貸金業務取扱主任者の過去問
平成29年度（2017年）
法及び関係法令に関すること問2

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問題

貸金業務取扱主任者資格試験　平成29年度（2017年）法及び関係法令に関すること　問2 （訂正依頼・報告はこちら）

株式会社であるA社が貸金業の登録の申請をした。次の記述のうち、貸金業法第6条（登録の拒否）第1項各号のいずれかに該当し、登録を拒否される場合を1つだけ選びなさい。

A社の取締役の中に、被補助人がいる場合
A社の政令で定める使用人の中に、道路交通法の規定に違反し、罰金の刑に処せられた日から5年を経過しない者がいる場合
A社の政令で定める使用人の中に、貸金業法第24条の6の4（監督上の処分）第1項の規定により貸金業の登録を取り消されたB株式会社の取締役を当該取消しの日の20日前の日に退任した者であって、当該取消しの日から5年を経過しないものがいる場合
A社の常務に従事する取締役が3名であり、そのうち1名のみC銀行において貸付けの業務に3年以上従事した経験を有する者がいる場合

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登録拒否事由について、具体的事例をもとに学習しましょう。

選択肢1. A社の取締役の中に、被補助人がいる場合

適切ではありません。

被補助人というだけでは、貸金業法上の登録拒否事由には該当しません。貸金業の登録申請者について、精神的な問題により、貸金業を適正に行う能力が疑わしい場合に、登録を拒否できます（貸金業法施行規則5条の2）。

選択肢2. A社の政令で定める使用人の中に、道路交通法の規定に違反し、罰金の刑に処せられた日から5年を経過しない者がいる場合

適切ではありません。

貸金業法上の登録拒否事由に該当する行為は、より重大な犯罪や、貸金業の適正な運営に支障をきたす恐れのある行為が対象となります。道路交通法違反は、原則として登録拒否事由には該当しません。

選択肢3. A社の政令で定める使用人の中に、貸金業法第24条の6の4（監督上の処分）第1項の規定により貸金業の登録を取り消されたB株式会社の取締役を当該取消しの日の20日前の日に退任した者であって、当該取消しの日から5年を経過しないものがいる場合

適切です。

登録を取り消された後、その取消しの日から5年を経過しないものがいる場合、登録拒否事由に該当します（貸金業法6条1項3号）。

選択肢4. A社の常務に従事する取締役が3名であり、そのうち1名のみC銀行において貸付けの業務に3年以上従事した経験を有する者がいる場合

適切ではありません。

常務取締役のうち、貸付けの業務に3年以上従事した経験を有する者がいる場合は、登録拒否事由には該当しません。

まとめ

登録拒否事由の目的としては、

①消費者保護（過去に問題を起こした者や、反社会的勢力に関係する者に貸金業を許可してしまうと、消費者である借入人が不当な取り立てを受けたり、トラブルに巻き込まれる可能性が高まるため）

②貸金業の健全性（貸金業は、社会の信用に基づいて成り立っているビジネスです。そのため、信頼できる者にのみ貸金業を許可することで、貸金業全体の健全性を保つことが目的です。）

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