2級管工事施工管理技士 過去問
令和7年度(2025年)前期
問30 (ユニットD 問2)

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問題

2級管工事施工管理技士試験 令和7年度(2025年)前期 問30(ユニットD 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

下図に示すネットワーク工程表に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
ただし、図中のイベント間のA〜Hは作業内容、日数は作業日数を表す。
問題文の画像
  • クリティカルパスは3本で、所要日数は15日である。
  • 作業Hの所要日数を1日短縮できると、全体の所要日数も1日短縮することができる。
  • 作業A、Bは作業Dが開始される前に終了していなければならない。
  • ②―③間や④―⑤間のような作業の相互関係だけを示す点線矢印をダミーという。

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この過去問の解説 (3件)

01

ネットワーク工程表に関する問題です。

選択肢1. クリティカルパスは3本で、所要日数は15日である。

問題文の内容通りです

 

クリティカルパスの候補は、次の3つです。

1) ➀→③→④→⑦    単純に14日

2) ➀→③→⑤→⑥→⑦  単純に13日

3) ➀→②→⑥→⑦    単純に15日

 

1) 検証

③→④(3日)に行くためには、➀→②(4日)が終えないと次に進めないため、➀→③→④は8日です。④→⑦が7日なので、1)のケースは、15日です。

2) 検証

⑤から次に行くには④まで終えている必要がります。③→⑤(3日)に対し、③→④(4日)なので、➀→③→⑤は、8日要します。

しかし、⑥から次の行程に行くには➀→②→⑥(10日)掛かるため、いずれにしろ、➀→⑥は10日掛かり、2)のケースは15日です。

3) 検証

➀→②→⑥は、10日ですが、⑤→⑥が終わっていないと⑥次の行程に進めないため、➀→⑥の日数もまた、10日です。したがって、3)のケースは15日です。

 

以上から、クリティカルパスは、3ルート有って、いずれも15日になります。

選択肢2. 作業Hの所要日数を1日短縮できると、全体の所要日数も1日短縮することができる。

作業Hの所要日数を1日短縮できても、全体の所要日数を1日短縮することはできない

 

Hの日数が1日短縮することで、前の問題解説の2)ケースと、3)ケースは、⑥→⑦の作業Hを行うため、1日短縮できて、14日になります。

しかし、1)のケースでは、Hの作業には関りが無いため、所要日数は変わらず、15日です。

 

したがって、図の行程では、Hが1日短縮されても、全体工数は(クリティカルパス)は、変わらず、15日です。

選択肢3. 作業A、Bは作業Dが開始される前に終了していなければならない。

問題文の内容通りです

 

③から次の行程(D)に行くためには、➀→③(作業A)が完了していることと、②までの行程(作業B)が終えている必要があります。

選択肢4. ②―③間や④―⑤間のような作業の相互関係だけを示す点線矢印をダミーという。

問題文の内容通りです

 

ダミーは、アロー形ネットワークで、正しく表現できない作業の相互関係を図示するために用いられる矢印で、時間の要素は含みません。

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02

ネットワーク工程表に関する設問です。

毎回必ず1問出題されます。読み方を覚えるだけで1問取れますので、必ず読み方を理解しましょう。

 

読み方は2点がポイントです。

 

クリティカルパス

最長所要日数となるルートです。

このルート上で遅れが出ると、工期全体が遅れることになりますので、比較的重要度が高いです。

1つの場合、2つ以上の場合の両方があります。

 

ダミー(点線)

日数とは関係ないが、工事の前後関係だけを示している点です。並行する作業の管径で、先に終わる工事は待機日が発生します。

設問では、

②→③

・③から先へ進むためには、②まで到達していなければならない。

・工程Aは3日で終わるが、工程Bが終わるまで1日待機が生じる。

④→⑤

・⑤から先へ進むためには、④まで到達していなければならない。

・工程Dは3日で終わるが、工程Eが終わるまで1日待機が生じる。

となります。

 

