貸金業務取扱主任者 過去問
平成28年度(2016年)
問12 (法及び関係法令に関すること 問12)

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問題

貸金業務取扱主任者資格試験 平成28年度(2016年) 問12(法及び関係法令に関すること 問12) (訂正依頼・報告はこちら)

貸金業者向けの総合的な監督指針において、監督当局が、取立行為に関する貸金業者の監督に当たって留意する必要があるとされている事項に関する次の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選びなさい。
  • 貸金業法第21条(取立て行為の規制)第1項第1号は、正当な理由なく、社会通念に照らし不適当な時間帯に債務者等への電話や居宅の訪問等を禁止しており、この正当な理由には、「債務者等と連絡をとるための合理的方法が他にない場合」は該当しないが、「債務者等の自発的な承諾がある場合」は該当する。
  • 貸金業法第21条第1項第5号は、債務者等に心理的圧迫を加えることにより弁済を強要することを禁止する趣旨であり、債務者等から家族に知られないように要請を受けていない場合に、債務者等の自宅に電話をかけ家族がこれを受けたときに貸金業者であることを名乗り、郵送物の送付に当たり差出人として貸金業者であることを示すことは、直ちに同号に該当する。
  • 内部管理部門においては、交渉経過の記録等の確認や担当者からのヒアリングの実施等に加え、必要に応じ、例えば、録音テープの確認や資金需要者等と直接面談等を行うことにより、取立て・督促の実態を把握し、検証を行うことができる態勢が整備されているか。
  • 貸金業者以外の者が貸付けた債権について、貸金業者が、保証契約に基づき求償権を有する場合(保証履行により求償権を取得した場合を含む。)、その取立てに当たっては、貸金業法第21条は適用されないため、求償権専用の取立ての記録を設ける等、求償権の業務を適切に遂行する態勢が整備されているか。

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この過去問の解説 (2件)

01

貸金業者が債務の取立てを行う際には、貸金業法第21条(取立て行為の規制)に従い、適切な方法で行うことが求められます。

監督指針では、貸金業者がこの規制を遵守しているかどうか、監督当局が特に留意すべき事項について示しています。

選択肢1. 貸金業法第21条(取立て行為の規制)第1項第1号は、正当な理由なく、社会通念に照らし不適当な時間帯に債務者等への電話や居宅の訪問等を禁止しており、この正当な理由には、「債務者等と連絡をとるための合理的方法が他にない場合」は該当しないが、「債務者等の自発的な承諾がある場合」は該当する。

誤りです。
貸金業法第21条第1項第1号では、「正当な理由なく、社会通念上不適当と認められる時間帯に電話や訪問をすること」を禁止しています。
「債務者等の自発的な承諾がある場合」は、規制の例外として認められることがありますが、監督指針では「債務者等と連絡をとるための合理的方法が他にない場合」も一定の条件下では「正当な理由」として認められる可能性があるとされています。

 

選択肢2. 貸金業法第21条第1項第5号は、債務者等に心理的圧迫を加えることにより弁済を強要することを禁止する趣旨であり、債務者等から家族に知られないように要請を受けていない場合に、債務者等の自宅に電話をかけ家族がこれを受けたときに貸金業者であることを名乗り、郵送物の送付に当たり差出人として貸金業者であることを示すことは、直ちに同号に該当する。

誤りです。
監督指針では、貸金業者が家族に対して債務の存在を知らせることが、直ちに貸金業法第21条第1項第5号の「心理的圧迫による弁済の強要」に該当するとはされていません。
ただし、債務者が家族に知られないように要請している場合に、それを無視して家族に対して取立て行為を行うことは、違法となる可能性があるとされています。
この選択肢の記述は、家族が電話を受けただけで直ちに違法と断定しており、正しくありません。

選択肢3. 内部管理部門においては、交渉経過の記録等の確認や担当者からのヒアリングの実施等に加え、必要に応じ、例えば、録音テープの確認や資金需要者等と直接面談等を行うことにより、取立て・督促の実態を把握し、検証を行うことができる態勢が整備されているか。

