2級管工事施工管理技士 過去問
令和7年度(2025年)前期
問5 (ユニットA 問5)

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問題

2級管工事施工管理技士試験 令和7年度(2025年)前期 問5(ユニットA 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

三相誘導電動機に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 全電圧始動方式は、始動時に定格電流より大きな電流が流れる。
  • 電動機の過負荷保護には、サーマルリレーと電磁接触器を用いる方法がある。
  • 3本の結線のうち2本を入れ替えると、電動機の回転方向が変わる。
  • スターデルタ始動方式は、始動時のトルクが全電圧始動方式と同じである。

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この過去問の解説 (3件)

01

三相誘導電動機に関する問題です。

選択肢1. 全電圧始動方式は、始動時に定格電流より大きな電流が流れる。

問題文の内容通りです

 

最初の問題と、最後の問題は、電動機の始動方式に関する問題のため、2つの始動方式を下表のように比較します。

始動方式全電圧直入始動スターデルタ始動
概要

電動機巻線に、全電圧を最初

から印加して始動します。

デルタ結線で運転する電動機

を、始動時のみスター結線

として、始動します。

始動電流・トルクともに直入

れの1/3 で始動します

特徴

・電動機本体の大きな加速

トルクが得られ、始動時間が

短い。

・負荷を掛けたまま始動ができ

ます。

始動電流が大きく、異常電圧

降下の可能性があります

・始動電流による電圧降下が

軽減できます。

・始動加速とトルクが小さい。

・始動から運転に切り替える

とき、機械的変動があります。

・始動電流とトルクの調性が

できません。

始動電流100%33.3%
始動トルク100%33.3%
加速性加速トルク最大。トルク増加が小さい。

選択肢2. 電動機の過負荷保護には、サーマルリレーと電磁接触器を用いる方法がある。

問題文の内容通りです

 

電動機の保護装置は、電動機の容量・特性・操作頻度・開閉寿命・短絡容量などの条件から、次の組み合わせで行います。

1) 電動機保護兼用配線用遮断器

2) 電動機保護兼用配線用遮断器と電磁接触器

3) 配線用遮断器と電磁開閉器

4) 瞬時遮断器式配線用遮断器と電磁開閉器

5) 限流ヒューズと電磁開閉器

 

電磁開閉器にはサーマルリレーが取り付けられ、過負荷保護を行います。

電磁接触器の主接点は負荷の入切する主回路で使用され、補助接点で負荷操作回路で使用されます。

選択肢3. 3本の結線のうち2本を入れ替えると、電動機の回転方向が変わる。

問題文の内容通りです

 

三相誘導電動機では、三相の線のうちいずれかの2本を入れ替えると、回転磁界の向きが逆になるため、伝送器の回転も逆に回転します。

選択肢4. スターデルタ始動方式は、始動時のトルクが全電圧始動方式と同じである。

スターデルタ始動方式は、始動時のトルクが全電圧始動方式の 1/3 である

 

最初の問題の解説表参照。

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02

三相誘導電動機についての問題で、適切でないものを解答します。

選択肢1. 全電圧始動方式は、始動時に定格電流より大きな電流が流れる。

正しいです。

最初から定格電圧を印加して始動する方法です。

始動時には大きな電流が流れます。

最も簡単な方法で小容量機に使われます。

選択肢2. 電動機の過負荷保護には、サーマルリレーと電磁接触器を用いる方法がある。

正しいです。

電動機を過負荷で運転すると過電流により温度が上昇し、焼損や絶縁劣化が発生します。

これを防ぐものの一つが電磁開閉器です。

電磁開閉器による過負荷保護では、サーマルリレーで過電流を検出し電磁接触器で電動機への電流を遮断します。

選択肢3. 3本の結線のうち2本を入れ替えると、電動機の回転方向が変わる。

正しいです。

選択肢のとおりです。

2本を入れ替えると回転磁界の向きが逆になり、それにより電動機の回転方向が変わります。

選択肢4. スターデルタ始動方式は、始動時のトルクが全電圧始動方式と同じである。

誤りです。

最も簡単な方法である全電圧始動方式で大容量機を始動すると、始動電流が大きくなることによって電圧降下が発生し、悪影響を及ぼすことがあります。

それを防ぐため、大容量機では始動装置を用いた方法が採用されています。

その一つが選択肢のスターデルタ始動法式です。始動時にはY結線(スター結線)とし、定格速度付近まで加速した後にΔ結線(デルタ結線)に切り替えます。

始動電流は抑えることができますが、始動時のトルクは全電圧始動方式の1/3となります。

まとめ

機器の保護は設計や管理において重要であるため、出題されやすいです。

始動方法も含め保護に関する用語は押さえておきましょう。

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03

電気に関する設問です。

三相誘導電動機とは、三相モーター(電線を3本つなぐモーター)のことです。業務用換気扇などで用いられます。

 

選択肢1. 全電圧始動方式は、始動時に定格電流より大きな電流が流れる。

正しいです。

全電圧始動方式とは、電源を入れた際、直接定格電圧をかける方式です。

始動時に定格電流より大きな電流(5~7倍)が流れることが特徴ですが、

そのために、適応範囲が7.5kW以下のモーターに限られます。

選択肢2. 電動機の過負荷保護には、サーマルリレーと電磁接触器を用いる方法がある。

正しいです。

サーマルリレーとは、過電流などによるモーター温度上昇を検出する装置

電磁接触器(マグネットスイッチ/マグネット)とは、サーマルリレーなどによる異常検知を受けて電磁石を用いて回路を遮断する装置

です。

実務では、2つを一体化した電磁開閉器を用いることが多いです。

選択肢3. 3本の結線のうち2本を入れ替えると、電動機の回転方向が変わる。

正しいです。

ざっくりと説明すると、

三相では、電気の波が1/3ずつずれています。順番にR相・S相・T相(まとめて三相)といいます。

主にR相とT相の結線を入れ替えることで、磁界が反転し、モーターの回転が逆になります。

選択肢4. スターデルタ始動方式は、始動時のトルクが全電圧始動方式と同じである。

誤りです。

スターデルタ始動方式とは、スター結線とデルタ結線の2つを用意し、

始動時はスター結線を用いることで、消費電力を抑えます。

始動完了後はデルタ結線を用いて連続回転させます。

 

他肢で説明した通り、全電圧始動方式は消費電力が大きくなる構造の一方、

スターデルタ始動方式は消費電力を抑制する構造のため、誤りとなります。

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