貸金業務取扱主任者 過去問
令和2年度(2020年)
問9 (法及び関係法令に関すること 問9)

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問題

貸金業務取扱主任者試験 令和2年度(2020年) 問9(法及び関係法令に関すること 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

株式会社である貸金業者Aは、個人顧客Bとの間で極度額を30万円とする極度方式基本契約(以下、本問において「本件基本契約」という。)を締結した。Aは、Bとの間で本件基本契約以外の貸付けに係る契約を締結していない。この場合において、Aが行う貸金業法第13条に規定する返済能力調査に関する次のa〜dの記述のうち、その内容が適切なものの個数を1つだけ選びなさい。なお、本件基本契約は、貸金業法施行規則第1条の2の3(個人信用情報の対象とならない契約)第2号から第5号までに掲げる契約ではないものとする。

a  Aは、Bに返済能力の低下が認められたことを理由に極度額を一時的に10万円に減額した後、Bとの間の合意に基づき、極度額を、当該極度方式基本契約を締結した当初の30万円に戻そうとする場合、Bの返済能力の調査を行う必要はない。
b  Aは、Bに対し本件基本契約に基づく極度方式貸付けの元本の残高の上限として極度額を下回る額を提示している場合において、当該下回る額を極度額まで増額するときは、Bの返済能力の調査を行うに際し、指定信用情報機関が保有する信用情報を使用しなければならない。
c  Aは、Bとの間の合意に基づき、本件基本契約における極度額を50万円に増額しようとする場合において、指定信用情報機関から提供を受けた信用情報により判明したBに対するA以外の貸金業者の貸付けの残高の合計額はO円であった。この場合、Aは、Bから源泉徴収票その他の当該顧客の収入又は収益その他の資力を明らかにする事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録として内閣府令で定めるものの提出又は提供を受けなければならない。
d  Aは、本件基本契約の極度額を増額した時に作成した返済能力の調査に関する記録を、本件基本契約の解除の日又は本件基本契約に基づくすべての極度方式貸付けに係る契約に定められた最終の返済期日のうち最後のもの(これらの契約に基づく債権のすべてが弁済その他の事由により消滅したときは、その消滅した日)のうちいずれか早い日までの間保存しなければならない。
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この過去問の解説 (2件)

01

正答:1

「貸金業法」の「返済能力の調査」に関する問題です。

a:×

【Bの返済能力の調査を行う必要はない。】の部分が誤りです。

極度額を増額する場合にも返済能力の調査が義務づけられています

当該契約の相手方と連絡することができないことにより極度額を一時的に減額していた場合は、連絡することができたことによる増額時の返済能力の調査は免除されますが、当該相手方の返済能力の低下による減額の場合は免除されません。

b:〇

b文のとおりです。

c:×

【当該顧客の収入又は収益その他の資力を明らかにする事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録として内閣府令で定めるものの提出又は提供を受けなければならない。】の部分が誤りです。

収入又は収益その他の資力を明らかにする事項の記載、又は書面等の提出又は提供は、極度額が50万円を超える場合に義務づけられています。

d:×

【いずれか早い日までの間】の部分が誤りです。

当該極度方式基本契約の解除の日又は当該極度方式基本契約に基づくすべての極度方式貸付けに係る契約に定められた最終の返済期日のうち最後のもののうち、いずれか遅い日までの間保管しなければなりません。

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02

返済能力の調査についての問題です。

 

尚、「貸金業法施行規則」の文中の「法」は「貸金業法」を指します。

選択肢1. 1個

1個が正しいです。

 

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aは誤りです。

 

極度方式基本契約の相手方と連絡ができない事により極度額を一時的に減額していた場合(当該相手方の返済能力の低下による場合を除く)、当該相手方と連絡ができたことにより、極度額をその減額前の金額まで増額する場合は、返済能力の調査は必要ありません

 

本選択肢では、返済能力の低下が認められたことを理由に減額されているため、極度額を30万円に戻す際には返済能力の調査が必要です。

 

本選択肢に関連する条文は以下の通りです:
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(返済能力の調査)(貸金業法第十三条第一項)
「貸金業者は、貸付けの契約を締結しようとする場合には、顧客等の収入又は収益その他の資力、信用、借入れの状況、返済計画その他の返済能力に関する事項を調査しなければならない。」

 

(返済能力の調査)(貸金業法第十三条第五項)

「前各項の規定は、極度方式基本契約の極度額(貸金業者が極度方式基本契約の相手方に対し当該極度方式基本契約に基づく極度方式貸付けの元本の残高の上限として極度額を下回る額を提示している場合にあつては、当該下回る額)を増額する場合(当該極度方式基本契約の相手方の利益の保護に支障を生ずることがない場合として内閣府令で定めるものを除く。)について準用する。

この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。」

 

(極度方式基本契約の相手方の利益の保護に支障を生ずることがない場合)

(貸金業法施行規則第十条の十九)

