2級管工事施工管理技士 過去問
令和7年度(2025年)前期
問9 (ユニットB 問3)

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問題

2級管工事施工管理技士試験 令和7年度(2025年)前期 問9(ユニットB 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

熱負荷に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 構造体の熱通過率の値が小さいほど、構造体負荷(通過熱負荷)は小さくなる。
  • ガラス面からの熱負荷は、ガラス面を透過した日射による負荷のみである。
  • 外気による熱負荷は、顕熱と潜熱である。
  • 人体からの熱負荷は、顕熱と潜熱である。

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この過去問の解説 (3件)

01

熱負荷に関する問題です。

選択肢1. 構造体の熱通過率の値が小さいほど、構造体負荷(通過熱負荷)は小さくなる。

問題文の内容通りです

 

構造体を内壁とした場合、内壁前後の温度差をΔtとし、内壁面積をAとすれば、内壁の熱負荷Qは、次のように計算できます。

Q=A×K×Δt

ここでのKが、内壁の熱通過率です。

なお、内壁は、伝導だけでなく放射や伝達があり、それらを総合して、熱通過率を用います。

選択肢2. ガラス面からの熱負荷は、ガラス面を透過した日射による負荷のみである。

(ガラス面からの熱負荷は、ガラス面を透過した日射による負荷のみではない。)

ガラス面からの熱負荷は、ガラス面を透過した日射による負荷だけでなく、ガラス体に吸収された熱が室内へ滞留して熱負荷となる

 

ガラス面入射した日射は、次のような負荷作用を起こします。

1) 反射

熱負荷とはなりません。

2) 吸収

吸収された熱エネルギーは、ガラス体の温度を上げ、ガラス体から室内に、対流などで熱負荷として、室内への熱負荷となります。

3) 透過

ガラス内を透過した日射熱は、そのまま室内の熱負荷となります。

選択肢3. 外気による熱負荷は、顕熱と潜熱である。

問題文の内容通りです

 

外気による熱負荷q0は、次式で計算されます。

q0=q1+q2

q1=ρ・Cp・(V/3.6)・(to-ti)  V:外気量、Cp:空気の低圧比熱、ρ:空気密度

q1は顕熱です。

q2=ρ・1000・r・(V/3.6)・(xo-xi)  r:水の蒸発潜熱、xo-xi:絶対湿度差

q2は潜熱です。

選択肢4. 人体からの熱負荷は、顕熱と潜熱である。

問題文の内容通りです

 

人体からの熱負荷は、体表面や肺臓からの対流と放射と水分蒸発で、顕熱と潜熱があり、人種・性別・年令・運動程度・室内熱環境などで異なります。

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02

熱負荷に関する設問です。

熱負荷とは冷房において、冷やさなければいけない熱のことと考えてください。

選択肢1. 構造体の熱通過率の値が小さいほど、構造体負荷(通過熱負荷)は小さくなる。

正しいです。

これは、壁や天井(構造体)の材質が熱を通しにくい(熱通過率が小さい)ほど、室内が暑くなりにくい(通過熱負荷は小さい)という意味です。

選択肢2. ガラス面からの熱負荷は、ガラス面を透過した日射による負荷のみである。

誤りです。

ガラスを通して生じる熱負荷は日射の他、外気(通過熱)からも生じます。

外気の熱もガラスを通して部屋に入ります。

選択肢3. 外気による熱負荷は、顕熱と潜熱である。

正しいです。

顕熱は温度変化、潜熱は湿度変化による熱です。

外気は微量の水分を有しているので、潜熱も生じます。

 

一方、水分を有しないもの(直射日光など)は潜熱が発生しません。

選択肢4. 人体からの熱負荷は、顕熱と潜熱である。

正しいです。

人体は発熱が顕熱、発汗が潜熱となります。

人体は水分を有しているので、潜熱も生じます。

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03

空調設計では負荷計算が不可欠となっています。

熱負荷とは所定の温度湿度を保つのに必要な熱量のことをいい、冷房負荷と暖房負荷があり顕熱と潜熱を分けて計算します。

顕熱は室温を変化させる熱負荷で、潜熱は室内の湿度を変化させる熱負荷です。

選択肢1. 構造体の熱通過率の値が小さいほど、構造体負荷(通過熱負荷)は小さくなる。

正しいです。

構造体(壁等)を熱が通過する率が低ければ、熱負荷は小さくなります。

選択肢2. ガラス面からの熱負荷は、ガラス面を透過した日射による負荷のみである。

誤りです。よって、この選択肢が正解です。

ガラス面からの熱負荷は日射以外に、ガラス面を通過する熱もあります。

なお、ガラス面の日射は冷房の計算時のみに使用し、暖房の計算時には使用しません。

選択肢3. 外気による熱負荷は、顕熱と潜熱である。

正しいです。

外気は室温も湿度も変化させます。

選択肢4. 人体からの熱負荷は、顕熱と潜熱である。

正しいです。

人体は室温も湿度も変化させます。

まとめ

室温を変化させる要素はたくさんありますが湿度を変化する要素は少なく、この試験に出題される潜熱として主なものは外気と人体となっています。

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