貸金業務取扱主任者の過去問
令和4年度(2022年)
貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問6

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問題

貸金業務取扱主任者資格試験 令和4年度(2022年) 貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問6 (訂正依頼・報告はこちら)

相続に関する次の記述のうち、民法上、その内容が適切なものを1つだけ選びなさい。
  • Aは、配偶者B及び胎児Cのみを遺して死亡した。Cは、生きて産まれたときであってもAの相続人とならない。
  • Aは、配偶者B及び親Cのみを遺して死亡した。この場合、Cの法定相続分は、3分の2である。
  • Aは、配偶者B、子C及び子Dのみを遺して死亡した。Bが相続を単純承認した場合であっても、C及びDは、限定承認をすることができる。
  • Aは、配偶者B及び子Cのみを遺して死亡した。B及びCは、遺産分割協議により、AのDに対する借入金債務をBのみが相続することとした場合であっても、Dは、B及びCに対して、当該借入金債務に係るそれぞれの法定相続分の割合に相当する債務の弁済を請求することができる。

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この過去問の解説 (2件)

01

下記の通りです。

選択肢1. Aは、配偶者B及び胎児Cのみを遺して死亡した。Cは、生きて産まれたときであってもAの相続人とならない。

生きて生まれてきた場合は相続人になります。

選択肢2. Aは、配偶者B及び親Cのみを遺して死亡した。この場合、Cの法定相続分は、3分の2である。

Cの法定相続分は1/3です。

選択肢3. Aは、配偶者B、子C及び子Dのみを遺して死亡した。Bが相続を単純承認した場合であっても、C及びDは、限定承認をすることができる。

限定承認は相続人全員で行う必要があります。

選択肢4. Aは、配偶者B及び子Cのみを遺して死亡した。B及びCは、遺産分割協議により、AのDに対する借入金債務をBのみが相続することとした場合であっても、Dは、B及びCに対して、当該借入金債務に係るそれぞれの法定相続分の割合に相当する債務の弁済を請求することができる。

適切です。

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02

相続に関する基本的事項を理解しましょう。

選択肢1. Aは、配偶者B及び胎児Cのみを遺して死亡した。Cは、生きて産まれたときであってもAの相続人とならない。

適切ではありません。

 

胎児は、相続人においては、生まれたものとして相続権をもちます(民法886条1項)。

選択肢2. Aは、配偶者B及び親Cのみを遺して死亡した。この場合、Cの法定相続分は、3分の2である。

適切ではありません。

 

配偶者と直系尊属が相続する場合、法定相続分は、配偶者が3分の2、直系尊属が3分の1となります。したがって、親の法定相続分は3分の1です(民法900条1項2号)。

選択肢3. Aは、配偶者B、子C及び子Dのみを遺して死亡した。Bが相続を単純承認した場合であっても、C及びDは、限定承認をすることができる。

適切ではありません。

 

相続人が限定承認をする際は、その全員が共同となって限定承認する必要があります(民法923条)。

選択肢4. Aは、配偶者B及び子Cのみを遺して死亡した。B及びCは、遺産分割協議により、AのDに対する借入金債務をBのみが相続することとした場合であっても、Dは、B及びCに対して、当該借入金債務に係るそれぞれの法定相続分の割合に相当する債務の弁済を請求することができる。

適切です。

 

遺産分割協議は相続人間の内部的な取り決めであり、第三者(債権者)には直接的な効力を持ちません(民法909条)。そのため、債権者(D)は相続人全員(BおよびC)に対して、法定相続分に基づく割合で借入金債務の弁済を請求することができます。

たとえBのみが借入金債務を相続することで遺産分割協議が成立していても、Dはその協議に拘束されず、Cにも債務を請求する権利があります。ただし、相続人全員がDの承諾を得て債務の引き受けを行った場合は別です。

まとめ

相続に関する問題は、民法の規定に基づいて複雑な要素が絡み合います。特に、相続人の範囲、法定相続分、相続の承認・放棄・限定承認、遺産分割など、様々な知識が必要となります。

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