第十三条第五項に規定する内閣府令で定めるものは、極度方式基本契約の相手方と連絡することができないことにより、極度額(貸金業者が極度方式基本契約の相手方に対し当該極度方式基本契約に基づく極度方式貸付けの元本の残高の上限として極度額を下回る額を提示している場合にあつては、当該下回る額。以下この条、次条第一項第一号、第十条の二十三第一項第二号の二ロ(1)及び(2)、第十条の二十八第四項第一号並びに第十条の二十九第一号において同じ。)を一時的に減額していた場合(当該相手方の返済能力の低下による場合を除く。)に、当該相手方と連絡することができたことにより、極度額をその減額の前の額まで増額する場合とする。」

 

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bは正しいです。

 

貸金業者が個人顧客である極度方式基本契約の相手方に対し、当該極度方式基本契約に基づく極度方式貸付けの元本の残高の上限として極度額を下回る額を提示している場合に、当該下回る額を増額する場合においても指定信用情報機関が保有する信用情報を使用しなければなりません。

 

本選択肢に関連する条文は以下の通りです:
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(返済能力の調査)(貸金業法第十三条第ニ項)

「貸金業者が個人である顧客等と貸付けの契約(極度方式貸付けに係る契約その他の内閣府令で定める貸付けの契約を除く。)を締結しようとする場合には、前項の規定による調査を行うに際し、指定信用情報機関が保有する信用情報を使用しなければならない。」

 

(返済能力の調査)(貸金業法第十三条第五項)

「前各項の規定は、極度方式基本契約の極度額(貸金業者が極度方式基本契約の相手方に対し当該極度方式基本契約に基づく極度方式貸付けの元本の残高の上限として極度額を下回る額を提示している場合にあつては、当該下回る額)を増額する場合(当該極度方式基本契約の相手方の利益の保護に支障を生ずることがない場合として内閣府令で定めるものを除く。)について準用する

この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。」

 

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cは誤りです。

 

貸金業者は、極度額を増額する場合、当該貸金業者合算額が50万円を超える場合、または個人顧客合算額が100万円を超える場合、源泉徴収票その他の当該顧客の収入、または収益その他の資力を明らかにする事項を記載し、または記録した書面又は電磁的記録として内閣府令で定めるものの提出又は提供を受けなければなりません。

 

本選択肢では、増額後の極度額が50万円以下であり、また、他の貸金業者の貸付けの残高が0円であるため、収入、または収益その他の資力を明らかにする事項を記載し、または記録した書面又は電磁的記録として内閣府令で定めるものの提出、または提供は必要ありません。

 

本選択肢に関連する条文は以下の通りです:
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(返済能力の調査)(貸金業法第十三条第三項)

「貸金業者は、前項の場合において、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、第一項の規定による調査を行うに際し、資金需要者である個人の顧客(以下この節において「個人顧客」という。)から源泉徴収票(所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第二百二十六条第一項に規定する源泉徴収票をいう。

以下この項及び第十三条の三第三項において同じ。)その他の当該個人顧客の収入又は収益その他の資力を明らかにする事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録として内閣府令で定めるものの提出又は提供を受けなければならない

ただし、貸金業者が既に当該個人顧客の源泉徴収票その他の当該個人顧客の収入又は収益その他の資力を明らかにする事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録として内閣府令で定めるものの提出又は提供を受けている場合は、この限りでない。」

 

(返済能力の調査)(貸金業法第十三条第三項一号)

「次に掲げる金額を合算した額(次号イにおいて「当該貸金業者合算額」という。)が五十万円を超える場合

 

(返済能力の調査)(貸金業法第十三条第三項二号)

「次に掲げる金額を合算した額(次条第二項において「個人顧客合算額」という。)が百万円を超える場合(前号に掲げる場合を除く。)」

 

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dは誤りです。

 

貸金業者は、本件基本契約の極度額を増額した時に作成した返済能力の調査に関する記録を、本件基本契約の解除の日、または本件基本契約に基づくすべての極度方式貸付けに係る契約に定められた最終の返済期日のうち最後のもの(これらの契約に基づく債権のすべてが弁済その他の事由により消滅したときは、その消滅した日)のうちいずれか遅い日までの間保存しなければなりません。

 

「いずれか早い日まで」ではなくて「いずれか遅い日まで」が正しいです。

 

本選択肢に関連する条文は以下の通りです:
---

(極度方式基本契約の極度額を増額した場合における返済能力の調査に関する記録の作成等)

(貸金業法施行規則第十条の二十第ニ項)

「貸金業者は、前項に規定する記録(法第十三条第五項において準用する同条第三項の規定により第十条の十七第一項に規定する書面等の提出又は提供を受けたときは、当該書面等又は当該書面等(書面又はその写しに該当するものに限る。)に記載された情報内容を記録した電磁的記録を含む。)を、当該極度方式基本契約の解除の日又は当該極度方式基本契約に基づくすべての極度方式貸付けに係る契約に定められた最終の返済期日のうち最後のもの(これらの契約に基づく債権のすべてが弁済その他の事由により消滅したときにあつては、その消滅した日)のうちいずれか遅い日までの間保存しなければならない」 

選択肢2. 2個

1個が正しいです。

選択肢3. 3個

1個が正しいです。

選択肢4. 4個

1個が正しいです。

まとめ

源泉徴収票等が必要な場合の条件、記録の保存期間等を

覚えておきましょう。

 

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