. 中央給湯方式の膨張タンクは、装置内の圧力が水の膨張により異常に上昇しないように設ける。

正しいです。

中央給湯方式とは、主に大型建築物で、1つのボイラーでまとめてお湯を作り、各蛇口に供給するものです。

ボイラーで加熱したお湯は貯湯タンクに貯め、そこから各蛇口に給湯します。

この際、配管や機器は高熱を帯びるため、圧力が上昇し、破損する恐れがあります。

それを防止するため、貯湯タンクに逃し管を設け、その先に通気管付きの膨張タンクを設けます。

 

選択肢3. 給湯管に使用される架橋ポリエチレン管の線膨張係数は、ステンレス鋼鋼管の線膨張係数に比べて小さい。

誤りです。

線膨張係数とは、加熱時の物体の伸縮度合いを測るもので、

大きいほど加熱時に物体が伸びやすくなります。

 

架橋ポリエチレン管は樹脂製です。

鋼管よりは熱で伸びやすい=線膨張係数が大きいとなります。

選択肢4. 給湯温度は、貯湯タンク内での湯温が60℃以上を維持できるようにする。

正しいです。

感染症法で貯湯タンクの温度は60度以上にすることが定められています。

レジオネラ菌の繁殖を防ぐことが目的です。

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