選択肢1. クリティカルパスは3本で、所要日数は15日である。

正しいです。

まずありうる経路は3つあります。

経路1:①→③→④→⑦

経路2:①→③→⑤→⑥→⑦

経路3:①→②→⑥→⑦

 

点線に注意しながら経路ごと、各工程の日数と待機日を足し合わせると、以下の通りになります。

経路1:①→A・3日+待機1日→③→E・4日→④→F・7日→⑦ 計15日

経路2:①→A・3日+待機1日→③→D・3日+待機1日→⑤→G・2日→⑥→H・5日→⑦ 計15日

経路3:①→B・4日→②→C・6日→⑥→H・5日→⑦ 計15日

 

したがってクリティカルパスは3本すべてで、15日となります。

選択肢2. 作業Hの所要日数を1日短縮できると、全体の所要日数も1日短縮することができる。

誤りです。

別肢にの解説にある3つの経路を参照してください。

Hを4日で終えたとしても、作業Hと関係がない経路1が短縮されないので、

全体の所要日数は15日のままです。

 

なお、本問では作業Bを1日短縮すると、全体工期14日で工事を終えることができます。

選択肢3. 作業A、Bは作業Dが開始される前に終了していなければならない。

正しいです。

点線②→③より、③の時点でAの他、Bも終了していることとなるので、

作業Dの開始は作業A・Bの両方の終了が条件となります。

選択肢4. ②―③間や④―⑤間のような作業の相互関係だけを示す点線矢印をダミーという。

正しいです。

解説を参照してください。

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03

クリティカルパスが影響する問題であるため、先にクリティカルパスを求めておきます。

この問題でのクリティカルパス候補は、

(1)➀→③→④→⑦

(2)➀→③→⑤→⑥→⑦

(3)➀→②→⑥→⑦

となります。

(1)

③からの作業開始は、①→②の影響で③への到達から1日遅くなります。①→③を4日に置き換えます。

③→④と④→⑦には他の作業からの影響はありません。

よって、4+4+7=15 このルートは15日になります。

(2)

③からの作業開始は、①→②の影響で③への到達から1日遅くなります。①→③を4日に置き換えます。

⑤からの作業開始は、③→④の影響で⑤への到達から1日遅くなります。③→⑤を4日に置き換えます。

よって、4+4+2+5=15 このルートは15日になります。

(3)

このルートは他のルートの影響を受けません。

よって、4+6+5=15 このルートは15日になります。

 

以上により、今回の問題のネットワーク工程表のクリティカルパスは3本、所要日数は15日です。

 

これを踏まえて問題を見ていきましょう。

選択肢1. クリティカルパスは3本で、所要日数は15日である。

正しいです。

冒頭の説明のとおりです。

選択肢2. 作業Hの所要日数を1日短縮できると、全体の所要日数も1日短縮することができる。

誤りです。よってこの選択肢が正解になります。

一見すると(2)に影響するクリティカルパス上の短縮です。

しかし、今回はクリティカルパスが3本あるので短縮する場合は全てのクリティカルパスの所要日数を短縮する必要があります。

作業Hは(1)と(3)に影響しないため、この2本の所要日数には変更がありません。

そのため、作業Hの短縮のみでは全体の所要日数は変わりません。

選択肢3. 作業A、Bは作業Dが開始される前に終了していなければならない。

正しいです。

問題文のとおり、作業Dの開始(③からの作業開始)の条件は作業Aの完了と①→②の完了(作業Bの完了)です。

選択肢4. ②―③間や④―⑤間のような作業の相互関係だけを示す点線矢印をダミーという。

正しいです。

ダミーと呼ばれる点線は作業の関係と順序を表すために用いられます。

ダミーの所要日数は0として計算します。

まとめ

ネットワーク工程表は頻出問題です。

よく確認してください。

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