貸金業務取扱主任者の過去問
平成29年度(2017年)
貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問29

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問題

貸金業務取扱主任者資格試験 平成29年度(2017年) 貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問29 (訂正依頼・報告はこちら)

Aは、Bから何らの代理権も付与されていないのに、Cとの間で、Bの代理人として、B所有の不動産をCに売却する旨の売買契約(以下、本問において「本件契約」という。)を締結した。Cは、本件契約の締結時において、AがBから何らの代理権も付与されていないことを知っていた。この場合に関する次の記述のうち、民法上、その内容が適切なものを1つだけ選びなさい。
  • Cは、Bに対し、相当の期間を定めて、当該期間内に本件契約に係る追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。Cが当該催告をした場合において、Bが当該期間内に確答をしないときは、Bは追認を拒絶したものとみなされる。
  • 本件契約は、Bが本件契約に係る追認を拒絶するまでは、Bに対してその効力を生じる。
  • Cは、Bが本件契約に係る追認をしない間は、本件契約を取り消すことができる。
  • Aは、Bの本件契約に係る追認を得たときであっても、Cに対して、無権代理人として本件契約の履行又は損害賠償の責任を負う。

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この過去問の解説 (1件)

01

無権代理について、基本的事項を理解しましょう。

選択肢1. Cは、Bに対し、相当の期間を定めて、当該期間内に本件契約に係る追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。Cが当該催告をした場合において、Bが当該期間内に確答をしないときは、Bは追認を拒絶したものとみなされる。

適切です。

 

無権代理の場合、相手方は本人に対して、相当の期間を定めて、その期間内に追認するかどうかを確答するよう催告することができます。この場合、本人がその期間内に確答しないときは、その行為を追認を拒絶したものとみなされます(民法114条)。

選択肢2. 本件契約は、Bが本件契約に係る追認を拒絶するまでは、Bに対してその効力を生じる。

適切ではありません。

 

無権代理人が他人の代理人として契約をした場合、その契約は、本人が追認をしない限り本人に対して効力を生じません。したがって、追認も拒絶もしない場合、その契約は本人に対して効力を持ちません。(民法113条1項)。

選択肢3. Cは、Bが本件契約に係る追認をしない間は、本件契約を取り消すことができる。

適切ではありません。

 

代理権を有しない者が行った契約は、本人が追認しない限り、相手方が取り消すことができます。しかし、契約時に相手方が代理権を有していないことを知っていた場合、その相手方は契約を取り消すことができません(民法115条)。

選択肢4. Aは、Bの本件契約に係る追認を得たときであっても、Cに対して、無権代理人として本件契約の履行又は損害賠償の責任を負う。

適切ではありません。

 

無権代理人が本人の追認を得られなかった場合、相手方の選択により無権代理人は履行または損害賠償の責任を負うことになります。しかし、無権代理人が本人から追認を得た場合、その責任を負うことはありません。さらに、無権代理人が代理権を有しないことを相手方が知っていた場合も、無権代理人はその責任を負わないとされています。

まとめ

無権代理のケースでは、契約の有効性は本人の追認によって決まります。相手方は、本人に追認を求める権利(催告権)を持ち、本人が追認しない場合は、契約は有効になりません。

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