貸金業務取扱主任者の過去問
令和4年度(2022年)
貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問8

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問題

貸金業務取扱主任者資格試験 令和4年度(2022年) 貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問8 (訂正依頼・報告はこちら)

犯罪による収益の移転防止に関する法律についての次の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選びなさい。
  • 貸金業者は、顧客である株式会社(その株式を金融商品取引所に上場しているものとする。)の取引時確認を行う場合においては、当該会社のために当該貸金業者との間で当該取引時確認の対象となる取引を行っている当該会社の担当者の本人特定事項の確認を行わなければならない。
  • 貸金業者は、個人顧客との間で特定取引を行うに際し、当該顧客から電気料金等の公共料金の領収証書の原本の提示を受けたときは、取引時確認における本人特定事項の確認を行ったものと認められる。
  • 貸金業者は、特定業務に係る取引について、顧客が組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律第10条(犯罪収益等隠匿)の罪に当たる行為を行っている疑いがあると認められる場合においては、速やかに、管轄の行政庁及び当該貸金業者が加入している貸金業法上の指定信用情報機関に届け出なければならない。
  • 貸金業者は、取引時確認を行った場合には、直ちに、主務省令で定める方法により、当該取引時確認に係る事項、当該取引時確認のためにとった措置その他の主務省令で定める事項に関する記録を作成し、当該記録を、当該取引時確認を行った日から7年間保存しなければならない。

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この過去問の解説 (2件)

01

下記の通りです。

選択肢2. 貸金業者は、個人顧客との間で特定取引を行うに際し、当該顧客から電気料金等の公共料金の領収証書の原本の提示を受けたときは、取引時確認における本人特定事項の確認を行ったものと認められる。

取引時確認における本人特定事項には「氏名」「住居」「生年月日」の確認が必要なので、公共料金の領収書では不十分です。

選択肢3. 貸金業者は、特定業務に係る取引について、顧客が組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律第10条(犯罪収益等隠匿)の罪に当たる行為を行っている疑いがあると認められる場合においては、速やかに、管轄の行政庁及び当該貸金業者が加入している貸金業法上の指定信用情報機関に届け出なければならない。

行政庁には届け出る必要はありますが、指定信用情報機関への届け出は必要ありません。

選択肢4. 貸金業者は、取引時確認を行った場合には、直ちに、主務省令で定める方法により、当該取引時確認に係る事項、当該取引時確認のためにとった措置その他の主務省令で定める事項に関する記録を作成し、当該記録を、当該取引時確認を行った日から7年間保存しなければならない。

「取引確認を行った日から」ではなく「取引に係る契約が終了した日その他の主務省令で定める日から」7年間です。

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02

犯罪による収益の移転防止に関する法律について、基本的事項を理解しましょう。

選択肢1. 貸金業者は、顧客である株式会社(その株式を金融商品取引所に上場しているものとする。)の取引時確認を行う場合においては、当該会社のために当該貸金業者との間で当該取引時確認の対象となる取引を行っている当該会社の担当者の本人特定事項の確認を行わなければならない。

適切です。

 

特定事業者(貸金業者など)との間で特定取引等を行う際に、その業務を担当する自然人と顧客等が異なる場合、かつ顧客等が金融商品取引所に上場している株式会社である場合には、特定事業者は、その担当する自然人について本人特定事項の確認を行う必要があります(犯罪収益移転防止法4条5項)。

選択肢2. 貸金業者は、個人顧客との間で特定取引を行うに際し、当該顧客から電気料金等の公共料金の領収証書の原本の提示を受けたときは、取引時確認における本人特定事項の確認を行ったものと認められる。

適切ではありません。

 

公共料金の領収証書の原本を提示されただけでは、取引時確認における本人特定事項の確認を行ったとは認められません。確認を行うには、公共料金の領収証書の原本に加え、健康保険証などの原本を提示するなど、追加の確認が必要です(犯罪収益移転防止法施行規則7条1項)。

選択肢3. 貸金業者は、特定業務に係る取引について、顧客が組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律第10条(犯罪収益等隠匿)の罪に当たる行為を行っている疑いがあると認められる場合においては、速やかに、管轄の行政庁及び当該貸金業者が加入している貸金業法上の指定信用情報機関に届け出なければならない。

適切ではありません。

 

疑わしい取引については、速やかに行政庁に届け出る必要があります(犯罪収益移転防止法8条1項)。しかし、貸金業法上の指定信用情報機関に届け出る義務はありません。

選択肢4. 貸金業者は、取引時確認を行った場合には、直ちに、主務省令で定める方法により、当該取引時確認に係る事項、当該取引時確認のためにとった措置その他の主務省令で定める事項に関する記録を作成し、当該記録を、当該取引時確認を行った日から7年間保存しなければならない。

適切ではありません。

 

取引時確認を行った場合、直ちに確認記録を作成し、その記録は特定取引等に係る契約が終了した日などから7年間保存しなければなりません。

まとめ

犯罪による収益の移転防止に関する法律は、犯罪収益が金融システムに入り込むことを防ぐために、特定事業者(貸金業者を含む)に対し、取引時確認などの義務を課しています。取引時確認では、顧客の本人特定事項を確認し、疑わしい取引があった場合には、金融庁長官に届け出ることが求められます。

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