正しいです。
監督指針では、貸金業者の内部管理部門が適切に取立て業務を監督することが求められています。
特に、交渉記録の確認、ヒアリング、録音テープのチェック、直接の面談などを通じて、取立て・督促の適正性を検証することが重要視されています。
 

選択肢4. 貸金業者以外の者が貸付けた債権について、貸金業者が、保証契約に基づき求償権を有する場合(保証履行により求償権を取得した場合を含む。)、その取立てに当たっては、貸金業法第21条は適用されないため、求償権専用の取立ての記録を設ける等、求償権の業務を適切に遂行する態勢が整備されているか。

誤りです。
監督指針では、貸金業者が保証契約に基づく求償権を行使する場合にも、貸金業法第21条(取立て行為の規制)が適用されることが明記されています。
したがって、「貸金業法第21条は適用されない」とする記述は誤りです。

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02

取立行為に関する貸金業者の監督に当たって留意する必要があるとされている事項について、基本的事項を理解しましょう。

選択肢1. 貸金業法第21条(取立て行為の規制)第1項第1号は、正当な理由なく、社会通念に照らし不適当な時間帯に債務者等への電話や居宅の訪問等を禁止しており、この正当な理由には、「債務者等と連絡をとるための合理的方法が他にない場合」は該当しないが、「債務者等の自発的な承諾がある場合」は該当する。

適切ではありません。

 

「債務者等と連絡をとるための合理的方法が他にない場合」というのは、正当な理由に該当します(監督指針Ⅱ-2-19(2)①)

選択肢2. 貸金業法第21条第1項第5号は、債務者等に心理的圧迫を加えることにより弁済を強要することを禁止する趣旨であり、債務者等から家族に知られないように要請を受けていない場合に、債務者等の自宅に電話をかけ家族がこれを受けたときに貸金業者であることを名乗り、郵送物の送付に当たり差出人として貸金業者であることを示すことは、直ちに同号に該当する。

適切ではありません。

 

債務者等から家族に知られないように要請を受けていない場合において、債務者等の自宅に電話をかけ家族がこれを受けたときに貸金業者であることを名乗り、郵送物の送付に当たり差出人として貸金業者であることを示すことは、直ちに同号に該当しないものとされています。(監督指針Ⅱ-2-19(2)⑤)。

選択肢3. 内部管理部門においては、交渉経過の記録等の確認や担当者からのヒアリングの実施等に加え、必要に応じ、例えば、録音テープの確認や資金需要者等と直接面談等を行うことにより、取立て・督促の実態を把握し、検証を行うことができる態勢が整備されているか。

適切です。

 

貸金業法では、貸金業者が債務者に対して適切な取立て・督促を行うことが義務付けられています。そのため、内部管理部門においては、記録の整備や資金需要者との直接面談体制が整備されていることが望ましいとされています。(監督指針Ⅱ-2-19(1)②)。

選択肢4. 貸金業者以外の者が貸付けた債権について、貸金業者が、保証契約に基づき求償権を有する場合(保証履行により求償権を取得した場合を含む。)、その取立てに当たっては、貸金業法第21条は適用されないため、求償権専用の取立ての記録を設ける等、求償権の業務を適切に遂行する態勢が整備されているか。

適切ではありません。

 

貸金業者以外の者が貸付けた債権について、貸金業者が、保証契約に基づき求償権を有する場合(保証履行により求償権を取得した場合を含む。)、その取立てに当たっては、貸金業法第21条が適用される可能性があります。(Ⅱ-2-19(2)⑧)。

まとめ

貸金業法第21条は、債務者に過度な心理的圧迫を与えるような取立て行為を禁止しています。監督当局は、貸金業者がこの規定を遵守しているかを確認するために、①取立てに関する記録の保存、②担当者へのヒアリング、③必要に応じた録音テープの確認や顧客との面談など、様々な方法で監督を行っています。

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