貸金業務取扱主任者の過去問
平成29年度(2017年)
貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問37

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問題

貸金業務取扱主任者資格試験 平成29年度(2017年) 貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問37 (訂正依頼・報告はこちら)

無効及び取消しに関する次の記述のうち、民法上、その内容が適切でないものを1つだけ選びなさい。
  • 無効な行為は、当事者がその行為の無効であることを知って追認をしたときは、初めから有効であったものとみなされる。
  • 行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者又はその代理人、承継人もしくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。
  • 取り消された行為は、初めから無効であったものとみなされる。
  • 成年被後見人は、行為能力者となった後にその行為を了知したときは、その了知をした後でなければ、追認をすることができない。

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この過去問の解説 (1件)

01

無効及び取消しについて、その違いと特徴を理解しましょう。

選択肢1. 無効な行為は、当事者がその行為の無効であることを知って追認をしたときは、初めから有効であったものとみなされる。

適切ではありません。

 

無効な行為について、当事者がその行為が無効であることを知りながら追認を行った場合、その行為は新たな行為をしたものとみなされます。つまり、追認後の行為は新たに効力を持つことになりますが、初めから有効であったとみなされるわけではありません。追認がなければ、無効な行為として扱われ続けます(民法119条)。

選択肢2. 行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者又はその代理人、承継人もしくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。

適切です。

 

行為能力の制限を理由に取り消しを行うことができるのは、制限行為能力者(またはその法定代理人)、代理人、承継人、もしくは同意をすることができる者のみです(民法120条1項)。

選択肢3. 取り消された行為は、初めから無効であったものとみなされる。

適切です。

 

取り消された行為は、初めから無効であったものとみなされます。

選択肢4. 成年被後見人は、行為能力者となった後にその行為を了知したときは、その了知をした後でなければ、追認をすることができない。

適切です。

 

これは、成年被後見人が、行為能力を回復した後に、自分の行った行為について冷静に判断し、責任をもって追認するか否かを決定できるようにするためです(民法124条)。

まとめ

無効と取消しは、法律行為の効果が認められないという点で共通していますが、その性質や取り消しできる主体などが異なります。特に、無効な行為は、いかなる場合においても追認によって有効になることはありません。

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